2018年05月24日

募金

昨年、今昔写真館の「募」のところで、「募集」と「応募」の混同についてちょっと書いたが、今回は毎日新聞サイトのこの記事。

「募金」に「お金を出す」意味、6割弱が認める (魚拓)

「募金をする」という表現。お金を出すこと? 集めること?
 お金を出すこと 29.4%
 お金を集めること 41.3%
 両方の意味を持つ 29.3%



んー…
そうですか。

こうなるともう漢字は表意文字ではなくなってしまうね。

よくある誤用で、例えば「命題」だったら、まだ漢字の表意性が無くもない、ような気もするので、比較的マシ、かもしれない。
だが、「金を出す=募金」はダメだろー。
でもなぁ。
実際のところよく見聞きするしなぁ。
手遅れか。

…ってなことを言うとよく言われるのが、「言葉は変化するものだ」みたいな意見。
だから認めろ、許せ、気にするな、細かいこといちいち嚙みついてんじゃねぇよ! と。
うん。
変化するのはいい。
が、この場合は明らかな誤り、それも正反対方向への誤りが誤りでなくなろうとしている変化だ。
それは極力避けるべきだと思うんだけどねぇ。

まあ、そうやって誤用が定着してしまった言葉を、それとは知らずに自分も使ってる例は多分あるだろうけどもね。
でも今まさに変化の途中で、それが誤りだと知ってる以上、どうしても気になるのは仕方がない。
少なくとも自分は誤用しないようにしよう。

posted by 並句郎 at 21:57| 言葉・疑問 | 更新情報をチェックする

2018年04月17日

青味がかる

例えばここの写真。
少々青味がかっている。

青でも赤でも何でもいいのだが、この場合の「○味がかる」という言葉。
今まで、「○味+が+かる」だとばかり思っていた。
つまり、名詞「○味」+助詞「が」+動詞「かる」、だと。
まあ何となくすっきりしない感はあった。
「かる」という動詞がどうも不安定というか…

で、ググってみると…
そういう意味での「かる」という動詞は見当たらない。

んで、例えばWiktionaryの「あおみがかる」によると、その語源は、
色名「あお + 接尾辞"み" + 名詞について傾向(そのようになる)を意味する動詞化接尾辞「がかる」

へー、「がかる」で一語なのか。
国語辞典でも「がかる」で出てくる。
例えば大辞林
( 接尾 )〔動詞五[四]段型活用〕
名詞に付いて動詞をつくり、そういうようすである、そのようなふうになる、そういう色を帯びるなどの意を表す。


「がかる」なんて言葉があるのか。
どうも納得いかない。
元来は濁らない「かかる」で、名詞と繋がった時に濁点がついて「がかる」になるのなら分かる。
例えば「先」+「はしる」で「先ばしる」のように。
だがもちろん「ばしる」なんて語は国語辞典に載ってない
しかし「がかる」は載っている。

…んー、そうなの?
それで納得するしかないの?
そーですか。
いや、まあ、このトシになって今さら恥ずかしい話ではありますが… ^^;

posted by 並句郎 at 19:49| 言葉・疑問 | 更新情報をチェックする

2018年03月25日

廃止

と、いうわけ(?)で、JR石勝線夕張支線の廃止が決まったようだ。

それを伝えるネット上の記事から抜粋。
例えば朝日。
2019年4月1日に廃止することで合意

これを読んで、ふと。
4月1日に廃止、ということは、列車の運行は、
4月1日まで?
3月31日まで?
 …と分からなくなってしまったのは自分だけ、かな?

これが例えば毎日の記事だと、
4月1日に廃止
で、
運行は3月31日まで
ともあり、疑問の余地が無い。


「4月1日に廃止」というのは、おそらくJRの発表の文面(PDF)そのままなのだろう。
正式には、書類上は、それでいいのだろうが、毎日のように「運行はいつまで」ともしてくれた方が一般人には分かりやすい。
特に朝日の記事では見出しで「来年4月に廃止」とあり、それだと4月の何日に廃止なのか分からず、そこだけを見て「4月いっぱいは運行されるのだな」と解釈されてしまう可能性もあると思う。

それに、一般論としてだが、4月1日に廃止であっても3月31日まで運行されるとは限らない。
3月31日よりも前に実際の運行は終了するのかもしれないし、現時点で既に終了している可能性だってありうる。
例えばJR日高本線は現在、鵡川から先が災害のため不通になっているものの、廃止になっているわけではない。
が、仮にこのまま復旧されずにいずれ廃止となれば、運行最終日と廃止日の間は何年も開くことになる。


もし反対に路線の開業・開通の場合なら、「4月1日に開業」とあれば運行も4月1日からだろうと分かる。
その伝で、「4月1日に廃止」というのは、4月1日に“廃止状態”になる、“廃止状態”が始まる、と考えればいいのだろうか。


まあ、今回の場合は月末・年度末でもあり、3月31日までの運行なのであろうことは想像できる。
が、できればやっぱり「運行はいつまで」とも書くか、「何月(何日)いっぱいで廃止」のような書き方をした方が、自分のようなボケ老人がますます増えていく世においてはより賢明なのではありますまいかねぇ報道関係の皆様。

posted by 並句郎 at 21:20| 言葉・疑問 | 更新情報をチェックする

2016年04月26日

轡首

こんなブログを見に来る奇特なかたは一体どんな語で検索して来るのか、を時々見ることがある。
もちろんまあ様々ではあるのだが、「轡首」で検索されることが結構多いようだ。
それでたどりつくページがこちら
…何の参考にもならないページで申し訳ありません ^^;
なので、もうちょっとちゃんと調べて、少しは実のあることを書いておこうかと。


轡首。

音読みで「ヒシュ」。

「成美堂'12」の音読み問題で、「轡首をもって馬を制御する。」として出題されている。
実際の漢検での出題実績があるのかどうかは知らない。

手持ちの漢和辞典・国語辞典、ネット上の国語辞典、漢字ペディア、いずれにも見当たらない。
日本語のページをググってみても、ほとんどは漢検関連のブログ記事。

ところが中国語のページだと結構ヒットする。
 繁体字
 簡体字
検索結果には説文解字とか康熙字典とかの文字も見えるが、ためしに繁体字の検索結果トップのこのページに見える、語義解説らしき「帶嚼子的籠頭」をエキサイト翻訳にかけてみると、「くつわのおもがいを持ちます」と出た。

「おもがい」とは、大辞林によると、「馬の轡(くつわ)を頭と首につなぎとめる組紐」とのこと。

馬具の知識なんて皆無なのでよく分からないが、とにかくまあ「轡首」ってのはその辺りを指すんだろうと想像。

で、「轡首」という語は、少なくとも現代日本語では“熟語”と呼べるほどには熟れていないかも知れないが、だとしてもまあ文字通りに「轡(くつわ)」の“首”的な部分、っていう解釈でいいんじゃないだろうか。
首ってのは、例えば船の場合の「船首」の首かね?
先端? 端っこ? 的な??

結局はっきりしなくてまたまた申し訳ありません ^^;;;


なお、「轡」の訓読みは「くつわ」の他に「たづな」もあり。
また、漢和辞典によると「轡」は会意文字なので、「ヒ」という音は無理やり覚えるしかなさそう。

posted by 並句郎 at 22:34| 言葉・疑問 | 更新情報をチェックする

2015年03月09日

続・命題

かなり前になるが、世間では「命題」という言葉の意味の取り違えが多い、と書いた。
あまりに多すぎて、新聞社なんかではもう誤りが誤りではなく公認されてるんじゃないか、と。

ところが。
先月になるが、産経のこの↓記事。

【赤字のお仕事】 「至上命題」を言い換えるのが「最重要課題」です



産経新聞の校閲担当者が、記事原稿中の「至上命題」は誤りなので「至上命令」とか「最重要課題」などと言い換えている、という話。

あれ、そうなの?
公認じゃないんだ。
その割にはよく見るけどなぁ…

念のため産経のサイトで「至上命題」を検索してみると、誤用が出るわ出るわ。
岡山空港にとって新路線誘致は至上命題
公明党は「全員当選」を至上命題にしている
「安全・安定輸送」を至上命題とするJR東海」…

ネットの記事は校閲を通ってないのかも知れないが、それにしても。

上記記事は「至上命題」だけについての話になっているが、単なる「命題」でも同じことで、もちろん産経だけの話でもない。
もういちいち検索もしないが。

取りあえず、まあ、少なくとも産経では誤用が公認ではなかったということで、いくらか安心した、ような。
もう完全に手遅れだとは思うけどもね。
自分としても今さら声を大にして誤用だ怪しからんと言いたいわけでもない。
それでも、本来は誤用だということは知られていいと思うし、少なくとも新聞記事なんかでは誤用して欲しくない、んだけどなぁ…

posted by 並句郎 at 19:24| 言葉・疑問 | 更新情報をチェックする

2014年07月15日

大震災の余震?



先週12日のやや大きな地震。
朝日新聞デジタルによると、「(気象庁は)「東日本大震災の余震とみられる」と発表した」らしい。

言いたいことは分かる。
だがちょっと待って欲しい ^^

「地震」と「震災」とは別だ。
「震災」とは、「地震による災害」のことで、主語は「災害」。
一応、大辞泉。

なので、「地震の余震」なら分かるが、「震災の余震」じゃ日本語になってない。

この、「地震」と「震災」の区別がされないケース、以前から気になっていた。
そのあたり、もはやマスコミには期待できないのだとしても、気象庁はちゃんと区別しろよ。

ってことで気象庁のサイトも見てみると…
ちゃんと「地震の余震」と書いてあるぞ。
気象庁が正しく「地震の余震」と発表したのを、朝日の記者はわざわざ「震災の余震」と書き換えたのか?
ひょっとしたら気象庁の会見の席上では「震災の余震」という言い方をしたのかも知れないが…

まあ、朝日だけじゃないし、今回だけの話でもないが、しかし言葉で商売してる人間が「震災の余震」なんて言い方に引っ掛かりを感じないものだろうかね?
「"大震災の余震"」でググると、まあ出るわ出るわ。
そういう言い方をしましょうってな業界ルールでもあるのか?

震災関連で言えば、「放射能」「放射線」「放射性物質」の混同もよく見られる。
以前書いた「命題」もそうだし、まあ、内容だけでなく日本語そのものについても、マスコミなんて信用しないことだ。

posted by 並句郎 at 20:05| 言葉・疑問 | 更新情報をチェックする

2014年04月15日

法面

法面。
のりめん。

「面」は分かるが、「」って何?

まず「法面」の意味を確認。
大辞林

切土(きりど)や盛土(もりど)によって造られた傾斜地の斜面部分。のりづら。


その場合の「法(のり)」も確認。
大辞泉

のり 【▽法/▽則/▽典/▽範/×矩】
5 イ 土木工事で、切り土・盛り土などの斜面の傾斜。また、その斜面。


まあこの場合に「則」やら「典」やらの字は使わないと思うが。


次に、漢和辞典を見てみる。
が、元々「法」の字には「傾斜」とか「斜面」のような字義は見当たらない。
国訓としてならあるが、それを載せているのも漢辞海と漢語林のみ。

熟語としても国訓の解説中に見られるのみで、見出し語にはなっていない。
そもそも「のり」と訓読みするということは、漢熟語(?)ではない、ということか。


結局、なぜ「傾斜」や「斜面」が「法」なのか、さっぱり分からない。

ググったり、OKWaveYahoo!知恵袋なども見てみたが、どうも要領を得ない。

なので無責任な想像をするしかない。

元々は、海苔を天日干ししている様子から、そのような斜面を「海苔面」と呼んでいたが、より簡単な「法」の字に取って代わられて「法面」となった!
ドヤ! ^^;

posted by 並句郎 at 21:59| 言葉・疑問 | 更新情報をチェックする

2014年03月31日

引越

ひっこし。

引っ越しの多い時期だが、なんで「引越」という字なんだろね?

想像。
「引」は、今までいた所から出る、「引き払う」の「引」。
「越」は、、、何?
県境とかを「越す」の「越」?

語源由来辞典様を見ると、まあまあ近かったかな ^^

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さて、引っ越しシーズンだからというわけではありませんが、このエントリを最後に、このブログも引っ越します。
移転先は「並句郎の覚え書き 新館」です。
過去記事も順次新館にコピーしていく予定です。

こちらのフルーツブログの方は「旧館」として、当面は残しておこうと思います。
フルーツブログさん、長いことお世話になりました。

posted by 並句郎 at 22:06| 言葉・疑問 | 更新情報をチェックする

2014年03月17日

一日も早い復興を

3年、ってことで、「一日(で)も早い復興を」ってな言葉を最近よく見聞きする。
言いたいことは分かるし、その気持ちは大いに結構なのだが、どうも日本語として少し引っ掛かりを感じる。

「復興」ってのは一日単位で計れるものではないだろう。
何がどうなれば復興したと言えるのか。
失われたものを100%元通りにできるわけではない。
100%にならないまでも、少しずつ長い時間をかけて取り戻し続けていくもので、「今日で復興が終わった!」ってことにはなるまい。



「もはや戦後ではない」みたいなことを誰かが言えば、その日が復興の成った日、ということになるのだろうか。
いつの時点であれ、それを例えば総理大臣が言ったとしたら…
「ふざけんな! まだまだだよ!」などとマスゴミが嚙みつくのが目に見えるようだが。
“戦後”ですら、いまだに引きずっている部分があるし。

まあそんな日でも来ないよりは来た方がよい。
その日の訪れが一日も早からんことを願っております。

posted by 並句郎 at 20:01| 言葉・疑問 | 更新情報をチェックする

2014年03月04日

くさび

成美堂'12の表外読み問題に
両国の [ ] となって活躍する。
…ってのがある。
正解は「くさび」。

「くさび」というと、普通はこういうやつを思い浮かべ、二者の間を裂く、ようなイメージ。
が、例えば金槌の頭に打ち込むくさびのように、二者の結びつきを強める場合もある。
この問題文の場合は後者の意味合いだろうか?

ところで、準1級プラスにも載せているが、「くさび」は普通は「」と書くだろう。
」と「」、違いや使い分けはあるのだろうか。

漢和辞典を見てみる。
どうやら、普通にイメージするくさびは「」。
で、「」の方は、昔の車の軸に刺して車輪の脱落を防ぐ部品のことのようだ。
この写真の軸に刺さってる、四角い頭の金具がそれ。(大船鉾保存会ブログ様)

大まかな形状としては似たようなものかと思うので、「」の中には「」も含まれるのかも知れないし、そう明記した辞書も少数ながら(旺文社漢和・角川漢和)あるが、逆に「」に一般的な「」の字義を含めた辞書は手持ちの中には無かった。
つまり、「」と書けばそれは車輪脱落防止部品の「くさび」であって、普通にイメージされる「くさび=」とは別。


なので、冒頭の問題文の「」は、明らかに両国の結びつきを強めるもの。
これがもし「」だったら…
まあ「両国の」なら結束強化かな?
仮に「両国間の」とあったら、それは両国の結束ではなく離反を図るものだったりするかも知れないかも。

ウクライナでは“”が外れて“”が打ち込まれたってことかね。

posted by 並句郎 at 22:21| 言葉・疑問 | 更新情報をチェックする