うめの花。
岡山の後楽園。
撮影は1987年。
「楳」なんて字は某漫画家の名前でしか見ない気がするが、ググってみると人名・地名・店名など色々ヒットする。
当たり前か ^^;
「完全征服」によると「楳」の読みは、
音読み=バイ
訓読み=うめ
漢和辞典を見ると、いずれも「梅」の項へ誘導され、
梅と“同字”(漢語林)だったり、
梅の“別体”(現代漢和)だったり、
梅の“異体字”(漢辞海)だったり。
で、“同字”や“別体”であるからして当然と言うべきか、「楳」と「梅」との使い分けについての記述は見当たらない。
だからと言って、
“楳酒”とか、
“楳干”とか、
“楳雨”とか書いてもいいものなのかどうか。
それぞれ日本語のページをぐぐっても、わずかしかヒットしない。
さて、前述の通り「楳」の音読みは「バイ」だが、しかし音符であるはずの「某」に「バイ」の音はあるのか? と思って漢和辞典を見ると、そもそも「某」こそが「梅」の“古字”(漢語林など)・“原字”(旺文社漢和など)とのこと。
で、「某」に「うめ」の字義を与えているのが手持ちの8冊中5冊で、その場合には「某」に「バイ」の音も載っている。
他の3冊では「某」の音は「ボウ(など)」だけ。
でもやっぱり「バイ」の音は「毎」から来てるよなぁ…
あ、でも「媒」とか「煤」は「バイ」だし、やっぱもともと「某」は「バイ」だったのか?
「某」に「うめ」の字義を与えていない辞書でさえ、例えば漢字源の[解字]では、「某」は「梅の本字」で、「なにがしの意味に用いるのは当て字」とある。
ということは、「某」はもともと「うめ」の意味で音は「バイ」だったものが、仮借で「なにがし」の意味になり音まで「ボウ」に取って代わられたのだろうか。
仮借はよく見るが、音まで乗っ取る/乗っ取られるっていうケースは多いのかな?
「媒」とか「煤」の字は、「某」に「バイ」の音がまだ残ってる時代に作られたってことだろうか。
ここはひとつ、楳図かずお先生の見解を伺ってみたいものだ ^^