2011年07月27日

命題

昨日の「コクピット クライシス」から。

(P53)
「機械を信頼するか」、「人間を信頼するか」という大命題がまた提起されることとなった。


この「コクピット クライシス」に限らないのだが、「命題」という言葉の意味を取り違えている例があまりにも多い。
上のように「大命題」とか、あとよく見るのが「至上命題」なんて書かれ方もするが、いずれにしても。

「命題」とは、例えば、

 「AKB48をいかにして売り込むか」
 「AKB48のイベントを成功させること」

などではなく、

 「AKB48は女性だけのグループである」
 「AKB48のプロデューサーはビル・ゲイツである」

のような文を指す。


国語辞書を引くと、

大辞泉
2 論理学で、判断を言語で表したもので、真または偽という性質をもつもの。

大辞林
[2]判断を言語的に表現したもの。論理学では真偽を問いうる有意味な文をさす。


"命題" "誤用"でググってみると、誤用例を指摘したページも多い。


試しに、新聞社のサイトで「命題」を検索し、どういう意味で使われているかを見てみた。
ごく一例。

 朝日:人の生死という深遠な「命題」
 毎日:戦時の広告は「総動員」が至上命題だった
 読売:次期衆院選での勝利は至上命題
 産経:共通の命題が東日本大震災の復興


…ダメだこりゃ orz

いや、いちいち例示するまでもない。
本来の意味での用例よりも誤用例の方が圧倒的に多い感じ。

大新聞社の校閲担当者が「命題」の意味を知らないはずは無いし、誤用だと読者から指摘されることもあるだろうと思うのだが…
ネット上と実際の紙面とでは違うかも知れないが、それにしても…
新聞社としてはもはや誤用ではなく“公認”なのかも知れない。


近い将来、国語辞書の「命題」の項に新しい意味が追加されることだろう。
もう載ってる辞書もあるかもね。

ま、それも仕方ない。
そうやって誤用が元で意味が変化・増殖してきた言葉は他にも沢山あるだろうし。


「命題」の用例分析、夏休みの自由研究に良さそうな… ^^


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2015.3.9 のエントリ、「続・命題」も ご覧ください
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posted by 並句郎 at 12:57| 言葉・疑問 | 更新情報をチェックする