2017年05月28日

活字 その3

170528_1.JPG以前、「鯟」「幌」を買った店で、今度は「港」を買ってきた。

なぜ「港」なのか、といえば、特別な理由は無い ^^;
まあ、「己」が「巳」になっている旧字体が気に入ったのと、あと、鯟や幌とは字だけでなく活字の形状が違っていたので。

170528_2.JPGまず、活字の[]についている溝、[ネッキ]が、鯟・幌は1本だが、港は3本。
170528_3.JPG
それと、[字面]の反対側の、[]の形状(太さ)が違う。

それぞれどちらが標準なのか少数派なのか、サンプルが少ないし知識も無いので分からないが。
(活字各部の[名称]については こちら(活版サテライト様)に拠りました)


170528_4.JPGそして、側面に「札幌」「黒田」の文字と、マルにKの印が入っている。
「札幌・黒田」について、「印刷」とか「活版」なども加えて軽くググってみたが、それらしいページは見当たらなかった。
昔の印刷屋なのか、活字のメーカーなのか、はたまた出版社なのか…

「はたまた」は漢字では「将又」か。
見たことあるような無いような…

posted by 並句郎 at 17:05| 漢字の周辺 | 更新情報をチェックする

2017年05月26日

「だから、その日本語では通じない」

170526.JPG青春出版社
田村秀行 著
だから、その日本語では通じない
(2005年5月15日 第1刷)


リンクさせていただいているブログ「再挑戦!漢字学習」で紹介されていた「日本語力の磨き方」(サブタイトル「漢検なんか受けるな!」)を読みたかったのだが、図書館に無かったので代わりに同じ著者のこの本を借りてきた。
こちらにはサブタイトルはついてないが、全10章のうちの第9章のタイトルが「バカの文章は「漢字」が多い」で、漢検批判もされている。

その第9章以外は、漢字とは特に関係無しに「通じない」・「通じる」日本語についての考察。
読んでて眠くなった。
それはまあ、どうしてもこの本を読みたかったわけではなく著者名だけで借りてきた自分の責任であって、著者が悪いわけではない。

それでも随所になるほどと思う部分はあった。
例えば、「見られる」→「見れる」のような「ら抜き言葉」には寛容である一方で、「コーヒー とか 飲もう」のような「とか」の使い方は怪しからん、なんてあたり、決して感情論ではなくちゃんとした理屈があって納得できた。
日本語を突き詰めて考えていけばそういうことなんだなーと思わせる、が…

しかし第9章での漢検批判には閉口した。
それまではおおむね穏やかな文章だったのに、その部分にくるといきなり攻撃的になる。
漢検に何かイヤな思い出でもあるんだろうかねー ^^
そこを全部引用したいところだが、そこそこ長いし著作権的にどうなのか、と思うのでやめておいてあげよう。
まあ一言で言えば的外れ。
四字熟語で言えば、牽強付会、全豹一斑、かな。
そんな四字熟語についても批判的で、そこだけちょっと引用すると、
四字熟語は「漢検の花」ですからね、それだけでどういう代物かわかるというものでしょう。」(P168)
と、まあ、なんでそこまで漢検を目の敵にするんだろかね。
やっぱり過去に何かが… ^^

その第9章さえ無ければ悪くない本だったのに。
もう1ヵ所だけ引用させてもらえば、126ページのこの部分。
《何を言ったか》よりも《誰が言ったか》で決まる場合が多い
ですよねー。
第9章みたいな書き方してちゃ、説得力ありませんよー。

posted by 並句郎 at 19:13|   図書館本各記事 | 更新情報をチェックする

2017年05月23日

準1級配当漢字 懷古寫眞舘298 「綾」

川面の
kaiko298.JPG


釧路川。
北海道。
撮影は1994年。
赤いのは幣舞橋。
白いのはその欄干。
青は空。


漢字ペディアによると「綾」の読みは、
 音読み=リョウ・リン
 訓読み=あや


漢和辞典を見てみる。

音符「夌」の意味付けとしては、例えば漢字典では、「陵」に通じて「すじ目の意」とのこと。

が、同じ漢字典で「陵」を見ても「すじ目」のような字義は見当たらない。
そこで漢字源の「陵」の項を見ると、「夌」は「坴(土盛り)の略体+夂(あし)の会意文字で、足の筋肉にすじめを入れるほど力んで丘に登ること」とある。
で、「陵」は「山の背のすじめ、つまり稜線のこと」とも。
なるほど、稜線に通じると思えば「すじ目」も納得できる。

かと思えば漢語林の「綾」の項では「音符の夌は凌に通じ、盛りあがった氷の意味」だとしている。

いずれにしても「夌」は、すじ目のような模様のことなのだろう。
で、糸へんと併せて、そういう模様の入った絹地のこと。

「そういう模様」ってどういう模様だろうか、と、「綾」で画像をググってみると、まあ想像どおり ^^;
「綾 絹」でググってみても、よく分からん。


んで、絹地以外に、一般的に模様を指したり、「言葉の綾」のような使い方をするのは日本語用法のようだ。

posted by 並句郎 at 19:46|   寫眞舘各記事 | 更新情報をチェックする

2017年05月15日

準1級配当漢字 懷古寫眞舘297 「爺」

駅。
kaiko297.JPG


とうや駅。
北海道。
撮影は1990年。
子供の頃、「洞爺」は「と゛うや」だとばかり思っていた。
ちなみに釧路の近くには「遠矢」駅もある。
そちらは「とおや」駅。
ローマ字では同じ綴りになるだろうか。
ちょっとググると、どちらも由来はアイヌ語の「ト(トー)=湖」+「ヤ=岸」で、湖岸のこと。
アイヌ語での正確な発音は知らないが、「トーヤ」に漢字を当てるなら「遠矢」の方がよほど自然だろう。
「洞爺」はなぜその字なのかね。
洞穴に暮らす爺さんでもいたのだろうか。


閑話休題。

漢字ペディアによると「爺」の読みは、
 音読み=ヤ
 訓読み=おやじ・じじ


漢和辞典を見てみる。

音符「耶」の意味付けを書いているものは無かった。

「耶」の部分が「邪」になっている字、「𤕓」が、「爺」の古字(漢字典)・異体字(漢辞海・漢字源)・同字(漢語林)などとして載っている。
古字がその「𤕓」だったとして、父親を指すのにさすがに「邪」じゃまずいだろうと「耶」にした、のかどうかは知らない。


っていうか、「爺」の第一義は父親なんだね。
なんとなく、祖父とか、親戚ではなくても一般的に(?)じいさんのことかと思ってたし、「親爺(おやじ)」と書いた時でも自分の父親ではなく近所のラーメン屋のおやじ、みたいなイメージだったが。
一部の辞書では、そういう “年寄りの男” 的な字義は日本語用法だとしている。

posted by 並句郎 at 20:30|   寫眞舘各記事 | 更新情報をチェックする