2011年08月10日

「日本語と漢字文明」

WAC
黄文雄 著
日本語と漢字文明 漢字を受け入れ、仮名をつくった独創性
(2008年11月11日 初版発行)


目次。

第1章 漢字文明圏はどのように生まれたか
第2章 漢字漢文がかかえてきた難題
第3章 さまよえる漢字文明の国・中国
第4章 日本語の源流はどこにあるか
第5章 漢字の受容と仮名文字をつくった独創
第6章 仮名文明がもつ創造性と包容力
第7章 日本語の変容は「自由市場」に委ねよ


全280ページで「日本語と漢字文明」を語ろうというのだから、どうしたって広く浅くなるが、その広さ浅さが自分には丁度よい。
まさに自分のために書かれたような本で、最初から最後まで面白い。


▼(P15)
(甲骨文字は)通説によれば、1899年に清朝の学者が(中略)気づいたのが発端であったという。


甲骨文字の発見がそんな最近だったとは、ちとびっくり。


▼(P133)
日本語は(中略)漢語と印欧語双方の性格を兼ね備えている。だから漢文明も西欧文明も受容が容易だった。表意と表音の両方の文字を使用し、視覚文明と聴覚文明の性格を備えているのだ。


漢字と仮名があることは複雑であり欠点でもあるが、だからこそ東西の文明を受容でき、かと言ってそれらに呑み込まれてしまうことも無かったのか。


▼(P179)
(万葉仮名は)たとえば音読みで「吉(キ)」「散(サ)」のように一部の音だけを用いたり(略音)、訓で「西渡(かたぶく(傾く))」と読んだり(義訓)、さらには「山上復有山(いづ)」(山+山=出)など(戯訓)のようなものまである。


ふーん。
となると、最近の子供の名前の無茶苦茶なつけかたも、日本古来の伝統なのかも??


▼(P280)
もし千数百年前に漢字とアルファベットが同時に日本に入っていたら、日本人は躊躇なくアルファベットを選択しただろう。


そうなっていたら現在は… などと想像するのは面白い。
まあアルファベット(=表音文字)だけを導入していたなら、日本語のことば・文法などはそのままだから、つまり
konna kanjini natte itanodarouka?
今の自分が見れば非常に読みにくいが、それが当然の世の中だったら何も問題は無かったのかも知れない。
あるいは、もし漢字もアルファベットも何も入ってこなかったら独自の文字を作り出していたのか、それとものちのちまで文字を持たないままだったのか…


なお、「広辞苑の嘘」と同様、著者名を見ただけで敬遠する向きもあるかも知れないが、“そういう”色は極めて希薄なのでご安心を ^^

posted by 並句郎 at 01:03|   図書館本各記事 | 更新情報をチェックする