
1996年初版、1997年初版第2刷発行の
大修館書店「
現代漢和辞典」を、
BOOKOFFで100円で入手。
奥付の脇におそらく前所有者の姓名が書いてある以外はほぼ新品状態。
今後このブログでは「
現代漢和」と呼ぶ。
漢語林も同じ大修館の発行だが、編著者は別人。
そもそも、漢語林では「著者」、現代漢和では「編者」となっている。
ちなみに、手持ちの漢和辞典のうち漢語林だけが「著者」、他は全部「編者」。
現代漢和の「序」には「(漢語林の著者の)
鎌田正先生に幾多の御助言と御教導を賜った」とあるので、漢語林とまったく無縁でもない、かも。
同じく「序」より。
「
本辞典は、漢字・漢語を日本文化の中核をなすものととらえ、特に日本における受容と展開という視点に立って編集したものである。所収の漢字約7千5百字と熟語約2万5千語とは、日本における言語文化の面から検討し、慎重に選び出した。特に熟語は、現代の社会生活において必要な漢語、および漢字表記が一般的である和語を中心としつつ、日本の古文献と漢籍中の基本的な漢語を収めた。」
…とのことで、“日本語色の強い漢和辞典”だろかね。
つーか、漢字辞典っぽい漢和辞典、かな?
それで「現代」を冠しているのか。
そのあたり、例えば漢辞海の「監修者のことば」に「
日本語の漢字語字典ではなく、古漢語字典」などと書いてあるのとは大きく異なる。
ちょっと比べてみた。
古漢語には無い語(=現代語)が掲載されているかどうか。
「鉄道」
<掲載有>
現代漢和・新選漢和
<掲載無> 漢辞海
(※)・旺文社漢和・漢語林・新明漢
「電気」
<掲載有>
現代漢和・漢語林
<掲載無> 漢辞海
(※)・旺文社漢和・新明漢・新選漢和
「通信」
<掲載有>
現代漢和・新明漢・新選漢和
<掲載無> 漢辞海
(※)・旺文社漢和・漢語林
(※) 「前熟語」として、解説の無い“その他の語”としては掲載あり「現代漢和」はいずれも掲載有り。
やはり特徴的だ。
「凡例」には「
現代の日本で日常的に用いられる漢字及び高等学校の漢文学習において必要な漢字」を親字とした、とあるし、その親字の収録数も少なめだし、文字は大きめだし、常用漢字には筆順が示されていたり、と、まあ高校生向けの辞書だろうか。
「
国語辞典のように簡単に引ける画期的な「熟語索引」を採用!」

…ってなことを外箱の裏一面で取り上げており、
これがウリなのだろう。 (クリックで拡大→)
その「熟語索引」は巻末の180ページを占めている。
熟語も、他の漢和辞典同様に一文字目の音訓索引からたどることもできるのだが、同音漢字は多いし、特に漢和辞典を引き慣れない人には「熟語索引」の方が良さそう。
あ、同音異字語の勉強に使えるかもね。
定点観測。
「灸」の[解字]で、「久」については音符としているだけで、意味付けは無し。
ざっと見たところ、常用漢字については音符の意味付けもされているようだ。
[解字]の根拠・出典は明示されていない。
「炙」の熟語については、「炙」の字義解説の中に「膾炙」と「親炙」が出てくるだけで、他には一切無し。
逆引き熟語(後熟語)については、「凡例」に「
この辞典に採録されている二字熟語のうち、常用漢字で構成される熟語について、その主なものを集めた」とあるので、常用外の「炙」は対象外。
蛇足。
「大修館」って「
たいしゅうかん」なんだね。
「
だいしゅうかん」かと思ってた。