2013年10月31日

準1級配当漢字 懷古寫眞舘195 「楳」

の花。
kaiko195.JPG


うめの花。
岡山の後楽園。
撮影は1987年。

」なんて字は漫画家の名前でしか見ない気がするが、ググってみると人名・地名・店名など色々ヒットする。
当たり前か ^^;


「完全征服」によると「」の読みは、
 音読み=バイ
 訓読み=うめ

漢和辞典を見ると、いずれも「」の項へ誘導され、
と“同字”(漢語林)だったり、
の“別体”(現代漢和)だったり、
の“異体字”(漢辞海)だったり。

で、“同字”や“別体”であるからして当然と言うべきか、「」と「」との使い分けについての記述は見当たらない。
だからと言って、
”とか、
”とか、
”とか書いてもいいものなのかどうか。
それぞれ日本語のページをぐぐっても、わずかしかヒットしない。


さて、前述の通り「」の音読みは「バイ」だが、しかし音符であるはずの「」に「バイ」の音はあるのか? と思って漢和辞典を見ると、そもそも「」こそが「」の“古字”(漢語林など)・“原字”(旺文社漢和など)とのこと。
で、「」に「うめ」の字義を与えているのが手持ちの8冊中5冊で、その場合には「」に「バイ」の音も載っている。
他の3冊では「」の音は「ボウ(など)」だけ。

でもやっぱり「バイ」の音は「毎」から来てるよなぁ…
あ、でも「媒」とか「煤」は「バイ」だし、やっぱもともと「」は「バイ」だったのか?

」に「うめ」の字義を与えていない辞書でさえ、例えば漢字源の[解字]では、「」は「の本字」で、「なにがしの意味に用いるのは当て字」とある。
ということは、「」はもともと「うめ」の意味で音は「バイ」だったものが、仮借で「なにがし」の意味になり音まで「ボウ」に取って代わられたのだろうか。

仮借はよく見るが、音まで乗っ取る/乗っ取られるっていうケースは多いのかな?
「媒」とか「煤」の字は、「」に「バイ」の音がまだ残ってる時代に作られたってことだろうか。

ここはひとつ、図かずお先生の見解を伺ってみたいものだ ^^

posted by 並句郎 at 23:02|   寫眞舘各記事 | 更新情報をチェックする

2013年10月27日

準1級配当漢字 懷古寫眞舘194 「櫓」

石川
kaiko194.jpg


石川やぐら。
金沢城石川門。
撮影は1978年。
「石川門」として紹介されることが多いが、写ってるのはどう見ても門ではなく櫓。
ググると、石川門というのは、この石川櫓ともう一つの櫓、それと二つの門で構成されているとのこと。

撮影当時は金沢城と言えばこの石川門だったが、近年は他にも色々と復元・整備されているようだ。
是非もう一度行ってみたい。


「完全征服」によると「櫓」の読みは、
 音読み=ロ
 訓読み=かい・おおだて・やぐら


漢和辞典を見てみる。

「かい」はもちろん船の「かい」。
「おおだて」の「たて」は「館」かと思ったが、「盾」だった。


字の成り立ちとしては、毎度のことながら諸説あるようで、どれが本当なのやら分からない。
なのでここは代表して、入手したばかりの漢字源の[解字]をご紹介。

「木+音符(太い・大きく雑な)」で、太い棒。

太い棒というのは、やっぱり「かい」のことだろうかね?


熟語としては「櫓声(ろせい)」を載せているのが多い。
船をこぐときの櫓の音」(漢字源)とのこと。

旺文社漢和にだけ「櫓櫂(ろとう)」というのが載っている。
船の櫓と櫂」とのことだが、じゃあ櫓と櫂の違いは…
なんとなーく、船尾にあるのが櫓、船べりにあるのが櫂、のような気がする、が、だとすると「櫓」を「かい」と読むのは誤りなのでは…
厳密な違いは無いのかな?
これ以上調べる気力が無い ^^;

posted by 並句郎 at 20:52|   寫眞舘各記事 | 更新情報をチェックする

2013年10月25日

漢字検定 1級・準1級

旧高橋表紙.JPG高橋書店

漢字検定 1級・準1級」 練習問題から模擬試験まで

100円で入手。
発行は1996年。
状態良好。

発行が古いし、高橋書店と言えば頻出度順だから、この1級と準1級が一緒のやつは絶版なのだろうと思ったが、現行版もあるようだ。

どーなんだろね、こーゆーのは売れない気がするのだが…
準1級受検者には1級の部分が邪魔だし、1級受検者にはこの程度じゃ明らかに不足だろう。
しかし現行版があるということは、それなりの需要があるのか…

今後このブログでは… どーしよ。
一応、「古高橋」とでも呼んでおこう。

旧高橋目次.JPG
目次はこちら→→→

「ジャンル別」のところがそれぞれ3ステップになっており、
ステップ1が準1級、
ステップ2が準1級+1級、
ステップ3が1級の範囲、とのこと。

その1級の範囲であるステップ3をざっと見てみたが、準1級プラスレベルの問題が多いような…
なので、1級の範囲であってもあっさりと勉強してみようかと思うが、ま、成り行きにまかせることにする。


まずは、準1級の第1回模擬試験をやってみた。
結果、190/200点。
割と易しめか?

今後ぼちぼちとこなしていくことにする。
なお一通り終了するのは来年になる模様 ^^;

posted by 並句郎 at 21:07| 漢字の周辺 | 更新情報をチェックする

2013年10月16日



漢検四字熟語辞典に、準1級の「麪市塩車」で載っていた字。
今の今まで、この字は準1級ではなく1級配当だと思っていたのだが、あれれ、何か色々見ると準1級配当なんだねこれ。

漢字辞典ネット様でも準1級になっているし、高橋・東大生なんかでは標準字体が「麵」、許容字体が「麪」となっている。
標準字体しか載っていない「完全征服」を主に見ていたためか、気がつかなかった。

四熟辞典の「麪市塩車」の項には、「「麪」は「麵」とも書く」との注記もあったはずだが、それでも「麵」と「麪」は別の字だと思い込んでいた。


漢和辞典を見ると、「麪」が正字で「麵」は俗字としているものが多い。

「麪」の成り立ちとしては形声文字で、例えば漢語林には
音符の丏 メンは、綿に通じ、つながるの意味。練って糸状に連なるむぎこの意味を表す。
とある。


」という、特徴ある字というか形、これは何なのか。
これが見出し字として載っていたのは漢辞海・新明漢・新選漢和・漢字源。
以下、新明漢より。
 読み=ベン・メン・おお(う)
 字義=おおう・かくす・見えない・矢を防ぐ低い土塀
 字源=象形、人の顔をおおっている形

音と、「人の顔をおおっている形」というところで「面」とのつながりも感じられるが、手持ちの漢和辞典を見る限りでは「丏」と「面」は丸っきり無関係のようだ。
ということは、「麪」と「麵」は旧字と新字という関係でもなく、それだったらどっちか一つでいいのに…


ともあれ、今さらながらこっちの記事を訂正しておく。

posted by 並句郎 at 19:40| 漢字 | 更新情報をチェックする

2013年10月13日

準1級配当漢字 懷古寫眞舘193 「椛」

堀端の
kaiko193.JPG



大阪城。
撮影は1986年。
紅葉の季節に旅行をしたことがあまり無いので、こんな写真しか無いが…


「完全征服」によると「椛」は国字で、読みは訓読みの「もみじ」のみ。

漢和辞典を見てもその通りで、当然、熟語は見当たらない。


この字は「樺」の略字・俗字などとも書かれている。
なるほど、「華」と「花」が似たようなものだと思えば、「樺」も「椛」も同じ、と言えないことも無い、かな?
「樺」には「もみじ」の字義は無さそうだが。
で、新選漢和には特殊な読み方をする苗字として「椛沢(かばさわ)」が挙げられている。
おー、「椛沢」って一発変換できた。


一方、旺文社漢和には「とも書く」とある。
その「栬」を辞書で見ると、こちらは国字ではなく、原義は「小さなくい(新選漢和)」とのことだが、国訓として「もみじ」がある。

どちらにしても、木が「花」のように「色」づいたのがもみじ、という、分かりやすい字。

しかし、だとすると、「もみじ」には既に「はな」の意味が含まれているのだから、「はなもみじ」なんて言い方は変なんじゃないかと思った。
が、国語辞書には載っていた。

はなもみじ【花紅葉】
春の桜と秋の紅葉。春秋の美しい自然の眺め。


そういうことなのか。
「花のような紅葉」ではなく、「花と紅葉」なんだね。
納得した。

posted by 並句郎 at 20:14|   寫眞舘各記事 | 更新情報をチェックする

2013年10月08日

漢字源

漢字源.JPG1988年初版、2002年改訂新版発行の
学習研究社「漢字源」をBOOKOFFで入手。
例によって100円、ではなく、350円。

ほぼ新品状態。

今後このブログでは「漢字源」と呼ぶ。


帯がついていた↓(クリックで拡大)
漢字源帯.JPG
曰く「最強の漢字情報量」と。
「量」は「強弱」ではなく「多少」じゃないのか、と思わないでもないが。
で、12,600という親字数が売りのようで、確かに自分の手持ちの中では最多。
熟語は約75,000語で、これも多分最多。

ちなみに最新の改訂第5版の親字は17,000字らしい。
際限が無いね。

同じく帯にある、別冊「新・人名用漢字一覧」は付いてなかった。


巻頭の「編者のことば」によると、この辞書は学研大漢和字典のコンパクト判とのこと。
その大漢和字典は図書館で見たことある気がする。
現行版の定価は普及版でも9,240円という代物。
確かにあれは、ちょっとした調べ物をするにはでか過ぎる。


中身は、パッと見た感じ、オーソドックス。
小口に部首画数を明示したり、柱に部首索引(の一部)を載せたりと、引きやすくしようという工夫が目立つ。


帯にもあるが、本文中で目立つのが、[単語家族]という記号。
それが何なのかについて「この字典の使い方」にはあっさりと「同じ系統の漢字をまとめて解説した」とあるだけだが、巻末の解説文中に詳細がある。
長いので勝手にまとめてみると…
複数の漢字で、音符が同じか、音符は別でも音が同じか近似していれば、共通の基本義を持つ場合が多く、そういうグループが「単語家族」。
で、「漢語の解釈にはその点の理解を欠いてはならない」というほど重要なもの、らしい。
例示されているのが、青-清-晴-精-睛-請 … 星・晶 という「セイ・ショウ」という音の「単語家族」で、共通して「澄みきっている」という基本義を持っている、とのこと。
筆頭編者・藤堂博士の研究の結果ということだろう。
自分レベルでは、そう言われればそうかなー、という程度の理解しかできないが…



定点観測。

熟語「通信」は載っていたが、「鉄道」「電気」は無かった。

「灸」の[解字]。
「会意兼形声。「火+音符久(ながくつづく)」で、長くつづいてもえる火。」
「会意兼形声」という表現は初めて見たが、他にもこの「会意兼形声」とされている字がとても多い。
他の辞書で、単に「形声」となっていても音符に意味を持たせているケースが多いが、それを明示したということだろう。
良いことだと思う。
音符「久」の意味を「長くつづく」としているのも、手持ちの中ではこの辞書だけ。
字の成り立ちの典拠については書かれていないが、これも藤堂博士の見解だろうか。

「炙」の後熟語。
字義解説中に「燔炙」「膾炙」「親炙」があるものの、見出し語としては皆無。
「炙」に限らず、後熟語・逆引き熟語などというくくりは無し。
これは残念。



誕生日漢字は「」。
なんだこりゃ。
音読みで「セツ・セチ」。
訓読みは載ってないが、他の辞書を見ると、例解新漢和には「ふし・わりふ」、旺文社漢和にも「わりふ」が載っている。

[解字]を見ると、「人のひざまずいたさま」と「竹の節を両分したその片方」という別々の象形だったものが「のち混同された」とのこと。
同義の字として「節」が載っているし、「セツ」などの音や「わりふ」などの訓は、この竹の節云々から来ているのだろう。

[解字]が詳しいのもこの辞書の特徴のようだ。


正直なところ、学研という会社にあまり良いイメージは無かったのだが、この辞書の印象は良い。
今後大いに楽しませてもらおう。

posted by 並句郎 at 20:59| 漢字の周辺 | 更新情報をチェックする

2013年10月04日

準1級配当漢字 懷古寫眞舘192 「柑」

色の電車。
kaiko192.jpg


急行アルプス1号・こまがね1号。
新宿駅。
撮影は1986年。
ミカンの実と葉の色などと言われる、いわゆる“湘南色”。
だがWikipediaによるとそれは「後付けの説明」とのこと。
だとしてもミカン色と言って間違いは無いよね?
まあこの列車が走るのは、ミカンとは縁の無さそうな地方ではあるが。


「完全征服」によると「柑」の読みは、
 音読み=カン
 訓読み=みかん・こうじ

「柑」の一字でも「みかん」だったのか。
「こうじ」って何?


漢和辞典を見てみる。

「こうじ」は「麴」ではなく「柑子」で、ミカンの一種とのこと。
その柑子がこの字の原義だとしている辞書が多い。

「甘」は音符だが、もちろん「甘い」という意味付けもされている。
しかし例えば漢語林によると、柑子は普通のミカンより「酸味が強い」とのことなので、柑子の仲間だがより甘くて蜜が多いのが「蜜柑」なのだろうかね?

熟語はその「柑子」の他もミカン関係で「金柑」「柑橘類」など。

ほか、「拑・鉗・箝」などに通じて、「口を閉じる」などの意味や、それ関係の熟語を載せている辞書もあるが、漢検レベルならそこまで問われることは無さそうな気がする。

posted by 並句郎 at 22:50|   寫眞舘各記事 | 更新情報をチェックする

2013年10月01日

「魯西亜から来た日本人」

Image0003.JPG廣済堂出版
大島 幹雄 著
魯西亜から来た日本人 漂流民善六物語
(1996年10月15日 初版)


1793年に石巻から江戸へ向け出航した船が遭難し、アリューシャンの島に漂着し、あーしてこーして…
その乗組員のうち、善六という人物を中心にその後を追った話。

興味のある方は、取り合えずWikipediaの「善六」の項をどうぞ。
明らかにこの本を下敷きにしているようだが ^^


“漂流もの”は沢山読んできたので、その中のどこかにこの善六も登場していたと思うのだが、自分の頭の中では色んな話がごっちゃになっていて確かな記憶は無い。
が、善六を主人公にした話は初めて読んだはず。

書き方としては、物語半分・解説半分のような感じ。
「~ではないだろうか」とか「~に違いない」のような推定部分が多く、それならいっそ完全に小説・物語として書いてくれた方が良かった気もするが、少ない史料をもとに、あまり脚色せずに書こうとすればこういう形になるのも仕方ないか。
筆者の本職は物書きではなさそうだし。
だが文章自体は読み易い。
ただ、善六と筆者が同郷であるせいか、善六を好意的に見すぎているような気もしないでもない。


筆者が発見した史料などをもとに書かれているとのことだが、そこでふと思った。
善六本人は手記とか日記を残さなかったのだろうか。
元々はただの船乗りであるとは言え、漢字の読み書きが出来、ロシア語も会得している。
何かを書き残していると考えた方が自然だろう。
灰になっていない限り、今もどこかに眠っている、かも。

posted by 並句郎 at 21:24|   図書館本各記事 | 更新情報をチェックする