2014年06月27日

準1級配当漢字 懷古寫眞舘226 「磐」

城西郷駅。
kaiko226.JPG

いわきにしごう駅。
福島県。
撮影は1982年。
東那須野駅と同じ日。

今は新白河駅。
後の高架が開業3ヶ月前の東北新幹線。
写真をググると、後方の新しい跨線橋に繋がる位置に現駅舎はあるようだ。
駅の所在地は白河市ではなく西郷村。
そう言えば、北海道新幹線の仮称・新函館駅の名称が「新函館北斗」駅に決定したようだが、その伝でいけばここは「新白河西郷」駅。
なんなんだよ「新函館北斗」って…


「完全征服」によると「磐」の読みは、
 音読み=ハン・バン
 訓読み=いわ・わだかま(る)

漢和辞典を見ると、音符「般」の意味付けとして例えば漢語林では「大きいの意味」、漢字源では「平らに広げる」としている。


字義としては「」と重なる部分が大きいようで、現代表記では例えば「落磐」が「落盤」に書き換えられたりもする。
「完全征服」を見ると「盤」の表外読みにも「わだかま(る)」がある。
…が、「いわ」は無い。
やっぱ本来、「いわ」は「磐」、皿のようなものが「盤」なんだろう。

よく、常磐線が常盤線と間違えられたりもする… が、あれ? 地名・人名の「ときわ」は「常盤」で正しい場合もあるな。
「ときわ」は「とこいわ」から変化したもののはずで、それなら「常磐」が本来かと思うが、するとかなり古い時代から「磐」と「盤」は混用されてきたのか?
常用漢字も当用漢字も無い時代だったら、わざわざ「磐」を「盤」と書き換える理由も無いし、やっぱ混用の始まりは誰かの書き間違いだったんじゃないのかねぇ?

posted by 並句郎 at 21:05|   寫眞舘各記事 | 更新情報をチェックする

2014年06月24日

「「完璧」はなぜ「完ぺき」と書くのか」

大修館書店
田部井文雄 著
「完璧」はなぜ「完ぺき」と書くのか これでいいのか?交ぜ書き語
140624.JPG(2006年3月20日 初版第2刷)


「完ぺき」のような「交ぜ書き」は怪しからん!という本。

第Ⅰ編は総論、
第Ⅱ編は各論、
第Ⅲ編は交ぜ書き語小辞典、という構成。

だが、「序」だけでも言いたいことは充分分かる。
交ぜ書きは妖怪だ奇形だグロテスクだと、なかなかに厳しいお言葉 ^^;
しかし、
この珍妙な形を取ってまで残された熟語の中の漢字は、裏を返して言えば、それだけ現代の日本人にとって、使わずにはおられない文字」(P4)
だと。

なるほどー。
そういうことだね。
交ぜ書きしなきゃならんような語は、他の語に書き換えたっていいはず。
だが、それをせずに交ぜ書きという“奇形”であっても現在なお生き残っている語は、つまりその語がどうしても必要、ということ。
例えばP39。
「静謐」は例えば「静寂」や「閑静」などへの書き換えも可能かも知れないが、しかしなお「静ひつ」という奇形で使われ続ける…
そういう場合は「謐」を常用漢字にしろよ! と。

まあ「静謐」にしろ「静ひつ」にしろ、それが“常用”か、と言われれば難しいところだと思うが、しかしそれらの交ぜ書き語について新聞紙上での用例が第Ⅲ編の小辞典に列挙されている。
普通の新聞で普通に使われる語ならば、常用とは言わずとも交ぜ書きするべきじゃないだろう。

その小辞典、全てに目は通してないが、その9割、おそらく9割5分ほどは、漢検で言えば準1級から準1級プラスの範疇。
準1級プラスはムダじゃなかった! ^^


ところでこの本の出版は2006年。
その後、2010年に常用漢字表は改定されている。
その結果、例えばタイトルの「完璧」の「璧」は、現在は常用漢字。
なので現在は「完ぺき」という交ぜ書きは減っている、のかな? 多分。
この本をこれから読むかたは、そういうケースが少なくないことをご承知おきください。

ただ、巻末の「漢字別収録語彙一覧」には「「常用漢字表」に加えられるべき」として約670字が載っているが、2010年改定で新たに常用漢字になったのは196字。(それと削除が5字)

「交ぜ書き」はまだまだ無くならないね。

そこで自分の主張としては、以前にもブログのどこかで書いたと思うが、
もう常用漢字表なんて廃止しろ!
どしても必要なら、常用漢字よりも常用熟語を定めろ!
以上!

例えば「璧」が常用漢字になったとは言え、少なくとも現代日本での用例は「完璧」と「双璧」ぐらいだろう。
他にも「璧」の用例はあろうが、そこは常用ではない。
だから「常用」を言うなら、漢字単位ではなく熟語単位で考えるべき。
そう思うのでね。

posted by 並句郎 at 21:33|   図書館本各記事 | 更新情報をチェックする

2014年06月20日

準1級配当漢字 懷古寫眞舘225 「琶」

瀬湾。
kaiko225.JPG

びわせ湾。
霧多布のアゼチの岬から。
北海道。
撮影は1996年。

1831年にオーストラリアの捕鯨船が来たという琵琶瀬湾。
手前が小島、奥が嶮暮帰島(けんぼっきとう)、右奥は北海道本島。

小島の右の岩についてだが、例えばWikipediaの嶮暮帰島のページの写真のキャプションなどではこれを「ゴメ島」としている。
が、地図を見るとこの岩は無名で、やや離れた別のところに「ゴメ島」がある。

想像するに、観光案内などで、このアゼチの岬からは「小島・ゴメ島・嶮暮帰島が望め」ると書いてあるところから誤解されてるんじゃないかね?
写真も記憶も無いが、確かにアゼチの岬からは地図にあるゴメ島がみえるだろう。
それは上やWikipediaの写真よりもっとずっと左方のはず。
なのでWikipediaの記述は間違ってるんじゃないかと思うのだが、ひょっとするとこの岩も「ゴメ島」と呼ばれているのかも知れないし…


閑話休題。

「完全征服」によると「琶」の読みは、音読みの「ハ」だけ。
漢和辞典を見ると、「琵」と同じで「琵琶」の「琶」でしかない… かと思いきや、漢語林にだけは「弦楽器の弦を上から下にかき鳴らすこと」という字義が載っている。
漢語林でも「琵」の方にはそんなような字義は載ってないのだが…

それよりも。
「完全征服」では(漢和辞典でも、だが、)読みは「ハ」。
「ワ」ではなく「ハ」。
となると、漢検では「琵琶=ビワ」としての読み書き問題は出題されにくいかも?
いや、「ハ」も wa と読むこともあるし…
だからって「琵琶」の読みを「びは」って答えたらやっぱり間違いな気がするし…
どーなんだろ。

ところで。
楽器の琵琶ってのは植物のビワ(枇杷)に似てるからビワなのかと思ってたが、逆のようだ。
楽器が先、植物が後。
私家版 楽器事典様
このページを見ると、漢語林の「琶」の字義の「上から下」ってのは逆のような…


なんだか色々と引っ掛かる字だ。

posted by 並句郎 at 22:25|   寫眞舘各記事 | 更新情報をチェックする

2014年06月17日

新・準1級プラス 13問追加

“新・準1級プラス”に、次の13問を追加した。

江戸前の(スシ)
北欧の(フィンランド)
【四熟】(ケンケンフクヨウ)
(アニヨメ)に会う
理屈を(コ)ねる
シルクロードは(シチュウ)之路
動詞の(イゼン)形
数を(タノ)む
(レイリ)な人物
敵を(ミクビ)る
(チョウビ)を飾る
小鳥が(サエズ)る
戦国の僧、安国寺(エケイ)


正解(例)と新・準1級プラス全問は こちら(csv形式)
または こちら(Googleドキュメント版)
今回の追加分は一番下に。



「鮨」や「已」も1級配当漢字なんだね。
意外だった。


シルクロードを「絲綢之路」とするのは一般的ではなさそうな気もする。
中国語なのかな?
翻訳サイトで見てみるとまさに中国語だったが、まあ日本でもそこそこ有名な表記だろうと思うので。
日本語なら普通「絹の道」だろうね。
すると絹は中国語で「絲綢」なのかとこれも翻訳サイトを見ると、その通りだった。
なお、漢字辞典ネット様によると、「絲」は漢検対象外漢字。


というわけで、新・準1級プラスは現在全889問。

posted by 並句郎 at 20:57| 漢字 | 更新情報をチェックする

2014年06月13日

準1級配当漢字 懷古寫眞舘224 「琵」

琶湖。
kaiko224.JPG



大津駅近くの湖岸から。
撮影は1992年。

琵琶湖はいつも車窓から眺めるだけで、湖岸を歩いたのはこの時だけ。
その唯一の写真がこんなつまらん捉えどころの無い感じで、琵琶湖に申し訳ない ^^;
が、まあ、海と見まがう広さは分かる。
「見まがう」は「見紛う」か。一つ覚えた。


「完全征服」によると「琵」の読みは、音読みの「ビ」だけ。
「琵琶」以外の用例は知らないな。
字義も分からない。

漢和辞典を見てみると「琵琶」関連の用例しか載っておらず、「琵」だけの字義は無さげ。
で、「琵琶」で植物のビワ(漢字なら普通「枇杷」)を指す場合も無いことは無いが、基本、楽器の琵琶のことでしかない。


んで。
脱線するが、こういう字の場合。
今回の「琵」を漢和辞典で見ると、例えば漢語林では、
[字義]琵琶は、弦楽器の名。(以下略)
とある。
他の多くの辞書でも同様だが、いやそれは「字義」じゃないだろ、と、いつも思う。
「琵琶」の“語義”はそうだとして、「琵」の“字義”は無いのか? と。
無いなら無いって書いとけよ、と。

その点、漢辞海では、
連綿語の構成要素。「琵琶」
とあり、他の字義の解説は無く、ああ、連綿語に使われるだけの字なんだろうな、と、幾分すっきりする。


閑話休題。
まあそんな字なので、「琵」の音符「比」にも意味は無さそう。
意符の玨(珡)は琴のことで、つまり楽器を意味するようだ。

posted by 並句郎 at 20:30|   寫眞舘各記事 | 更新情報をチェックする

2014年06月10日




「エトロフ島」の中に、「直䑺(じきばしり)」という熟語で「䑺」という漢字が出てきた。(P45)
初めて見たが、いい字だと思った。

「直䑺」は「じきしり」で「歴史民俗用語辞典」にあり、「出帆した港から目的地まで帆走で直航すること。」とのこと。
「風」の字が入ってるとは言え「帆走」限定なのか。
まあ、長距離の直航が難しかった帆船の時代でしか使われなかった語・概念なのかと想像する。


「䑺」を漢和辞典で見ると、載っていたのは新明漢と漢字源だけで、いずれも「帆」の項に誘導される。
「帆」の異体字らしい。
「帆」に「はしる」の読みは見当たらないが、「舟を走らせる」ような字義はある。

「舟」と「風」が左右逆の字形もあるようだ。


「䑺」で日本語のページをググってみると、辞書の他はなんだかよく分からないページばかり出てくる。
現在は子の名付けに使えない字だが、店名なんかにはもっと使われててもよさそうな。
中二病っぽいけど ^^

posted by 並句郎 at 21:59| 漢字 | 更新情報をチェックする

2014年06月06日

準1級配当漢字 懷古寫眞舘223 「葺」

き屋根。
kaiko223.JPG



岡山後楽園。
撮影は1992年。

後楽園の中の… 何ていう建物なのか知らない。
ググってみると、どうやら延養亭ってやつのようだ。


「完全征服」によると「葺」の読みは、
 音読み=シュウ
 訓読み=ふ(く)・つくろ(う)

「つくろう」ってのは「繕う」で、多くの辞書に「修繕」と同音同義で「葺繕」が載っている。

音符の「咠」の意味付けとしては例えば漢語林では「寄せ集めるの意味」とし、草かんむりと併せて「かやを寄せ集めて屋根をふくの意味を表す」とのこと。


「咠」で「あつめる」と言えば、準1級配当で「」の字もあった。
同じく準1級で「」もあるが、こちらは「完全征服」によると「あつまる」。
1級配当では「」も「あつめる」のようだ。

「咠」の字は1級配当でもなさそうで、手持ちの辞書の中では漢字源にしか載っていなかった。
音は「シュウ」。
訓読みは無し。
字義は「耳に口をつけて、ひそひそしゃべる」。
[解字]として「耳に口を寄せあわせるさま」とあり、どうも「あつめる」ではなさそうだが、「寄せあわせる」ってことで結局「あつめる」ってとこに繋がるのかね??

posted by 並句郎 at 22:05|   寫眞舘各記事 | 更新情報をチェックする

2014年06月03日

「北上して松前へ」

140603.JPG創風社出版
ノリーン・ジョーンズ 著、北條正司/松吉明子/エバン・クームズ 訳
北上して松前へ エゾ地に上陸した豪州捕鯨船
(2012年5月1日 発行)


1830年にオーストラリアを出航し、翌年、北海道まで来た捕鯨船の航海日誌を基にした話。
ここで言う「松前」とは北海道のことで、現在の松前町ではない。
実際に来たのは現在の浜中町。
それと、択捉島、八丈島、南鳥島など。

当時、オーストラリアの捕鯨船は日本近海に何隻も来ていたようだが、上陸し住民と接触したのはこの時が初めてとのこと。(P3)
鎖国下の辺境でのことであり、まあただで済むわけはないが、それにしても…
薪水を求めるだけと言いながら、発砲・空き巣・拿捕・放火…
襲われた側から見れば海賊以外の何物でもない。
現代日本人の感覚で云々すべきではなかろうが、もう少し他にやり方は無かったのかと言わざるを得ない。

まあそれはそれとして。
全体としては出港から帰港までの約1年半の話で、日本関連はページ数で3分の1程度。
他は途中の島々での交易やら航海の苦労やら船内のいざこざやら…
日本どうこうではなく、一件の航海記だと思ったほうがよい。
が、著者によって当時のアイヌ風俗やらの肉付けもあるので純粋な航海記って感じでもないが。


文章としてはちょっとギクシャクしてる気がする。
直訳風で意味不明な部分も。
翻訳がイマイチなのかと思うが、航海日誌を基にしているので意訳もしにくいのかも知れない。

あと、1850年に厚岸沖で沈没した、オーストラリアの別の捕鯨船の話もオマケのようについているが、これは無くてもよかったような気も。

で、「はじめに」で、「日豪間に現存する捕鯨論争の観点から捉えていく。」(P4)とあり、オーストラリア人の著者自身は現在の日本の捕鯨には否定的であるようだが(P279)、だとしてこの本で何を訴えたかったのかよく分からない。
オーストラリアも昔は捕鯨をしていたが、今はしてないんですよー、ってことなのかな??

などなど、どうも全体的にピンボケな印象。

ついでに。
第1部第8章は「浜中湾」というタイトルで、「浜中湾」のキャプション付きの写真も載っている(P103)が、それとほぼ同じ構図の写真を自分も撮っている。
いずれ懷古寫眞舘ネタにするつもりだが、これは少なくとも現在の地図によれば浜中湾ではなく琵琶瀬湾。


なんだかケチつけるばっかりになっちゃって申し訳ない ^^;
タダで読ませてもらってる分際で…

posted by 並句郎 at 21:49|   図書館本各記事 | 更新情報をチェックする