2016年04月26日

轡首

こんなブログを見に来る奇特なかたは一体どんな語で検索して来るのか、を時々見ることがある。
もちろんまあ様々ではあるのだが、「轡首」で検索されることが結構多いようだ。
それでたどりつくページがこちら
…何の参考にもならないページで申し訳ありません ^^;
なので、もうちょっとちゃんと調べて、少しは実のあることを書いておこうかと。


轡首。

音読みで「ヒシュ」。

「成美堂'12」の音読み問題で、「轡首をもって馬を制御する。」として出題されている。
実際の漢検での出題実績があるのかどうかは知らない。

手持ちの漢和辞典・国語辞典、ネット上の国語辞典、漢字ペディア、いずれにも見当たらない。
日本語のページをググってみても、ほとんどは漢検関連のブログ記事。

ところが中国語のページだと結構ヒットする。
 繁体字
 簡体字
検索結果には説文解字とか康熙字典とかの文字も見えるが、ためしに繁体字の検索結果トップのこのページに見える、語義解説らしき「帶嚼子的籠頭」をエキサイト翻訳にかけてみると、「くつわのおもがいを持ちます」と出た。

「おもがい」とは、大辞林によると、「馬の轡(くつわ)を頭と首につなぎとめる組紐」とのこと。

馬具の知識なんて皆無なのでよく分からないが、とにかくまあ「轡首」ってのはその辺りを指すんだろうと想像。

で、「轡首」という語は、少なくとも現代日本語では“熟語”と呼べるほどには熟れていないかも知れないが、だとしてもまあ文字通りに「轡(くつわ)」の“首”的な部分、っていう解釈でいいんじゃないだろうか。
首ってのは、例えば船の場合の「船首」の首かね?
先端? 端っこ? 的な??

結局はっきりしなくてまたまた申し訳ありません ^^;;;


なお、「轡」の訓読みは「くつわ」の他に「たづな」もあり。
また、漢和辞典によると「轡」は会意文字なので、「ヒ」という音は無理やり覚えるしかなさそう。

posted by 並句郎 at 22:34| 言葉・疑問 | 更新情報をチェックする

2015年03月09日

続・命題

かなり前になるが、世間では「命題」という言葉の意味の取り違えが多い、と書いた。
あまりに多すぎて、新聞社なんかではもう誤りが誤りではなく公認されてるんじゃないか、と。

ところが。
先月になるが、産経のこの↓記事。

【赤字のお仕事】 「至上命題」を言い換えるのが「最重要課題」です



産経新聞の校閲担当者が、記事原稿中の「至上命題」は誤りなので「至上命令」とか「最重要課題」などと言い換えている、という話。

あれ、そうなの?
公認じゃないんだ。
その割にはよく見るけどなぁ…

念のため産経のサイトで「至上命題」を検索してみると、誤用が出るわ出るわ。
岡山空港にとって新路線誘致は至上命題
公明党は「全員当選」を至上命題にしている
「安全・安定輸送」を至上命題とするJR東海」…

ネットの記事は校閲を通ってないのかも知れないが、それにしても。

上記記事は「至上命題」だけについての話になっているが、単なる「命題」でも同じことで、もちろん産経だけの話でもない。
もういちいち検索もしないが。

取りあえず、まあ、少なくとも産経では誤用が公認ではなかったということで、いくらか安心した、ような。
もう完全に手遅れだとは思うけどもね。
自分としても今さら声を大にして誤用だ怪しからんと言いたいわけでもない。
それでも、本来は誤用だということは知られていいと思うし、少なくとも新聞記事なんかでは誤用して欲しくない、んだけどなぁ…

posted by 並句郎 at 19:24| 言葉・疑問 | 更新情報をチェックする

2014年07月15日

大震災の余震?



先週12日のやや大きな地震。
朝日新聞デジタルによると、「(気象庁は)「東日本大震災の余震とみられる」と発表した」らしい。

言いたいことは分かる。
だがちょっと待って欲しい ^^

「地震」と「震災」とは別だ。
「震災」とは、「地震による災害」のことで、主語は「災害」。
一応、大辞泉。

なので、「地震の余震」なら分かるが、「震災の余震」じゃ日本語になってない。

この、「地震」と「震災」の区別がされないケース、以前から気になっていた。
そのあたり、もはやマスコミには期待できないのだとしても、気象庁はちゃんと区別しろよ。

ってことで気象庁のサイトも見てみると…
ちゃんと「地震の余震」と書いてあるぞ。
気象庁が正しく「地震の余震」と発表したのを、朝日の記者はわざわざ「震災の余震」と書き換えたのか?
ひょっとしたら気象庁の会見の席上では「震災の余震」という言い方をしたのかも知れないが…

まあ、朝日だけじゃないし、今回だけの話でもないが、しかし言葉で商売してる人間が「震災の余震」なんて言い方に引っ掛かりを感じないものだろうかね?
「"大震災の余震"」でググると、まあ出るわ出るわ。
そういう言い方をしましょうってな業界ルールでもあるのか?

震災関連で言えば、「放射能」「放射線」「放射性物質」の混同もよく見られる。
以前書いた「命題」もそうだし、まあ、内容だけでなく日本語そのものについても、マスコミなんて信用しないことだ。

posted by 並句郎 at 20:05| 言葉・疑問 | 更新情報をチェックする

2014年04月15日

法面

法面。
のりめん。

「面」は分かるが、「」って何?

まず「法面」の意味を確認。
大辞林

切土(きりど)や盛土(もりど)によって造られた傾斜地の斜面部分。のりづら。


その場合の「法(のり)」も確認。
大辞泉

のり 【▽法/▽則/▽典/▽範/×矩】
5 イ 土木工事で、切り土・盛り土などの斜面の傾斜。また、その斜面。


まあこの場合に「則」やら「典」やらの字は使わないと思うが。


次に、漢和辞典を見てみる。
が、元々「法」の字には「傾斜」とか「斜面」のような字義は見当たらない。
国訓としてならあるが、それを載せているのも漢辞海と漢語林のみ。

熟語としても国訓の解説中に見られるのみで、見出し語にはなっていない。
そもそも「のり」と訓読みするということは、漢熟語(?)ではない、ということか。


結局、なぜ「傾斜」や「斜面」が「法」なのか、さっぱり分からない。

ググったり、OKWaveYahoo!知恵袋なども見てみたが、どうも要領を得ない。

なので無責任な想像をするしかない。

元々は、海苔を天日干ししている様子から、そのような斜面を「海苔面」と呼んでいたが、より簡単な「法」の字に取って代わられて「法面」となった!
ドヤ! ^^;

posted by 並句郎 at 21:59| 言葉・疑問 | 更新情報をチェックする

2014年03月31日

引越

ひっこし。

引っ越しの多い時期だが、なんで「引越」という字なんだろね?

想像。
「引」は、今までいた所から出る、「引き払う」の「引」。
「越」は、、、何?
県境とかを「越す」の「越」?

語源由来辞典様を見ると、まあまあ近かったかな ^^

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さて、引っ越しシーズンだからというわけではありませんが、このエントリを最後に、このブログも引っ越します。
移転先は「並句郎の覚え書き 新館」です。
過去記事も順次新館にコピーしていく予定です。

こちらのフルーツブログの方は「旧館」として、当面は残しておこうと思います。
フルーツブログさん、長いことお世話になりました。

posted by 並句郎 at 22:06| 言葉・疑問 | 更新情報をチェックする

2014年03月17日

一日も早い復興を

3年、ってことで、「一日(で)も早い復興を」ってな言葉を最近よく見聞きする。
言いたいことは分かるし、その気持ちは大いに結構なのだが、どうも日本語として少し引っ掛かりを感じる。

「復興」ってのは一日単位で計れるものではないだろう。
何がどうなれば復興したと言えるのか。
失われたものを100%元通りにできるわけではない。
100%にならないまでも、少しずつ長い時間をかけて取り戻し続けていくもので、「今日で復興が終わった!」ってことにはなるまい。



「もはや戦後ではない」みたいなことを誰かが言えば、その日が復興の成った日、ということになるのだろうか。
いつの時点であれ、それを例えば総理大臣が言ったとしたら…
「ふざけんな! まだまだだよ!」などとマスゴミが嚙みつくのが目に見えるようだが。
“戦後”ですら、いまだに引きずっている部分があるし。

まあそんな日でも来ないよりは来た方がよい。
その日の訪れが一日も早からんことを願っております。

posted by 並句郎 at 20:01| 言葉・疑問 | 更新情報をチェックする

2014年03月04日

くさび

成美堂'12の表外読み問題に
両国の [ ] となって活躍する。
…ってのがある。
正解は「くさび」。

「くさび」というと、普通はこういうやつを思い浮かべ、二者の間を裂く、ようなイメージ。
が、例えば金槌の頭に打ち込むくさびのように、二者の結びつきを強める場合もある。
この問題文の場合は後者の意味合いだろうか?

ところで、準1級プラスにも載せているが、「くさび」は普通は「」と書くだろう。
」と「」、違いや使い分けはあるのだろうか。

漢和辞典を見てみる。
どうやら、普通にイメージするくさびは「」。
で、「」の方は、昔の車の軸に刺して車輪の脱落を防ぐ部品のことのようだ。
この写真の軸に刺さってる、四角い頭の金具がそれ。(大船鉾保存会ブログ様)

大まかな形状としては似たようなものかと思うので、「」の中には「」も含まれるのかも知れないし、そう明記した辞書も少数ながら(旺文社漢和・角川漢和)あるが、逆に「」に一般的な「」の字義を含めた辞書は手持ちの中には無かった。
つまり、「」と書けばそれは車輪脱落防止部品の「くさび」であって、普通にイメージされる「くさび=」とは別。


なので、冒頭の問題文の「」は、明らかに両国の結びつきを強めるもの。
これがもし「」だったら…
まあ「両国の」なら結束強化かな?
仮に「両国間の」とあったら、それは両国の結束ではなく離反を図るものだったりするかも知れないかも。

ウクライナでは“”が外れて“”が打ち込まれたってことかね。

posted by 並句郎 at 22:21| 言葉・疑問 | 更新情報をチェックする

2013年03月20日

牙城

牙城」の「」って何?

大辞泉。

が‐じょう【牙城】
《「牙」は「牙旗」の意で大将の旗》
1 城中で主将のいる所。本丸。「敵の―に迫る」
2 組織や勢力の中心となる所。本拠。「保守の―」



ふむ。

「牙旗」も見てみる。
同じく大辞泉。

が‐き【牙旗】
《中国で、旗ざおの先を象牙で飾り、猛獣が牙(きば)で身を守る形としたところから》天子または大将軍のいる所に立てる旗。大将旗。牙纛(がとう)。



ふーん。

じゃ、「牙旗」で画像をググってみる。

はっきりそれと分かる画は見当たらないが…

つーか、縁がギザギザしてる旗の画が多いな。
ひょっとしてこういうのも「牙旗」って言うのかな?
いや、それは勝手すぎる想像だけども。



ところで、手持ちの5冊の漢和辞典のうち、漢辞海だけ、音訓索引に「きば」が載ってない。
あれれ、と思って「牙」の項を見ても、字義の解説文中にはあるものの、読みとしては「きば」を載せてない。

先の改定で常用漢字ともなった「牙」、その読みの「きば」が載ってないとは…
さすが、「監修者のことば」の中で、「日本語の漢字語字典ではなく、古漢語字典が、この『漢辞海』にほかならない」と言うだけのことはある?

そんなわけで、「日本語の漢字語字典」をお探しのかたには、漢辞海はおすすめしません。

まあ、現行常用漢字表に対応した最新版では「きば」も載っているのだろうけど。多分。

posted by 並句郎 at 22:57| 言葉・疑問 | 更新情報をチェックする

2013年02月12日

広袤

Wikipediaで、いくつか自治体のページを見ていると、「広袤」という語が出てきた。
初めて見るし、ふりがなが無ければ読めなかった。

例えば愛媛県のページ

広袤(こうぼう)
国土地理院地理情報によると愛媛県の東西南北それぞれの端は以下の位置で、東西の長さは155.99km、南北の長さは157.16kmである。



まあ、なんとなく意味は分かるが、国語辞書を引いてみる。
大辞泉。

こう‐ぼう【広袤】
《「広」は東西の、「袤」は南北の長さの意》幅と長さ。広さ。面積。



んー…
「幅と長さ」と「広さ・面積」は別だと思うが…


漢和辞典を見ると、手持ちの5冊中4冊は「広さ」や「面積」としており、新明漢だけが
(1)広さ。面積(2)はばと長さと。
としている。

が、Wikipediaでは、ざっと見た限りではいずれも「幅と長さ」を指している。
現代日本では「幅と長さ」を指す語なのだろうか?

つーか、Wikipediaでそんな難しい語を使うなと言いたい。
中二病か?
地理学なんかでは普通の語なのだろうか?


なお、漢和辞典には「広袤」の類義語として「広運」や「広輪」が載っている。
漢辞海の解説では、「運」も「輪」も、「袤」同様に「南北方向の広がり」とのこと。


また、漢字辞典ネット様によると「袤」は漢検1級配当。
 音読み=ボウ
 訓読み=ひろが(り)・なが(さ)



ところで。
最初に戻って愛媛県の話。

「東西の長さは155.99km、南北の長さは157.16km」

そうなのか。
絶っっっ対に東西の方が長いと思ってたが…
今年一番の驚き ^^;

posted by 並句郎 at 22:45| 言葉・疑問 | 更新情報をチェックする

2013年01月23日

真面

去年の雑誌記事?ブログ記事?なのだが、韓国の大統領が竹島に上陸した時の話。
その中にこんな文があった。

「そもそも、説得が可能な真面な国であれば、かかる暴挙に出る事はなかった筈である。」

「外務大臣には民間人登用も含め今少し真面な人材を置くべきと思う。」



恥ずかしながら、この中の「真面」が読めなかった。
文脈と字義から意味は分かるが…
「まじめ」じゃないし…

大辞泉で「真面」をひいてみると、読みとしては
 まおもて
 まとも
 まほ
の三つが出てきた。
この文章ではおそらく「まとも」なのだろう。

へー。
ありふれた表現、簡単な字なのに、今まで知らなかった。
IMEでも変換されないな。


「正面」でも「まとも」か。
しかし「正面」じゃ「しょうめん」と読みたくなるし、大辞泉にも「まとも」は
《「真(ま)つ面(も)」の意》
とあるし、「真面」の方がいいのかも。

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さて、冒頭の記事に関連して。

「竹島プロジェクト」というものがあります。
漢字ネタメインの当ブログとしては、“その手”のブログ様とのリンクはあまり望みませんので、こっそりと参加させていただこうと思います。

2月22日は「竹島の日」です。

竹島についてよくご存知のかたには今更な話ですが、そうでないかたには、この機会に関心を持っていただきたいと思います。
島根県のサイト内の「Web竹島問題研究所」をご覧下さい。
(当ブログ右枠の「リンク」欄にもリンクを設けました)
まず基本から、というかたは、その中の「島根の主張」をまずご覧下さい。

まあ、私自身、そのサイト内全部を読んだわけでもなく、まだまだ不勉強ではあるのですが…

posted by 並句郎 at 22:16| 言葉・疑問 | 更新情報をチェックする