2009年08月04日

「ファースト・ジャパニーズ ジョン万次郎」

講談社
中濱武彦 著
ファースト・ジャパニーズ ジョン万次郎
(2007年9月13日 第1刷)


主に吉村昭さんの、いわゆる“漂流物”は沢山読んできたが、有名なジョン万次郎について読むのは何故か初めてだった。
なので、あらすじと言うか、人物とか時代とか事実関係については面白く読めたが…

著者はジョン万次郎の曾孫。
一般人であって、作家ではない。
どうしても素人っぽさが感じられてしまう。
いや、素人としてはよく書けている。
…などと素人以下の自分が評するのもアレだが ^^;

まあ吉村さんのようなプロと比較するのは酷と言うものだ。
逆に、普段何の気なしに読んでいるがやっぱプロってすげーんだな、と思った。

それと。
親族だからこそ知り得る事実もあるだろうし、その点では貴重な作品かと思うが、親族だからこそ「書いてしまう」こともある気がする。
もとより、著者が誰であれ、こうした事実を基にした作品の場合、どこまでが事実でどこからが著者の想像・創造か分からないものだが、親族としての思い入れからの好意的な解釈や想像が多分あるだろう、という思い込みを読む側も持ってしまう。
そこらへんが著者にとっては不利かと思う。


それより。

▼万次郎を救ったアメリカの捕鯨船の作業(38P)

獲物を本船に横付けにし、解体する。頭部を切り離してその中から脳油などを取る。アゴの骨や歯を取り、持ち帰ることもある。胴体から、めりめりと皮を剥ぎ取る。その皮が小さく切り刻まれ、甲板に据えつけられてる大釜に放り込まれて「脂」(鯨油)の煮出しが始まる。アメリカ人は鯨肉を食さないので、丸裸にひん剥かれた残骸が海に捨てられ、鯨一頭の捕獲から処理までが完了する。


▼その船長の言葉(48P)

「いま世界中にある捕鯨船の総数は約900隻。そのうち実に8割以上が米国籍であり、ヤンキー捕鯨が産み出す商品は、ヨーロッパ諸国への主要な輸出品だ。捕鯨は、アメリカの重要な基幹産業なんだ」



で、今の欧米人は…

捕鯨反対?
野蛮?
かわいそう?

はぁ? って感じ。


posted by 並句郎 at 11:32|   図書館本各記事 | 更新情報をチェックする