2012年07月16日

甲板

甲板

子供の頃から、これは「かんぱん」と読むものだと思っていた。
で、後になって「こうはん」という読み方もあるのだ、と知った。
どっちでもいい、という理解で今までいたが、今読んでいる本にも「甲板」が出てくるので、この際もうちょっと調べてみようか、と。


まず、国語辞典。
 大辞泉 「かんぱん」→「こうはん」へ誘導
 大辞林 「こうはん」→「かんぱん」へ誘導

早くも見解の相違が…


次に漢和辞典。
知りたいのは現代日本での読み方なので、漢和辞典ではお門違いかとも思うが一応。
「甲」の項の「甲板」を見てみると、手持ちの5冊いずれも「カンパン」「コウハン」両方の読みを載せている。
が、その順番について、五十音順なら「カンパン」が先のはずだが、「コウハン」が先になっているのが、旺文社漢和・漢辞海・新選漢和。
その理由までは書いてないが、何らかの意味があるのだろう。
なお、「甲」の「カン」という音は、いずれの辞書でも“慣用音”とのこと。


次に、類語例解辞典より。

甲板(かんぱん)/デッキ
「甲板(かんぱん)」が、最も一般的な語。

[関連語] ◆(甲板)(こうはん)
 「甲板(かんぱん)」のことだが、他の語と結びつけて使われる。
 「甲板員」「甲板室」



一般には「かんぱん」だが、他の語と結びつく場合は「こうはん」か?


次に、日本大百科全書より。

甲板(こうはん)
船舶用語。デッキdeckともいい、一般には「かんぱん」とよばれる。



“船舶用語”では「こうはん」、一般には「かんぱん」か?


次に、NHK放送文化研究所の ことば(放送用語) > 放送現場の疑問・視聴者の疑問 > 「甲板」「甲板員」の読み方は? より。

「甲板」は[カンパン]、「甲板員」は[コーハンイン]


・関係者は普通[コーハン]と読む
・一般社会では[カンパン]と読む慣用が強い
・NHKでは、単に「甲板」なら[カンパン」、
 「甲板員」「甲板長」などの職名は[コーハンイン][コーハンチョー]と読む


なるほど。


以上、ざっくりまとめると…
 ・一般的には「かんぱん」
 ・専門的には「こうはん」
 ・他の語と結びつく場合は「こうはん」
かな。


試しに、「甲板」で始まる語「甲板」で終わる語 を大辞泉で見てみる。
「甲板室」など「甲板」で始まる語はすべて「こうはん」。
「主甲板」など「甲板」で終わる語は、あれれ、「かんぱん」優勢か?

他の語と結びつく場合でも、
「甲板」が先なら「こうはん」
「甲板」が後なら「かんぱん」、なのか???


結論。
業界関係者ならば業界標準に従うべし。
そうでない場合は、もうどうでもよい ^^


なお、常用漢字「甲」の音読みは、コウ・カン。
「甲板」以外に「カン」と読むケースは、「甲高い」など。

「甲冑」などの「カッ」は「カン」が変化したもの… ではなく、漢辞海によると、
「「カッ」は日本語になじまない「カフ」の発音を避けて促音化したもの。」
…とのこと。

posted by 並句郎 at 23:31| 言葉・疑問 | 更新情報をチェックする