2015年05月28日

準1級配当漢字 懷古寫眞舘263 「殆」

どバス。
kaiko263_1.jpgkaiko263_2.jpg

ほとんどバス。
南部縦貫鉄道のキハ102。
青森県。
撮影は1981年。
いわゆる“レールバス”。
見た目だけでなく、エンジンもバス用のものだそうだ。
Wikipediaによると、製造は1962年。
ということは撮影当時でまだ20年経ってなかったのか。
もっと古いかと思ってた。
で、今も動態保存されているとのことだが…
もうそろそろラクにしてやったらどうかと思わないでもない。
他の鉄道車両に対してはそんな風には思わないんだけどね。
どうもこの車両だけは“ひ弱”に見えちゃってね。


「完全征服」によると「殆」の読みは、
 音読み=タイ
 訓読み=ほとん(ど)・あや(うい)・ほとほと


漢和辞典を見てみる。

音符「台」の意味付けは辞書によってまちまちだが、たとえば漢字典では、
(迨タイに通じて)ちかい意」で、「歹」と合わせて「死が近づいて「あやうい」意を表す。転じて「ちかい」「ほとんど」の意に用いる。
…とのこと。

なので「ちかい」という読みを載せているものも多い。

一方で「ほとほと」を載せているものは、手持ちの中には無かった。
が、国語辞書には載ってたのでまあいいか。
国訓ってことなのかね。

posted by 並句郎 at 20:42|   寫眞舘各記事 | 更新情報をチェックする

2015年05月25日

「黒船前夜」

150525.JPG洋泉社
渡辺京二 著
黒船前夜 ロシア・アイヌ・日本の三国志
(2010年2月17日初版、同4月10日第2刷発行)


副題に三国志とあるが、物語というよりは解説本のような。

で、“三国”といってももちろん“アイヌ国”というのは無い。
この点について、エピローグ(P349)にこうある。
アイヌ民族に衰亡を免れる途は存在したのだろうか。その唯一の方途がアイヌ民族国家の樹立であったことは明白である。

もし“アイヌ国”があったら何がどうなってたやら。
さらにアイヌは国だけでなく、文字も持たなかった。
なので記録も日露のものしかなく、なんとも残念。

結果、アイヌとその住む土地、及び、通商・国交をめぐっての日露関係史、のような。
タイトルは「黒船前夜」だが、1700年代初頭から1813年のゴロウニン(本書では「ゴローヴニン」)事件解決までが主に書かれている。
(ペリーの黒船は1853年)


類書を何冊か読んでいるが、それらと比べて背景が詳しい。
当時のロシア事情とか、日本なら北海道・松前氏関係などの解説もあるのだが、それ以前にそもそも自分自身が歴史を知らないなーと痛感。
もっと勉強しないととは思うものの多分特には勉強しないだろう ^^;
でもこの時代のこの地方にだけは何故か興味あるんだよなー。

その類書、例えば特定の人物について書かれた本などと比べると長期間が対象、言わば通史になっているので、詳しい背景解説とあいまって色んな事柄が繋がって見えてくる。
そしてそれが黒船に繋がっていくんだなー、と。
書き方も客観的に見えるし、自分のように興味はあれど勉強不足な人にはおすすめ。
勉強充分な人なら… 格別目新しくもないかも知れないかも。

posted by 並句郎 at 19:22|   図書館本各記事 | 更新情報をチェックする

2015年05月22日

準1級配当漢字 懷古寫眞舘262 「恰」

も北国のような。
kaiko262.JPG



あたかも北国のような、福岡県下鴨生駅。
撮影は1984年。
そりゃまあ九州にだって雪は降るよね。


「恰」の字については以前に書いたことがあるが、改めて。

「完全征服」によると読みは、
 音読み=カツ・コウ
 訓読み=あたか(も)

漢和辞典を見てみる。

「カツ」という音は載っていないものも多く、載っていても慣用音となっている。

音符「合」の意味付けとしては、例えば漢字典ではそのまんま「あう意」で、「心」と合わせて「心にぴったり合う意を表す」とのこと。

熟語は少ない。
よく見る「恰好」は、「カッコウ」の他に「コウコウ」の読みもある。
「カッコウ」は国訓で、
かたち。すがた。様子。」(漢語林)の意と、
ちょうどよい。適当。」(同)の意。
「コウコウ」は「ちょうどよい。適当。」の意だけ。
だからまあ漢検対策なら「カッコウ」だけ覚えておけばいいのだろうが、漢文の中で読む場合は「コウコウ」なんだろうね。

それと、これもよく見る「恰幅」も国訓とのこと。

posted by 並句郎 at 20:11|   寫眞舘各記事 | 更新情報をチェックする

2015年05月21日

「北海道 化石としての時刻表」

150521.JPG亜璃西社
柾谷洋平 著
北海道 化石としての時刻表
(2009年2月26日 初版第1刷発行)


札幌市中央図書館で『札幌発懐かしの鉄道旅行~定山渓鉄道からブルートレインまで~』というミニ展示をやっていた。
そこで借りてきた本。

帯より。

北海道の時刻表を“化石”に見立て、その鉄路と社会の変遷を過去のダイヤグラムから辿る──。
鉄道と北海道の歴史にまつわるエピソードを軸に時刻表の魅力を余すことなく紹介する、紀行あり、薀蓄あり、感動ありの時刻表讃歌!



なぜ「化石」か、は序章にあるように、「時刻表を「人間社会の変遷を刻み、情報を後代まで伝えるもの」と見る」から。

第1章は本州~北海道連絡、
第2章は北海道最長鈍行列車、
第3章は峠越え(北見・狩勝・塩狩)の、
それぞれの変遷。

第4章は明治~戦中までの時刻表掲載の広告評。
第5章は北海道の駅を擬人化しての架空座談会。


で。
時刻表・鉄道に関するありがちな薀蓄本か、と思いきや、これがまたなんとも。
筆者は執筆時おそらく23歳の自称“文学青年”(「終」より)で、漢検でいえば準1級・1級レベルの漢語や、ところにより旧仮名遣い、自作の詩(歌詞?)まで挟み込んでノリノリ ^^
こういう人なら無勉強で準1級を受けてもそこそこいい点が取れるんだろうなー、と。
とにかく書いていて楽しくて仕方ない、って感じ。


1~3章は鉄道趣味としてよくあるテーマだが、知らない話も出てきたし、特徴ある文体と合わせて面白かった。

鉄道に興味がなくても楽しめるのが第4章。
広告に見る世相、世相を映した広告。
イメージとしてはこんなので、まあ別に時刻表じゃなくても同じかも知れないが、例えば万年筆の広告では、なぜ旅行に万年筆を持っていくべきなのか、とか、時刻表ならではの部分が特徴的。

第5章は、宮脇俊三さんが同じようなことをやってたなーと思い出した。
あれは確か新書で、駅ではなく路線を擬人化したものだったが。
この筆者もそれを意識したのかも。
で、まあ本来は擬似座談会なんてあっても無くてもいいようなもの(失礼!)かと思うのだが、これがまた結構なページ数を占めていて、これをこそ筆者は一番書きたかったのだろうな、と思わせる書きっぷり。
これだけで1冊書け、と言ったら嬉々として書いてくれそう ^^


とにかく。
鉄道と北海道に興味があれば確実に楽しめる本。
そうでなくても第4章は面白い。
逆にそうでないと… 第5章は楽しめないかも。

まあ、クセがあるっちゃあるけれども、類書に食傷気味のかたでもこの本は是非読んでみて欲しい。

posted by 並句郎 at 21:29|   図書館本各記事 | 更新情報をチェックする

2015年05月19日

ビジネス漢検

ちょっと前に、テレビ番組でガングロギャル(?)が漢検1級を持っているとかいう話が出て話題になったようだ。
だが、それは日本漢字能力検定(漢検(R))ではなく、ビジネス漢検(?)の1級ではないのか、という話もある。
実際のところはどうでもいいのだが、ほー、ビジネス漢検ねぇ。
聞いたことあるような無いような…

これかな?
100点満点で、80点で合格、か。
第75回の試験問題も公開されている。
早速1級をやってみた。

結果。
模範解答が載っていないので簡単には採点できないし、苦手な送り仮名問題もあるが、まず間違いなく合格点は取れてると思う。
これで自分も漢検1級だー ^^
いや、受験してないからダメだけど。


ビジネス漢検(という呼び方でいいのかどうか分からないが)は、「ビジネス実務界全般において常用される漢字、語句及び熟語等に関する知識」が問われ、「常用漢字すべての中から出題」とのこと。
漢検(R)で言えば2級ぐらいだろうかね。
解いてみた印象ではことさらに“ビジネス”っぽいとも思わなかったし。
でもまあ、“ビジネス実務界”でならこの程度で充分… と言い切っていいのかどうか。
色んな現場があるから一概に言えるわけも無いが。

1級受験料は¥2,000。
漢検(R)なら¥5,000のところが、たった¥2,000で1級が取れるとは!
これはお得!!!
…かも知れない ^^

posted by 並句郎 at 20:51| 漢字の周辺 | 更新情報をチェックする

2015年05月15日

準1級配当漢字 懷古寫眞舘261 「或」

る日の朝。
kaiko261.JPG



ある日の札幌の朝。
撮影は2001年。
「或るナントカ」なんて、写真は何だっていいのだが、まあ適当に ^^;


「完全征服」によると「或」の読みは、
 音読み=ワク
 訓読み=あ(る)・ある(いは)

ある=或る
 …なのに、
あるいは=或いは
 …か。
「或るいは」だとバツなのか。
漢検準1級の解答なら送り仮名で悩むことは無いが…

で、この字は他には受検時に勉強した「或問」という熟語でしか知らないな。

漢和辞典を見てみる。

熟語は他にもいくつかあるが、多く見られるのは「或者」。
「あるいは」と読む。
「ワクシャ」などという読みは載っていないが漢文中に使われる語ではあるようだし漢語なのだろうけれども音読みが無い、こういうのはどう解釈すればいいのかね?
名詞とかサ変動詞じゃなく、接続詞?副詞?みたいだし、熟語と言っていいのかどうか。
ともあれ、漢検で出題されそうな気もしないでもない。

「或者」には「あるもの」という読みも載っており、その場合は単純に「或る者」ってことだろう。
しかし、それだと他にも例えば「或日」で「あるひ」とか無限にありそうなものだが…
まあいいや。


字の成り立ちとしては、例えば漢語林では
会意。口+戈+一。口は、むらの象形。戈は、ほこの象形。一は、境界の象形。もと、武装した地域の意味で、域・國(国)の原字。
…とのこと。
なるほど。
「域」と「國」の共通点を意識したことは無かったな。
ひとつ納得した感じ。

で、そういう原義だからして、この字を「あるいは」などとするのは仮借とのこと。

posted by 並句郎 at 22:01|   寫眞舘各記事 | 更新情報をチェックする

2015年05月13日

漢検 平成26年度第3回実施状況

漢検サイトより。

例によって一覧表に追加した。


準1級の合格率は 10.6%。
前回エントリで10%と予想したが、ほぼ的中した。
これからは年3回のうちの3回目の合格率が低くなったりするのだろうか?

次回、平成27年度第1回の準1級合格率は… 12%と予想(適当)

グラフ26_3.GIF
1級・準1級・2級の合格率推移グラフ →→→
ここをクリックで拡大)

posted by 並句郎 at 21:40| 漢検 | 更新情報をチェックする

2015年05月12日

「サハリン島占領日記 1853-54」

平凡社 東洋文庫 715
ニコライ・ブッセ 著、秋月俊幸 訳
サハリン島占領日記 1853-54 ロシア人の見た日本人とアイヌ
150512.JPG(2003年4月23日 初版第1刷発行)


1853~54年のサハリン、
日本で言えば幕末の樺太での、
ロシア士官の日記。

書名は「サハリン島占領日記」と勇ましいが、実際には一集落(クシュンコタン、後の日本名=大泊、現在のロシア名=コルサコフ)の一角に“哨所”を築いただけで、戦闘などは無い。
“占領”と言いつつも日本人やアイヌを支配したわけでもなく、周辺調査の他には特別に何をするでもなく(と言っては失礼だが)、日記には無いがその後すぐ撤退したようだし、まあ言ってみただけ、か??
日本側にも記録はあるようだが、それほどの大事件とは見なされていないようだ。
占領されたってのに ^^
まあ、ただの日記であるからして、副題はもちろん書名も後付けなのだと思うが。


内容としては、ほぼ「ロシア人の見た日本人とアイヌ」という副題の通り。
その人間観察や著者の苦労話も面白いが、何と言うか土地が土地だけに、手付かずの大自然の中での大規模キャンプ!みたいな印象も持った。


略地図も載っているが、現在の地図を参照しながら読むのも面白い。
書中では「トープチ湾」となっているところが、Googleマップでは「ブッセ湖」となっている。
著者の名が取られたのだろうか?

あと、古くなるが、ということはこの本の書かれた時代に近くなるが、当ブログのタイトル背景に使わせてもらったテキサス大学のサイトの中のこの地図もいいかも。
その地図では楠渓町(Nankeicho)とされている所が、おそらくクシュンコタン。



読み物としては、三人称が誰を指すのか分かりにくかったり、何のオチも無くむしろこれからって時にプッツリ終わったりするのがアレだが、まあ元が日記だから仕方ない。
しかし日記にしては“読ませる”し、資料としても貴重なのだろう。
かなり客観的に書かれてもいるようだし。

この時代のこの方面に少しでも興味があれば、ぜひ。

posted by 並句郎 at 20:03|   図書館本各記事 | 更新情報をチェックする

2015年05月08日

準1級配当漢字 懷古寫眞舘260 「牢」

な柱。
kaiko260_1.JPG
kaiko260_2.JPG

鷹ノ巣駅のホーム上屋(か、跨線橋)の
柱に転用された古レール。
秋田県。
撮影は1990年。
刻印の意味をググると、

 上)CARNEGIE 1900 ET |
  → カーネギー社(アメリカ)のエドガー・トムソン工場で1900年1月製造。

 下)UNION 1903.I.R.J.
  → ウニオン社(ドイツ)で1903年製造、日本の帝国鉄道発注。

 …らしい。
「I.R.J.」ってのは「Imperial Railway of Japan」で、大日本帝国の、当時は逓信省鉄道局だったようだ。

レール製造から、撮影当時で90年、もし今も残っていれば1世紀以上。
いつ柱にされたのか分からないが、まあ堅牢なのは間違いないだろう。


閑話休題。

「完全征服」によると「牢」の読みは…
あれ、この字の部首、ウかんむりじゃなくて牛なんだね。
 音読み=ロウ
 訓読み=いけにえ・ごちそう・ひとや・かた(い)・さび(しい)

「ひとや(=人屋)」「かた(い)」は覚えてたが、他の訓読みは…
「さび(しい)」なんてあったっけ??

漢和辞典を見てみる。

部首については特徴的な新明漢と角川漢和以外では、全て牛の部。

字の成り立ちについては、漢語林と現代漢和では象形説、他は会意説。
いやさすがに象形じゃないだろうと思うが…
しかし篆文などを見ると、単純にウかんむり+牛ではないようだ。
ウかんむりは屋根の意だと思うが、「牢」の場合は屋根だけでなく、牛の360度が囲われている形。
すると元々はウかんむりではなく、となると象形ってことになるだろうか。
だから部首もウかんむりじゃないのかな?

だとして、そもそも。
牛の囲い、なのか、
囲われた牛、なのか。
前者なら原義は、おり~ひとや、
後者なら原義は、いけにえ~ごちそう、だろうか。
部首が牛ってことは、原義は後者か?

で。
「かたい」とか「さびしい」について、同音の別字に通じて云々といった解説が無い。
ということは、それらの字義は仮借的なものではなく原義からの派生で、例えば
「かたい」ってのは物理的に硬い、あるいは守りが堅い牢の様子、
「さびしい」ってのは牢内の人あるいは生贄にされた牛の心情、なのかな??

字義に「さびしい」を載せているのは新明漢と新選漢和のみだが、「うれえる」を載せているものもある。
まあ牢屋に入ってれば寂しかったり憂えたりするよね。
自分は経験無いけどもね ^^

posted by 並句郎 at 21:22|   寫眞舘各記事 | 更新情報をチェックする

2015年05月01日

準1級配当漢字 懷古寫眞舘259 「岱」

沼港。
kaiko259.JPG


おだいとう港の灯台の影。
北海道。
撮影は1984年。
見えている陸地は野付半島か、野付湾内の島か。
遥か遠くの山影は知床か国後か。
撮影した時も分かってなかったかも… ^^;


「完全征服」によると「岱」の読みは、音読みの「タイ」のみ。

この字は地名でしか見たこと無い。
国語辞典を見ても地名と人名しか出てこない。
部首は「山」だし、なんとなくそっち系の字義かとは思うが…
漢検での出題実績はあるのかね?


漢和辞典を見てみる。

字義としては「泰山の古名」(漢字典)などとあるのみ。
音符の「代」の意味付けも載っていない。
熟語も泰山関係のものがわずかにあるだけ。
なんとも広がりの無い字だ。


まあ、泰山を意味するなら人名に使われるのは分かるが、この尾岱沼のように山とは無縁の地名に使われるのはちょっとどーなのか。
アイヌ語への当て字だとしても。
ググると「おだいとう」はアイヌ語の「オタ(砂)」「エト(岬)」から来ているらしい。
ふーん。
アイヌ語で湖や沼を「ト」というので、尾岱沼の“沼”もそれかと思ってたが違った。

つーか、尾岱沼イコール野付湾なのかと思ってたが、そうじゃないようだ。
北海道根室振興局のページより。
尾岱沼という名前から、沼であることを想像してしまうかもしれないが、実は市街地の名前であり

尾岱沼ってのは単なる土地、町の名前。
知らなかった。

posted by 並句郎 at 19:26|   寫眞舘各記事 | 更新情報をチェックする