2014年10月31日

準1級配当漢字 懷古寫眞舘241 「熔」

岩。
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桜島。
撮影は1992年。


「完全征服」によると「」の読みは、
 音読み=ヨウ
 訓読み=いがた・と(かす)・と(ける)・い(る)

一応。「い(る)」は「鋳る」。


漢和辞典を見てみると、「」は「」の俗字としているものが多い。
で、現代表記では「」に書きかえる、とのことで、熟語は「」の方を見ろ、とあったりする。
」の俗字で現代は「」と書かれる、という、なんとも弱い立場の(?)字。


その「」は準1級では見たこと無いので1級配当かと思ったが、漢字辞典ネット様を見ると準1級配当だ。
あれれ、そうだったっけ?
「完全征服」には載ってないが、高橋や「成美堂'12」を見ると、なんと「」の許容字体として載っていた。
俗字であるはずの「」が標準字体で、正統なはずの「」が許容字体という、よく分からない状態。


字の成り立ちは「」の項には載ってないので、本字とされる「」の方で見ると、音符の「容」の意味付けとして例えば漢語林では「物をとり入れるの意味」とし、金へんと合わせて、「金属をとかして、流し入れるいがたの意味」とのこと。


さて、
使い分けに明確な基準は無いだろうが、やっぱ火山のよう岩は岩が一番いい気がする。

posted by 並句郎 at 22:31|   寫眞舘各記事 | 更新情報をチェックする

2014年10月24日

準1級配当漢字 懷古寫眞舘240 「揖」

宿郡。
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鹿児島県いぶすき郡の西大山駅。
撮影は1984年。
当時、揖宿郡山川町。
現在は指宿市。


「完全征服」によると「揖」の読みは、
 音読み=ユウ・シュウ
 訓読み=ゆず(る)・へりくだ(る)・あつ(まる)

この字については以前書いたことがあるが、あらためて漢和辞典を見てみる。

音については「ユウ」が本来のようで、「シュウ」を載せていない辞書もある。
字義としては、会釈のような挨拶が第一義。

音符の「咠」の意味付けとしては、例えば漢語林では、
寄せ集めるの意味。
として、手へんと合わせて、
左右の手を胸元に寄せ前方におし出す礼の意味を表す。
とのこと。

ちなみにその「咠」の字は、漢字源によると「口」と「耳」の会意文字で、「耳に口を寄せあわせるさま。」としている。



ところで。
この字は、揖宿だけでなく、揖斐(いび)・揖保(いぼ)・揖屋(いや)など、「イ」の音でいくつかの地名に使われているが、現代の漢和辞典上は「イ」の音は見られない。
  (わずかに新選漢和には「イツ」の音が載っているが)
これらの地名で「揖」が使われた理由は…?
迷宮に入り込みそうなので、これ以上は調べない ^^;

posted by 並句郎 at 21:38|   寫眞舘各記事 | 更新情報をチェックする

2014年10月18日

準1級配当漢字 懷古寫眞舘239 「辰」

子姫の像。
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田沢湖の、たつこ姫の像
…をヘッドマークにした特急たざわ。
秋田駅。
撮影は1986年。
この時は田沢湖には行かなかった。
後日、湖に行き、像の実物も見たが、冬で危険なほど寒くて写真を撮るどころではなかった ^^;
なのでこんな写真。

辰子姫については仙北市のサイトなどをご覧ください。



「完全征服」によると「辰」の読みは、
 音読み=シン
 訓読み=たつ・ひ・とき

「ひ」は「日」、「とき」は「時」。
準1級の四字熟語には「嘉辰令月」「吉日良辰」「日月星辰」があり、前2者の「辰」は「日」のこと。
「日月星辰」の「辰」は星のことだが、漢和辞典を見るとこの字は…
日・月・星(三辰)とか、
北極星(辰極)とか、
水星(辰星)とか、
また、アンタレスのことでもあったり、と、意外な意味を持っている。


もちろん「たつ」は「竜」だし、とにかくスケールの大きい字だが、成り立ちとしては二枚貝の象形とした辞書が多い。
小さな貝がなぜ大きな竜や星、あるいは日や時になるのやら。
漢字の、良く言えば面白いところ、悪く言えば出鱈目なところ、だろかね ^^

posted by 並句郎 at 22:31|   寫眞舘各記事 | 更新情報をチェックする

2014年10月11日

準1級配当漢字 懷古寫眞舘238 「播」

但線飾磨港駅。
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ばんたん線 しかまこう駅。
撮影は1981年。
貨車が見えるが、と言うか貨物駅のような風情だが、この頃はまだ貨物扱いもしていたのか。
Wikipediaによると貨物営業廃止は1984年。
で、この駅も含め、いわゆる飾磨港線の廃止は1986年。
旅客より貨物のための路線だったのだろう。


「完全征服」によると「播」の読みは、
 音読み=ハ・バン
 訓読み=ま(く)・し(く)・さすら(う)

「まく」は「蒔く」、「しく」は「敷く」だが、個人的にどうにも意味がつかみにくくて苦手な字。
「さすらう」なんて読みがあったのか。

漢和辞典を見てみる。
「さすらう」なんて字義は載っていない辞書もあるし、それより他に例えば漢辞海では「わか(れる)」や「す(てる)」などの字義だけでなく読みまで与えていたりする。
そんな中で「さすら(う)」の読みを持たせた漢検協会の見解を聞いてみたいところ。

しかし「さすらう」系の熟語はいくつかある。
播蕩(はとう)
播遷(はせん)
播越(はえつ) など。
「流浪播越(るろうはえつ)」「流離播越(りゅうりはえつ)」なんて語もあるようで、まさにさすらってるね ^^

そう言えば漢検の四字熟語辞典にも「乗輿播越(じょうよはえつ)」という四字熟語があった。


音符の「番」の意味付けとしては、例えば漢語林では「田畑に種をまくの意味。」であるとし、「のち、番が別の意味に用いられるようになり、手を付し」て、「播」の字になった、とのこと。



ところで。
「播但線」というのは播磨国と但馬国を結ぶところから来ているが、「播磨」の由来は…?
ググると、例によって例の如く諸説あって定まらないようだ。
しかし、「ハリ」にしろ「ハ」にしろ、あるいは「バン」であったにしろ、そういう音を持つ字は沢山ある中で、なんでまた「播」なんて字を使ったのだろうか。
「まく」か「しく」か「さすらう」か、あるいは他の何らかの字義が考慮された結果だろうか。
非常に興味はあるが真相は藪の中…

posted by 並句郎 at 21:23|   寫眞舘各記事 | 更新情報をチェックする

2014年10月04日

準1級配当漢字 懷古寫眞舘237 「粁」

ゼロ
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ゼロキロメートル。
前回と同じ宍道駅。
島根県。
撮影は1985年。
駅名標の右奥の白い標識は「キロポスト」と呼ばれ、起点からの距離を示す。
「0」とあるのは、ここが木次線の起点のゼロキロメートル地点ということ。


「完全征服」によると「粁」は、音読み無し、訓読み「キロメートル」の国字。

漢和辞典を見ても、国字なので熟語も無く、字義もキロメートルしか無く、見るべきものは無い。

が、字の成り立ちとしては会意説と形声説に分かれる。
まあ、形声だとしても会意の色の濃い“会意形声”だとは思うが。
以下、漢語林の[解字]から。

形声。千+米(音)。mètreの音訳を音符の米が表し、その千倍の意味を千が表す一種の新形声文字。

「一種の新形声文字」とはまた面白い解説だ。


ところで。
これが仮に漢検の読み問題で出た場合。
ひらがな・カタカナ、どちらで回答すべきかは注意しておいた方がいいかも。
「完全征服」の漢字音訓表には「キロメートル」とカタカナで書いてあるが、漢検の問題用紙では読み問題は「ひらがなで記せ」とあるはず。多分。
 例:平成25年度準1級問題(PDF)
であれば、納得いかなくてもここはおとなしくひらがなで回答すべきかと。

posted by 並句郎 at 20:21|   寫眞舘各記事 | 更新情報をチェックする