2017年05月15日

準1級配当漢字 懷古寫眞舘297 「爺」

駅。
kaiko297.JPG


とうや駅。
北海道。
撮影は1990年。
子供の頃、「洞爺」は「と゛うや」だとばかり思っていた。
ちなみに釧路の近くには「遠矢」駅もある。
そちらは「とおや」駅。
ローマ字では同じ綴りになるだろうか。
ちょっとググると、どちらも由来はアイヌ語の「ト(トー)=湖」+「ヤ=岸」で、湖岸のこと。
アイヌ語での正確な発音は知らないが、「トーヤ」に漢字を当てるなら「遠矢」の方がよほど自然だろう。
「洞爺」はなぜその字なのかね。
洞穴に暮らす爺さんでもいたのだろうか。


閑話休題。

漢字ペディアによると「爺」の読みは、
 音読み=ヤ
 訓読み=おやじ・じじ


漢和辞典を見てみる。

音符「耶」の意味付けを書いているものは無かった。

「耶」の部分が「邪」になっている字、「𤕓」が、「爺」の古字(漢字典)・異体字(漢辞海・漢字源)・同字(漢語林)などとして載っている。
古字がその「𤕓」だったとして、父親を指すのにさすがに「邪」じゃまずいだろうと「耶」にした、のかどうかは知らない。


っていうか、「爺」の第一義は父親なんだね。
なんとなく、祖父とか、親戚ではなくても一般的に(?)じいさんのことかと思ってたし、「親爺(おやじ)」と書いた時でも自分の父親ではなく近所のラーメン屋のおやじ、みたいなイメージだったが。
一部の辞書では、そういう “年寄りの男” 的な字義は日本語用法だとしている。

posted by 並句郎 at 20:30|   寫眞舘各記事 | 更新情報をチェックする

2017年04月23日

準1級配当漢字 懷古寫眞舘296 「摺」

岬。
kaiko296.JPG





高知県。
撮影は1985年。
「足摺」という地名の由来については諸説あるようだ。

ちなみに「あしずり」で国語辞書を引くと、「じだんだを踏むこと」とのこと。
「あしずる」という動詞の形では見つからなかった。

漢和辞典を見ても「足摺」なんて熟語はほぼ無い。
わずかに新選漢和には載っていたが、「あしずり」と読み「じだんだをふむ」という日本語用法があるのみ。
なので「ソクショウ」とか読む漢語の熟語は無いようだ。
漢語にもしあるとすれば「足摺」ではなく「摺足」かと思ったが、それも見当たらない。


漢字ペディアによると「摺」の読みは、
 音読み=ショウ・ロウ
 訓読み=す(る)・たた(む)・ひだ・くじ(く)

音では「シュウ」と読みたくなるが「ショウ」または「ロウ」。
訓読みも色々。
なかなか厄介な字だ。


あらためて漢和辞典を見てみる。

音符「習」の意味付けについて、例えば漢語林では、
鳥が羽を重ね合わせるの意味」で、
手へんと合わせて「おりたたむの意味を表す」とのこと。

なるほど、原義は「たたむ・おりたたむ」などのようで、「する」というのは日本語用法とのこと。
なので例えば熟語「摺本」の語義も、漢語としては「折り本」だが、日本語としては「印刷した本」となる。

その「する」という字義は「トウ の誤用」(漢語林)とのことで、「搨」の字には漢語としても「する」という字義があるようだ。
「搨」は漢検では1級配当。

posted by 並句郎 at 19:39|   寫眞舘各記事 | 更新情報をチェックする

2017年03月30日

準1級配当漢字 懷古寫眞舘295 「鋤」

のマーク。
kaiko295.jpg





別府鉄道の機関車についている、別府鉄道の社章。
土山駅。兵庫県。
撮影は1981年。
別府鉄道の、と言うより、親会社の多木化学の社章だけどね。
「社章の由来」に「太古創農の時代に田畑を耕すために使用されたスキを図案化したものです。」とある。
肥料会社なので鋤、は分かるが、鋤ってこんな形だっけ?
日本大百科全書を見ると、普通の鋤じゃなくて「踏鋤」ってやつなのかも。


漢字ペディアによると「鋤」の読みは、
 音読み=ジョ・ショ
 訓読み=すき・す(く)


音符「助」の意味付けとして、例えば漢語林では「たすけるの意味」で、「金」と合わせて「苗の生長を助ける器具、すきの意味を表す」とのこと。

posted by 並句郎 at 22:29|   寫眞舘各記事 | 更新情報をチェックする

2017年03月18日

準1級配当漢字 懷古寫眞舘294 「螺」

子留めされた[2]。
kaiko294.jpg


別府港駅。
兵庫県。
撮影は1981年。
以前にも登場した別府鉄道のキハ2。
その正面にねじどめされているナンバープレート。
停車中とは言え、線路に立ち入って営業車両の真正面に立って撮影するなんざ、今だったら炎上しかねない、かな?
伊代ちゃんのように ^^;
まあ、始発前で運転士も乗っていない時だし、時効でもあろうから許してくださいごめんなさい。


大辞泉によると「ねじ」は「捻子」「捩子」「螺旋」とも書くようだが、個人的には「螺子」が一番しっくりくる。
ググってみると、
 螺子 約 14,300,000 件
 捻子 約 230,000 件
 捩子 約 27,700 件
やはり「螺子」が一般的なのだろう。


漢字ペディアによると「螺」の読みは、
 音読み=ラ
 訓読み=つぶ・にし・にな・ほらがい

要するに巻貝だね。

漢和辞典を見てみる。

音符「累」の意味付けについて、例えば漢語林では「かさなるの意味」で、虫へんと合わせて「そのからが、らせん状に積み重なった形の、になの意味を表す」とのこと。


ところで手持ちの辞書の中で漢字典だけに、「螺」の本字は「」、とある。
似たような字が1級配当にあった気もするが、「」は漢字ペディアにも載ってないし、1級配当でもないのか。

」を漢和辞典で見てみる。

漢字典では、「螺」の本字、とあるのみ。

漢字源では、右下部分の中の横線が1本ではなく2本(丮)なのが本字で、音は「ラ」、字義は「螺」と同様、または、かたつむり・なめくじ。
「虫」と「𦟀」との会意文字だが、「𦟀」は音符でもありその意味付けとしては「肉が柔らかい」とのこと。

漢語林では、音符「𦝠」は「なめくじの象形」などとある。
なめくじをどうかたどったら「𦝠」になるのやら。

その「𦝠」や「𦟀」の字を漢和辞典で探せないので、このぐらいにしておこう ^^;

posted by 並句郎 at 22:13|   寫眞舘各記事 | 更新情報をチェックする

2017年02月04日

準1級配当漢字 懷古寫眞舘293 「噸」

27.1
kaiko293_1.JPG





枕崎駅。
鹿児島県。
撮影は1984年の大晦日。
kaiko293_2.JPG鹿児島交通の気動車、キハ102。
鹿児島交通の鉄道線はこの年3月に廃止。
なので撮影時はもう廃止後で、この車両も前後のレールが剥がされている。
kaiko293_3.JPGググると、その後解体されたようだ。

さて。
写真の「トン」の字は、準1級配当の「噸」ではなく、1級配当の「瓲」になってるが、そこは取り合えずスルー希望 ^^;

「瓲」以外の重量の単位、「瓩」(キログラム)とか「瓰」(デシグラム)とかも瓦を部首としていて、「噸」だけが異端に見えるが…

まず、漢字ペディア。
「噸」
トン。重量の単位。一〇〇〇(キログラム)。また、船舶の容量の単位。英語の音訳字。


「瓲」
トン。重量の単位。一〇〇〇(キログラム)。英語の音訳。


ふーん。
「噸」の方だけは船舶の容量の単位にも使われるってことかな?


次に大辞林
んー、特に使い分けは無いようだが。


三省堂ワードワイズ・ウェブより。
メートル法のトンとは異なる単位としてのトンには、それを表す「噸」が作られている

へー。
メートル法じゃない「トン」なんてのがあるんだ。
しかしなるほど、考えてみると準1級配当漢字でも「吋」(インチ)や「哩」(マイル)があるし、口へんはヤード・ポンド法の単位の漢字に使われるってことかな?


漢和辞典を見てみる。
いずれもメートル法とヤード・ポンド法両方の「トン」の字義を載せており、「瓲」との使い分けの記述は無い。
上記三省堂のページでは、この字は「中国製か日本製か、判断が難しい」とあるが、辞書では国字としたものが多く、熟語も皆無。
中国製だったとしても近代に作られたのだろう。


なのでまあ、噸でも瓲でも、あるいは「屯」でも、どれでもお好きなものをどうぞって感じだろうか。
実生活上は「t」でいいだろうし。
漢検の書き問題に出た場合にどう書くべきかは知らない。

posted by 並句郎 at 22:22|   寫眞舘各記事 | 更新情報をチェックする

2017年01月02日

準1級配当漢字 懷古寫眞舘292 「酉」

の年。
kaiko292.JPG


長崎鼻パーキングガーデン。
鹿児島県。
撮影は1984年。
ま、まあ、酉(鶏)の年であって、鳥の年ではないけれども。

フラミンゴは漢字ではどう書くのかね?
「紅鶴」か?
ググってみるとやっぱり「紅鶴」のようだ。
なーんだ。
もっと、こう、「一本足鶴」みたいな書き方は無いのかね ^^
試しにエキサイト翻訳でフラミンゴを中国語訳してみると「火烈鳥」と出た。
おー、リアル火の鳥か。


漢字ペディアによると「酉」の読みは、
 音読み=ユウ
 訓読み=とり・ひよみのとり


漢和辞典を見てみる。
「酉」は酒壺の象形とのことで、これを「とり」とするのは仮借だろうかね。
十二支は全部仮借かな?
すみません、思い付きで言ってみただけです ^^;

そんないい加減な弊ブログを今年もよろしくお願い致します。

posted by 並句郎 at 01:33|   寫眞舘各記事 | 更新情報をチェックする

2016年12月30日

準1級配当漢字 懷古寫眞舘291 「湊」

駅。
kaiko291_1.jpg



青森県。
撮影は1981年。
この駅舎、35年前の撮影時でもそこそこ古びた感があるが、ググってみると改装はしているものの現役のようだ。
さらにググるとどうやら大正時代の開業時からの建物のようで、そこまで古くなると逆に残さざるを得なくなっちゃうのだろうかね。

kaiko291_2.jpg
駅舎の写真でははっきり見えないが、駅名標では「湊」の字体が違っている。
出来合いのフォントが幅を利かせる現在ではなかなか見られない、古き良き時代の味わいと言うか何と言うか…

それより駅名標の後ろに赤い字で何か書いてあるな。
202億損害賠償 白紙撤回 大湊青年部」かな?
一体何があったんだ。
ググったらこんな感じ
“スト権スト”か。
なんだか懐かしい響き。


漢字ペディアによると「湊」の読みは、
 音読み=ソウ
 訓読み=みなと・あつ(まる)


漢和辞典を見てみる。

音符「奏」の意味付けとして例えば漢語林では「両手を寄せて物をおしすすめるの意味」とし、さんずいと合わせて「水が寄ってくる所、みなとの意味を表す」とある。
「水が寄ってくる」ってのも意味不明だが、まあ舟が集まってくるってことなんだろう。

漢字源では[難読]として、「湊元(つもと)」「湊本(つもと)」が載っている。
姓か地名だろうかね。
この場合の「つ」は「津」に繋がるのだろうと想像する。


「みなと」と言えば現代日本では普通「港」だと思うが、「湊」との使い分けは?
漢字源の「港」の項に[類義]としてこうある。
津は、浅瀬の船着き場。湊は、水路の集中するみなと。

ふーん。
いや、だから、「港」は?
「港」の音符の「巷」には「あつまる」のような意味合いは無さそうなので、「湊」の方がより多くの舟が集まるってことだろうか?
規模としては 湊 > 港 、か?
してみると「大湊」ってのは取り分け大きなみなとってことか?
「小湊」っていう地名もあるが…

ま、まあ、その辺は勝手な想像。
ググってみるとこんな話が。
 Yahoo!知恵袋
 多摩から世界へ様
参考までに。

posted by 並句郎 at 15:56|   寫眞舘各記事 | 更新情報をチェックする

2016年10月05日

準1級配当漢字 懷古寫眞舘290 「庇」

並んだ
kaiko290.JPG






函館の赤レンガ倉庫の「ひさし」。
撮影は1989年。
倉庫群のどの地点だったか、まるで記憶が無い。
ので、左のアーチ上の24という番号をストリートビューで探してみると…
ここだろうか。
現在は庇は全滅しているようだ。
庇があった方がカッコいい気もするが。



漢字ペディアによると「庇」の読みは、
 音読み=ヒ
 訓読み=かば(う)・ひさし

部首内画数は4。
つまり「比」は4画



漢和辞典を見てみる。

形声(漢字源では会意兼形声)文字で、例えば漢語林では、
音符の比は、ならび親しむの意味。广 ゲン は、屋根の象形。並び親しむ屋根の意味から、かばうの意味を表す
とある。
同じく漢語林で「广」の項の解字解説中には「建築物を示す文字の要素文字となる」とあるし、やはり「庇」は建築関係の「ひさし」が原義…
かと思いきや、漢字典や漢辞海では「ひさし」は国訓だとか日本語用法だとか書いてある。
だとすると、原義は「ひさし」だったものの、漢語では「かばう」などに乗っ取られて「ひさし」の字義が失われた、ということだろうか?
まさに庇を貸して母屋を取られた状態??

posted by 並句郎 at 19:06|   寫眞舘各記事 | 更新情報をチェックする

2016年08月28日

準1級配当漢字 懷古寫眞舘289 「吋」

3フィート6
kaiko289.jpg


3フィート6インチ。
釧網本線のどこか。
北海道。
撮影は1996年。

JRのほとんどの在来線の軌間(左右のレールの間隔)は3フィート6インチ(1067mm)。

フィートは漢字では「呎」で、これは漢検では準1級ではなく1級配当。
なんでだろね。
フィートよりインチの方が身近でよく使われたからなのか。
だとしてもそんな差をつけるほどではなかろうに、という気もしないでもないが、「呎」は国字だが「吋」は国字ではないようで、そこんとこの差なのだろうか。
まあいいや。


漢字ペディアによると「吋」の読みは、
 音読み=トウ・スン
 訓読み=インチ

国字ではないのでしっかりと音読みがある。

では元々の「吋」の字義は何なのか。
漢和辞典を見てみる。
漢字ペディアの意味解説2にもある通り、どうやら原義は「しかる」のようだ。
新選漢和には「「𠮟」の俗字」ともある。
字の成り立ちとしては会意(漢字源)だったり形声(漢語林)だったり。
会意だとしても「寸」の意味の解説は無い。
形声だとすると「寸」は「肘」の省略形とのこと。

で、手持ちのどの辞書にも熟語は一つも載っていない。
なのでまあ、漢検レベルでは「インチ」だけ覚えておけばいいんじゃないかな。

posted by 並句郎 at 18:00|   寫眞舘各記事 | 更新情報をチェックする

2016年06月25日

準1級配当漢字 懷古寫眞舘288 「巌」

の天辺から。
kaiko288_1.JPG


遠軽の瞰望岩から。
北海道。
撮影は1991年。

というわけで、「岨」ではなく「巌」。
その天辺からの眺め。

遠軽のスイッチバックを観察するためにあるような巌だ ^^
kaiko288_3.JPGkaiko288_2.JPG
←網走方  旭川方→

漢字ペディアによると「巌」の読みは、
 音読み=ガン
 訓読み=いわ・いわお・がけ・けわ(しい)

以前、音読みが「ガン」か「ゲン」か「ゴン」かで迷ったことがある。
同じく漢字ペディアによると、「山」のつかない「厳」の音読みは「ゲン・ゴン」で、「ガン」が無い。
紛らわしいな。


漢和辞典を見てみる。

字の成り立ちについて、漢字源から引用。

会意兼形声。厳3.bmpガンは「厂(がけ)」+音符カン」の形声文字で、角だったがけのこと。嚴ゲン(=厳)はそれに口二つを添えて、角張ってきびしい言行を示す。巖は「山+音符ゲン」で、いかついいわ。厳3.bmpにかわって広く用いられる。岩と全く同じ。



なるほど、「岩と全く同じ」と言ってもらえれば「ガン」の音は納得。
同じ漢字源で「岩」の項を見ると「ガンの俗字。厳3.bmpガン・碞ガンとも書いた。」とある。

で、(旧字の)についてまとめると、
元は「厳3.bmp」。
それに口を2個つけた「(=)」は厳しい言行のこと。
それにさらに山がついて「」となり、意味はほぼ元に戻って厳3.bmpと同じで、かつ、「岩」とも同じ、と。
古今字とも違うし、何なんだろうこの関係。
さすがに漢字は奥が深いと言うべきか、いや、いい加減でテキトーと言うべきか…

posted by 並句郎 at 23:27|   寫眞舘各記事 | 更新情報をチェックする