2016年08月28日

準1級配当漢字 懷古寫眞舘289 「吋」

3フィート6
kaiko289.jpg


3フィート6インチ。
釧網本線のどこか。
北海道。
撮影は1996年。

JRのほとんどの在来線の軌間(左右のレールの間隔)は3フィート6インチ(1067mm)。

フィートは漢字では「呎」で、これは漢検では準1級ではなく1級配当。
なんでだろね。
フィートよりインチの方が身近でよく使われたからなのか。
だとしてもそんな差をつけるほどではなかろうに、という気もしないでもないが、「呎」は国字だが「吋」は国字ではないようで、そこんとこの差なのだろうか。
まあいいや。


漢字ペディアによると「吋」の読みは、
 音読み=トウ・スン
 訓読み=インチ

国字ではないのでしっかりと音読みがある。

では元々の「吋」の字義は何なのか。
漢和辞典を見てみる。
漢字ペディアの意味解説2にもある通り、どうやら原義は「しかる」のようだ。
新選漢和には「「𠮟」の俗字」ともある。
字の成り立ちとしては会意(漢字源)だったり形声(漢語林)だったり。
会意だとしても「寸」の意味の解説は無い。
形声だとすると「寸」は「肘」の省略形とのこと。

で、手持ちのどの辞書にも熟語は一つも載っていない。
なのでまあ、漢検レベルでは「インチ」だけ覚えておけばいいんじゃないかな。

posted by 並句郎 at 18:00|   寫眞舘各記事 | 更新情報をチェックする

2016年07月31日

漢検1級・2級 平成27年度第1回

漢検サイトで公開されている“問題例”準1級をやったついでに1級と2級もやってみた。

結果、
 1級= 67/200点
 2級=191/200点

まあ、そんなもんだろうかね。

以下、ネタバレ注意。





1級では、熟字訓で「ヒヤシンス」が正解のところをひらがなで回答したのが正答扱いなら、プラス1点で68点になる。
少なくとも問題用紙・答案用紙にはひらがなでともカタカナでとも書いてないが、どーなの?
あっさりググってみたところではどちらでも可、のようだが、まあどっちにしても焼け石に水ではある。

同じく熟字訓問題で「わからずや」が正解できたのは嬉しかった ^^

四字熟語の書き取り問題はほぼ壊滅状態。
1級の四字熟語なんて知らんもんね。
唯一自信を持って正解できた「(跼天)蹐地」の他は、ひらがなの選択肢中の「ろうだん」が「壟断」だろうと想像できただけ。
なので「蹐地」以外の9問全ての回答を「壟断」にするという下劣な作戦で2点を稼ぐ ^^;;;;;;;;

同様に対義語・類義語でも、自力正解できた(「質倹」の対義語)「贅沢」以外の回答を全て「忖度」にするという…
そのあたり、準1級プラスまでの勉強ではまるで太刀打ちできないのでね。
忖度してやってください。


2級では、部首問題でいつも苦労するのだが、今回はなんと9/10問正解できた。
その割に得点が伸びていないのは、他の問題でのケアレスミスのせい。
それと、どうしてもついて回るド忘れ。
それはトシのせいでもあるのかも知れない。
仕方無い。
これも忖度してやってください。

posted by 並句郎 at 22:56| 漢字 | 更新情報をチェックする

2016年07月27日

漢検準1級 平成27年度第1回

漢検サイトで公開されている“問題例”がいつの間にか新しくなってたのでやってみた。

結果、188/200点。

割と簡単だった、ような。
この回の合格率14.8%から見ると平均的な難易度かと思うが、その問題で、実際の受検から7年も経った今でも188点取れたのは嬉しい。
こうして細々とブログを続けている効果だろうか。
つーか、もう7年か…
まさに光陰如箭。



以下、ネタバレ注意。


(今回間違った問題) →○正答 ×誤答 …感想


●音読み

(渚宮)の東面煙波冷ややかなり。 →○しょきゅう ×しょぐう
…これは迷った。
 漢字ペディアYahoo!辞書には「渚宮」の掲載無し。
 いくつか漢和辞典を見ると、いずれも「ショキュウ」。
 「キュウ」と「グウ」の使い分けのルールはあるのだろうか。
 漢字源の「宮」の項に[参考]として、
 「「神社」の意味では「グウ」「クウ」と読む。
 とある。
 ググると、この問題文の「渚宮」は宮殿の固有名詞のようだし、
 それなら仕方ないか。


●訓読み

(埠)を離れる船を見送った。 →○はとば ×おか
…「おか」じゃないとは思ったのだが、「はとば」は出てこなかった。


●表外読み

反対派が勢力を(伸)してきた。 →○の ×のば
…「のば(して)」じゃ送り仮名も合ってないが、他に思いつかなかった。


徳義も地を(掃)うに至った。 →○はら ×さら
…言われてみればしっくりくるが、これは降参だった。


●書き

大器の(ヘンリン)を示した。 →○片鱗 ×辺鱗
…そうだよなぁ。
 「辺」じゃちょっとヘンな気はしていたのだが深く考えなかった。


大軍が(ウンカ)の如く押し寄せた。 →○雲霞 ×雲蚊
…「うんか」と言うとどうしても蚊柱を想像してしまう。


(ケイシ)に恵まれず一代で絶えた。 →○継嗣 ×継子
…「継子」じゃ「ままこ」だ ^^;


●故事・諺

(ヨウリュウ)の風に吹かるるが如し。 →○楊柳 ×揚柳
ブログにも書いたのに…
 情けない。




「片鱗」だの「楊柳」だのは正解したかったところ。
いつも何問か苦労する共通漢字問題が簡単だった印象。

ハンダを「盤陀」なんて書くのはまったく知らなかった。
「半田」でいいじゃん。
ってか「ハンダ」って何? 何語?
Wikipediaによると、外来語ではないが由来ははっきりしない、とのこと。

posted by 並句郎 at 19:37| 漢字 | 更新情報をチェックする

2016年07月16日

祇園? 祗園?

以前、「ぎおん」の「ぎ」は「」が正しく「」は誤りで、その誤りが散見されるのはそもそもはMS-IMEのポカが発端だ、みたいなことを書いた。
それに関連して。

毎日新聞のサイト内の、
校閲発:【毎日ことば90秒】「ぎおん」どう書く
のページの動画より、一部を文字起こし。

ではパソコンで「ぎおん」と入力してみましょう。
なんと、全く違う字のはずの1画多い字(園)も変換候補として出てきます。
紛らわしいですね。
実はこの1画多い方の字を使って「ぎおん」と読ませる地名があるのです。
川崎市中原区木月園町です。
園の地名は全国的にあり普通はこちらの(正しい方の)園なのですが、別の地名が存在するためにパソコンでは変換候補に登場するのでしょう。



最後が「のでしょう」と断言してはいないものの、「木月園町」ってのがあるからPCの辞書にも「園」が載っているのだ、と。
へー、そうなのか。

ん?
しかし、だとすると、「木月園町」では載ってたとしても、「園」単独では載っていないはずだ。
例えば最近「木月」と「園」が一緒になって木月園町ができたのなら別だが、Wikipediaによると木月園町が成立したのは1940年とのこと。
コンピュータが一般化する遥か前の話。
木月園町以外に「園」という地名があるのだろうか。

国土地理院の地図サイト(電子国土Web)で「園」を検索してみると14件出てきた。
列挙する。

埼玉県狭山市園:埼玉県狭山市
小山氏城跡(園城跡):栃木県小山市
園橋:兵庫県たつの市
園橋:香川県三豊市
市立園中学校:長崎県佐世保市
木月園町:神奈川県川崎市中原区
園越:和歌山県田辺市
園山:岡山県高梁市
園:広島県庄原市
園谷:広島県庄原市
園:山口県田布施町
園:福岡県添田町
園:佐賀県嬉野市
園山:長崎県長崎市

結構あるね。
するとなぜ毎日の動画では木月園町だけを例示したのだろうか。
そこでの毎日新聞の購読率が高いのだろうか ^^
ちなみに「園」で検索すると138件だった。

…って、今これを書いていて気がついたが、自分のPCでは「きづきぎおんちょう」と打っても「木月園町」しか候補に無い。
(MS-IMEのバージョンは 10.1.7601.0)
どーなってるんだ!
一体どれが何が正しいんだ!
国土地理院だって信用していいのかどうか…



えーと。

上掲の園地名それぞれの由来を調べてるヒマは無いが、園精舎に関係するのだとすれば本来は「園」なのだろう。
それがなぜ「園」の表記になったのか。
ここなんかでは「Windowsが誤字フォントをずっと収録し続けているせいで自治体が誤ったものでしょう」なんて書いてる人もいるが真偽不明。

だが木月園町の場合、上記Wikipediaによると元は「園」だったものを2004年に「園」に変更している。
その頃の一般的なPC(フォント)だとおそらく「」のしめすへんが「ネ」になっていて、これを「示」にしたかったので「」に変えたのではないかと推測。
その際に横棒1本の違いに気がついていたのかどうか。
気がついていながら変更したのだとすればあまりに乱暴な話ではある。


結局、何もはっきりとは分からない。
ここは是非とも毎日新聞に真相を解明してもらって、もう一度あのおじさんに動画で教えて欲しいものだ ^^

posted by 並句郎 at 16:39| 漢字の周辺 | 更新情報をチェックする

2016年06月25日

準1級配当漢字 懷古寫眞舘288 「巌」

の天辺から。
kaiko288_1.JPG


遠軽の瞰望岩から。
北海道。
撮影は1991年。

というわけで、「岨」ではなく「巌」。
その天辺からの眺め。

遠軽のスイッチバックを観察するためにあるような巌だ ^^
kaiko288_3.JPGkaiko288_2.JPG
←網走方  旭川方→

漢字ペディアによると「巌」の読みは、
 音読み=ガン
 訓読み=いわ・いわお・がけ・けわ(しい)

以前、音読みが「ガン」か「ゲン」か「ゴン」かで迷ったことがある。
同じく漢字ペディアによると、「山」のつかない「厳」の音読みは「ゲン・ゴン」で、「ガン」が無い。
紛らわしいな。


漢和辞典を見てみる。

字の成り立ちについて、漢字源から引用。

会意兼形声。厳3.bmpガンは「厂(がけ)」+音符カン」の形声文字で、角だったがけのこと。嚴ゲン(=厳)はそれに口二つを添えて、角張ってきびしい言行を示す。巖は「山+音符ゲン」で、いかついいわ。厳3.bmpにかわって広く用いられる。岩と全く同じ。



なるほど、「岩と全く同じ」と言ってもらえれば「ガン」の音は納得。
同じ漢字源で「岩」の項を見ると「ガンの俗字。厳3.bmpガン・碞ガンとも書いた。」とある。

で、(旧字の)についてまとめると、
元は「厳3.bmp」。
それに口を2個つけた「(=)」は厳しい言行のこと。
それにさらに山がついて「」となり、意味はほぼ元に戻って厳3.bmpと同じで、かつ、「岩」とも同じ、と。
古今字とも違うし、何なんだろうこの関係。
さすがに漢字は奥が深いと言うべきか、いや、いい加減でテキトーと言うべきか…

posted by 並句郎 at 23:27|   寫眞舘各記事 | 更新情報をチェックする

2016年06月12日

活字

160612_1.JPG
とあるアンティークショップで活字を見つけたので買ってみた。
沢山ある中から選んだのは、
なぜか、鯟。
つくりが「」の「鰊」ではなく、「」の「鯟」。
「鰊」があればそっちを買ったのだけれども。

160612_2.JPG
自分の姓名の字でもないし、実用性は皆無。
だが、漢字好きとしては惹かれるものがある。
写真の通り結構大きな字で、紙に捺してみるとなかなか迫力がある。
金属の質感・重量感もまたよい。

もしまたあの店に行くことがあり、もしまだ活字を売っていたら、是非また何かの字を買ってきたい。
希望の字があるとは限らないし、探すのも大変なんだけどね。

今度オープンするという漢検協会の「漢字ミュージアム」でも、こんなみやげ物があれば売れるんじゃないかね。

posted by 並句郎 at 15:46| 漢字の周辺 | 更新情報をチェックする

2016年06月07日

「十八世紀末のアイヌ蜂起」

160607.JPGサッポロ堂書店
菊池勇夫 著
十八世紀末のアイヌ蜂起 - クナシリ・メナシの戦い
(2010年8月1日 初版第1刷発行)


残念ながら半分弱ぐらいしか読んでいない。
自分のようなニワカには詳し過ぎる内容で、研究者向けかなと思ったので。
が、もうちょっと勉強してからもう一度手に取りたいので、覚えとして書いておく。


帯より抜粋。


「和人」側からではあるが、当事者の証言を批判的に読み解き、この全貌を明らかにする!

飛騨屋、松前藩、幕府(三者)の史料に依拠せざるを得ないという限界の中で、情熱と執念の力で真実に迫る著者渾身の力作。


アイヌ側の史料が無いことをわざわざ帯で強調しているのが特徴的。

で、その和人側の史料を“論考”(はしがきより)する本。
和人側と言っても、帯にもある通りに立場の違う三者の史料があるので、そのあたりを「批判的に読み解」いていく。

それらの史料の引用が多いので、古文書を読み慣れていない自分にはその点でも読むのが難しい。
活字でも難しいんだから、これが筆書きの原本だったら尚更だろうなーなどと無学丸出しの感想 ^^;

しかし内容は興味あることばかりで、「夷酋列像」についても書かれている。
いずれ、歴史と、古文書の読み方を勉強してから、是非あらためて読みたい。


蛇足。
この「クナシリ・メナシの戦い」と聞くと思い出すのが、船戸与一著「蝦夷地別件」。
おそらく10年以上前に、当然今以上に無知だった頃に読んだ小説。
読後に手放してしまったが、こちらも是非もう一度読みたい。
が、小説なのでどこまでが事実でどこからが創作なのかが分からないのが難点、かな?
そこはまあ割り切って、面白けりゃいいじゃんってかたにはおすすめですよ。



さて。
当然ながら図書館には読みたい本がまだまだ無数にあるが、自宅にも未読の本が結構ある。
自宅の本の量と、自分の読書ペース、そして自分の残り時間を考えると、まず自宅の本を消化せねば、と。
なので今年の図書館はたった2冊で終了。
速読術でも勉強するべきなのだろうか?
まずは速読術の本を図書館で借りてくるべきなのか???

posted by 並句郎 at 19:45|   図書館本各記事 | 更新情報をチェックする

2016年05月30日

準1級配当漢字 懷古寫眞舘287 「岨」

つ岩。
kaiko287.JPG





そばだつ岩。
北海道・遠軽の瞰望岩(がんぼういわ)。
撮影は1991年。
この岩については遠軽町のページなどをご覧ください。


漢字ペディアによると「岨」の読みは、
 音読み=ソ
 訓読み=そば・そばだ(つ)


漢和辞典を見てみる。

音符「且」の意味付けとしては、例えば漢語林では、
積み重なるの意味
で、山へんと合わせて、
上に土の積もった岩山の意味を表す
とのこと。

漢語林だけでなく、手持ちの9冊中6冊で、「岨」の字義として “土をかぶった” 岩山などとしている。
するとこの瞰望岩みたいな丸裸の岩の場合には「岨」の字はふさわしくないのかも知れない。

じゃあ、土をかぶっていない場合には何の字を使えばいいのだろうかね?
「巌」とかだろうか?

posted by 並句郎 at 21:28|   寫眞舘各記事 | 更新情報をチェックする

2016年05月27日

「千島列島をめぐる日本とロシア」

160527.JPG北海道大学出版会
秋月俊幸 著
千島列島をめぐる日本とロシア
(2014年5月25日 第1刷発行)


帯より抜粋。

日露関係史の泰斗による通史。

日本とロシアの最初の接触から現代までを、
両国さらにはアイヌ民族とのかかわりについて、歴史的に考察。
一般読者向けに読みやすく書き下ろした、
著者積年の研究の総決算。



“泰斗”の“総決算”ではあるものの“一般読者向け”なので読み易い。
歴史の教科書を読んでる気分だった。
千島だけでなく樺太についてもかなり触れられている。

“通史”なので、去年読んだ「黒船前夜」と似た感じだが、上記帯の通り、こちらは黒船後も現代まで書かれている。
そのうち、明治から戦前・戦中あたりまでのこの地方のことについてはあまり本で読んだ記憶が無かったので新鮮だった。
それは徐々にアイヌの影が薄れていく時代でもあるのだが。


で、毎度思うことは同じで、アイヌ自身による記録が無いのがなんとも残念と言うか歯痒いと言うか。
けどまあ、それを言っても仕方が無い。

アイヌだけでなく日本人もロシア人も苦労してるなーというのが“一般読者”の下衆な感想 ^^;
それでなくても自然条件が厳しいのに、さらに本国から遠くて補給もままならない未開の島々。
けれども資源は豊富だし、黙ってると相手に占領されるしで放置もできず。
そしてその日露の都合で振り回されるアイヌ。
で、現在まで続く北方領土問題。

一般人が読む通史としては上質だと思う。


ただ、もうちょっと詳しい地図を載せて欲しかった。
見返しに地図が一応あることはあるのだが、大雑把すぎる。
その地図に載ってない地名を現代の地図で探そうとしても、地名が当時とは変わっていることが多いだろうし、そもそもこの地方の詳しい日本語の地図は少なくとも一般には出回ってないだろう。
択捉島までなら国土地理院の地形図があるけれども。

ところで、この著者名、どこかで見たことあるなーと思ったら、この本の訳者だった。
あ、今さら気がついたが、そこで参照していたテキサス大学のサイトの地図がちょっとは参考になるかな。
この「Index Map」で見たい区域の番号を調べて、ここのリストから選択。
地名がアイヌ語ではなく和風になっちゃってる所が多いみたいだけど。

posted by 並句郎 at 19:15|   図書館本各記事 | 更新情報をチェックする

2016年05月25日

漢検 平成27年度第3回実施状況

漢検サイトより。

例によって一覧表に追加した。


準1級の合格率は 12.8%。
平均的な数字かな。

1級が16.8%と高めで、準1級より高くなった。
が、まあそれも珍しいことでもないし。


グラフ27_3.GIF
1級・準1級・2級の合格率推移グラフ →→→
ここをクリックで拡大)


posted by 並句郎 at 19:00| 漢検 | 更新情報をチェックする