漢検のサイトに載っている過去問が、いつの間にか新しくなっていた。
平成24年度の第1回分。
あれ、こないだ新しくなったばっかりだったような。
つーか、24年度の第1回って、直近だよね?
今後は直近問題が掲載されるようになるのか?
いや、それじゃ過去問集が売れなくなるから、今回だけかな?
常用漢字表が新しくなったからかな。
まあ、どーでもよい。
早速、準1級の問題をやってみた。
結果、179/200点。
なんか難しかったぞ。
準1級の勉強前を除いて、今までにやった本番・過去問・模擬問で最低点数…かと思ったが、以前一度174点だったことがあったので、今回は過去2番目の低い点数。
脳の劣化か、暑さのせいか、本当に難易度が高かったのか。
うーむ。
(今回間違った問題)→○正答 ×誤答 …感想
●音読み
一日(盤桓)して湖上の風景を望む。→○ばんかん ×ばんこう
…初めて見る語だ。
「盤」は「バン」としか読めない。
「桓」は桓武天皇の「桓」だから「カン」でいいのか、
いや、音符が「亘」だったら「コウ」と読むべきか…
迷った末、間違い。
「完全征服」によると「桓」に「コウ」の音は無い。
大辞林によると「盤桓」とは、
[1] あちらこちら歩きまわること。徘徊すること。
塁(そこ)を出でて―し、壁(そこ)に入つて跋扈(ばつこ)す〔出典: 三教指帰〕>
[2] 先に進まずにとどまること。
一日島内に―して湖上の風景を望み〔出典: 春窓綺話(早苗・逍遥・為之)〕
今回の問題は[2]の例文からの出題だろうか。
しかし、「歩き回ること」と「とどまること」が同じ「盤桓」なのか。
どゆこと?
大辞林の例文では「島内に盤桓」とあるし、
島のような、やや広さのある一地域にとどまって、その中を歩き回る、
ってことなのかな?
「盤」「桓」それぞれ漢和辞典で見てみたが、もう一つはっきりしない。
広大な田野を耕し、(刈穫)するに及ぶ。→○がいかく ×せんかく
…「刈」を「セン」と読みたくなるのは何故? 自分だけ? ^^;
「刈」は常用漢字だが、常用漢字表に音読みは無し。
表外読みで「カイ・ガイ」か。
漢和辞典によると、1級配当漢字の「乂」が音符。
(帥先)して難事に当たる。→○そっせん ×すいせん
…ええぇぇぇぇ・・・
まあ確かに、漢和辞典を見るとこれは「ソッセン」または「シュッセン」。
厳しいなぁ。
数多くの経典を(請来)した。→○しょうらい ×せいらい
…これは迷った。
だが「ショウライ」だと「招来」のような気がして、「セイライ」として不正解。
(柊葉)の状は芭蕉の如し。→○しゅうよう ×とうよう
…これも迷った。
「シュウ」のような気もしたが、「冬」に引っぱられて「トウ」として不正解。
これはしっかり覚えておかなきゃいかんね。
間違った問題が多いから長くなるな ^^;
ま、急ぐ理由も無いので、次回に続く。
2012年07月30日
漢検準1級 平成24年度第1回 その1
posted by 並句郎 at 23:32| 漢字
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2012年07月28日
準1級配当漢字 懷古寫眞舘143 「騨」
特急飛 驒。

高山駅。
岐阜県。
撮影は1981年。
列車名としては、今も昔も平仮名の「ひだ」。
標準字体は、つくりが「単」ではなく「單」の「驒」だが、記事タイトル部分では表示されないようなので「騨」にしている。
「完全征服」によると「驒」の読みは、
音読み=タン・タ・ダ
のみ。
訓読み無しか。
字義も分からない。
「飛驒」以外で見たことも無いし。
漢和辞典で字義を見てみる。
旺文社漢和より抜粋。
「連銭あしげ。白い銭形のまだらのある青黒色の馬。」
あと、「疲れあえぐさま。」のような意味も、旺文社漢和・漢語林・新選漢和には載っていた。
音符の「單」の意味を載せているものは無かった。
まあ「飛驒」だけ覚えておけばいいだろうが、漢検準1級満点対策としては、疲れてあえぐさまの「驒驒」も一応。
読みは「たんたん」。
ところで、そんな影の薄い字がなぜ「ひだ」の表記に使われたのか。
Wikipediaを見ると、「古くは「斐太」や「斐陀」と書いた」らしいが、「飛驒」の字を当てた理由ははっきり書いてない。
そこに出てくる“神馬”が、「驒」の字義通りの葦毛の馬だったのだろうか。

高山駅。
岐阜県。
撮影は1981年。
列車名としては、今も昔も平仮名の「ひだ」。
標準字体は、つくりが「単」ではなく「單」の「驒」だが、記事タイトル部分では表示されないようなので「騨」にしている。
「完全征服」によると「驒」の読みは、
音読み=タン・タ・ダ
のみ。
訓読み無しか。
字義も分からない。
「飛驒」以外で見たことも無いし。
漢和辞典で字義を見てみる。
旺文社漢和より抜粋。
「連銭あしげ。白い銭形のまだらのある青黒色の馬。」
あと、「疲れあえぐさま。」のような意味も、旺文社漢和・漢語林・新選漢和には載っていた。
音符の「單」の意味を載せているものは無かった。
まあ「飛驒」だけ覚えておけばいいだろうが、漢検準1級満点対策としては、疲れてあえぐさまの「驒驒」も一応。
読みは「たんたん」。
ところで、そんな影の薄い字がなぜ「ひだ」の表記に使われたのか。
Wikipediaを見ると、「古くは「斐太」や「斐陀」と書いた」らしいが、「飛驒」の字を当てた理由ははっきり書いてない。
そこに出てくる“神馬”が、「驒」の字義通りの葦毛の馬だったのだろうか。
posted by 並句郎 at 22:02| 寫眞舘各記事
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2012年07月25日
1級→2級配当漢字 「楷」
楷。
1級→2級配当漢字の17字目。
漢字辞典ネット様によると、読みは
【カイ】 のり、のっと(る) (【 】内は常用漢字表(PDF)掲載の音訓)
常用漢字表掲載の「例」は
楷書
準1級プラスでも
楷書
として載せている。
「楷書」以外、知らないな。
「楷」の意味も知らない。
「楷の木」って聞いたことあるような気もするが…
漢辞海によると、
黄連(オウレン)木。孔子の墓に植えられたので、孔木ともいう。
とのこと。
試しに「楷」で画像をググってみると、なんかきれいだ。
他の字義としては、模範・手本・正しい、などなど。
表外訓読みの「のり・のっとる」ってのは、「法」や「則」のことか。
音符「皆」について、漢語林でのみ意味付けがされている。
皆は、ならぶの意味。枝や幹の模様が正しく並ぶ木の名を表す。転じて、正しく整った手本の意味を表す。
とのこと。
Wikipediaを見ると確かに…
カイノキは直角に枝分かれすることや小葉がきれいに揃っていることから楷書にちなんで名付けられたとされる。
…とあるが、ん?
「楷書」が先、「楷の木」が後、なのか?
よく分からん。
1級→2級配当漢字の17字目。
漢字辞典ネット様によると、読みは
【カイ】 のり、のっと(る) (【 】内は常用漢字表(PDF)掲載の音訓)
常用漢字表掲載の「例」は
楷書
準1級プラスでも
楷書
として載せている。
「楷書」以外、知らないな。
「楷」の意味も知らない。
「楷の木」って聞いたことあるような気もするが…
漢辞海によると、
黄連(オウレン)木。孔子の墓に植えられたので、孔木ともいう。
とのこと。
試しに「楷」で画像をググってみると、なんかきれいだ。
他の字義としては、模範・手本・正しい、などなど。
表外訓読みの「のり・のっとる」ってのは、「法」や「則」のことか。
音符「皆」について、漢語林でのみ意味付けがされている。
皆は、ならぶの意味。枝や幹の模様が正しく並ぶ木の名を表す。転じて、正しく整った手本の意味を表す。
とのこと。
Wikipediaを見ると確かに…
カイノキは直角に枝分かれすることや小葉がきれいに揃っていることから楷書にちなんで名付けられたとされる。
…とあるが、ん?
「楷書」が先、「楷の木」が後、なのか?
よく分からん。
posted by 並句郎 at 23:24| 1級→2級配当漢字
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2012年07月24日
みかじめ
「みかじめ料」の「みかじめ」って何?
「み」は「御」かな?
「かじめ」は…
金具なんかを固着させる「かしめる」っていう語と関係あったり?
大辞泉より。
み‐かじめ【見ヶ〆】
管理・監督すること。後見をすること。「―料」
「父は死し、叔父仁介があとの ― をしていたうえに」〈火野・黄金部落〉
「御かじめ」じゃなかった ^^;
「~をしていた」という用例も載っているし、「みかじめ料」だけの言葉じゃないようだ。
漢字で書くと「見ヶ〆」かぁ。
あれ、「〆」って漢字だっけ??
漢検では対象外だと思うが、旺文社漢和・漢語林・新選漢和には載っていた。
「ノ」の部、部首以外1画=全2画、国字、とのこと。
一応、漢字という認識でいいのだろうかね?
で、ちょっとググると、「見」は見張る・見守る、「〆」は取り締まるの意、という記事があった。
「見ヶ〆」が当て字じゃないならその通りかと思う。
が、すると「ヶ」は何?
「&」みたいなこと?
「ヶ」ってそういう使い方したっけ???
ちと納得いかないが、ま、そーゆーことで。
「み」は「御」かな?
「かじめ」は…
金具なんかを固着させる「かしめる」っていう語と関係あったり?
大辞泉より。
み‐かじめ【見ヶ〆】
管理・監督すること。後見をすること。「―料」
「父は死し、叔父仁介があとの ― をしていたうえに」〈火野・黄金部落〉
「御かじめ」じゃなかった ^^;
「~をしていた」という用例も載っているし、「みかじめ料」だけの言葉じゃないようだ。
漢字で書くと「見ヶ〆」かぁ。
あれ、「〆」って漢字だっけ??
漢検では対象外だと思うが、旺文社漢和・漢語林・新選漢和には載っていた。
「ノ」の部、部首以外1画=全2画、国字、とのこと。
一応、漢字という認識でいいのだろうかね?
で、ちょっとググると、「見」は見張る・見守る、「〆」は取り締まるの意、という記事があった。
「見ヶ〆」が当て字じゃないならその通りかと思う。
が、すると「ヶ」は何?
「&」みたいなこと?
「ヶ」ってそういう使い方したっけ???
ちと納得いかないが、ま、そーゆーことで。
posted by 並句郎 at 23:09| 言葉・疑問
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2012年07月21日
準1級配当漢字 懷古寫眞舘142 「裳」
襟 裳 岬。

北海道。
撮影は1979年。
ここがあの“とんがったとこ”かぁ…
と、地図を思い浮かべずにはいられない所 ^^
「完全征服」によると「裳」の読みは、
音読み=ショウ
訓読み=も・もすそ
漢和辞典などを見ると、上半身につける「衣」に対し、下半身につけるのが「裳」。
上下あわせて「衣裳」。
漢語林による、音符の「尚」の意味付けは、
「尚は、長に通じ、ながいの意味。長いすそのスカートの意味を表す。」
いや、そこで「スカート」って言い切っちゃうのはちょっとどうなのか、と思わないでもないが。
ところで、「裳」の字が使われている地名って、他には思いつかない。
「モ」にあてる字と言えば、札幌では藻岩山の「藻」だし、他に多そうなのは「茂」だろうか。
襟裳で「裳」が使われているのは、「襟」と近いところで「裳」が連想されたのでは、と勝手に想像する。
「襟」と「裳」だけでは上半身の「衣」が抜けていて、姿を想像するとマヌケではあるが… ^^;
北海道。
撮影は1979年。
ここがあの“とんがったとこ”かぁ…
と、地図を思い浮かべずにはいられない所 ^^
「完全征服」によると「裳」の読みは、
音読み=ショウ
訓読み=も・もすそ
漢和辞典などを見ると、上半身につける「衣」に対し、下半身につけるのが「裳」。
上下あわせて「衣裳」。
漢語林による、音符の「尚」の意味付けは、
「尚は、長に通じ、ながいの意味。長いすそのスカートの意味を表す。」
いや、そこで「スカート」って言い切っちゃうのはちょっとどうなのか、と思わないでもないが。
ところで、「裳」の字が使われている地名って、他には思いつかない。
「モ」にあてる字と言えば、札幌では藻岩山の「藻」だし、他に多そうなのは「茂」だろうか。
襟裳で「裳」が使われているのは、「襟」と近いところで「裳」が連想されたのでは、と勝手に想像する。
「襟」と「裳」だけでは上半身の「衣」が抜けていて、姿を想像するとマヌケではあるが… ^^;
posted by 並句郎 at 23:25| 寫眞舘各記事
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2012年07月19日
1級→2級配当漢字 「曖」
曖。
1級→2級配当漢字の16字目。
漢字辞典ネット様によると、読みは
【アイ】 くら(い)・おお(う)・かげ(る)
(【 】内は常用漢字表(PDF)掲載の音訓)
常用漢字表掲載の「例」は
曖昧
準1級プラスでも
曖昧
として載せている。
まあ、普通は「曖昧」でしか使わない字だろう。
その片割れの「昧」も今度常用漢字になったが、従来は準1級配当。
「昧」の訓読みは、上記漢字辞典ネット様によると「くら(い)」のみ。
「曖」の方だけに「おお(う)」「かげ(る)」がある。
音符の「愛」については、漢語林でのみ次のように意味付けがされている。
「愛は、まといつくの意味。日に雲がまといつく、かげるの意味を表す。」
一方の「昧」の音符「未」については、
「未は、微に通じ、はっきり見えないの意味。夜あけがたの意味を表す。」
つまり、
「曖」は、太陽は出ているが雲が掛かっていて暗い、
「昧」は、太陽が出るか出ないかの頃なので暗い、
ってことだろうか。
そう考えると、「曖」の方だけに「おおう・かげる」があるのも納得できる。
さて。
「曖」は常用漢字になったので名付けにも使えるんだと思うが、確かに字面は悪くないものの、字義を考えると使うべきではないと思う。
が、野次馬根性でこっそりと "曖ちゃん" でググってみると…
ニックネームや2次元キャラかと思われるものもあるが、実在の人物名と思われるケースもちらほら。
いやいやいや、そこは素直に「愛ちゃん」にしておこうよ…
1級→2級配当漢字の16字目。
漢字辞典ネット様によると、読みは
【アイ】 くら(い)・おお(う)・かげ(る)
(【 】内は常用漢字表(PDF)掲載の音訓)
常用漢字表掲載の「例」は
曖昧
準1級プラスでも
曖昧
として載せている。
まあ、普通は「曖昧」でしか使わない字だろう。
その片割れの「昧」も今度常用漢字になったが、従来は準1級配当。
「昧」の訓読みは、上記漢字辞典ネット様によると「くら(い)」のみ。
「曖」の方だけに「おお(う)」「かげ(る)」がある。
音符の「愛」については、漢語林でのみ次のように意味付けがされている。
「愛は、まといつくの意味。日に雲がまといつく、かげるの意味を表す。」
一方の「昧」の音符「未」については、
「未は、微に通じ、はっきり見えないの意味。夜あけがたの意味を表す。」
つまり、
「曖」は、太陽は出ているが雲が掛かっていて暗い、
「昧」は、太陽が出るか出ないかの頃なので暗い、
ってことだろうか。
そう考えると、「曖」の方だけに「おおう・かげる」があるのも納得できる。
さて。
「曖」は常用漢字になったので名付けにも使えるんだと思うが、確かに字面は悪くないものの、字義を考えると使うべきではないと思う。
が、野次馬根性でこっそりと "曖ちゃん" でググってみると…
ニックネームや2次元キャラかと思われるものもあるが、実在の人物名と思われるケースもちらほら。
いやいやいや、そこは素直に「愛ちゃん」にしておこうよ…
posted by 並句郎 at 23:29| 1級→2級配当漢字
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2012年07月16日
甲板
甲板。
子供の頃から、これは「かんぱん」と読むものだと思っていた。
で、後になって「こうはん」という読み方もあるのだ、と知った。
どっちでもいい、という理解で今までいたが、今読んでいる本にも「甲板」が出てくるので、この際もうちょっと調べてみようか、と。
まず、国語辞典。
大辞泉 「かんぱん」→「こうはん」へ誘導
大辞林 「こうはん」→「かんぱん」へ誘導
早くも見解の相違が…
次に漢和辞典。
知りたいのは現代日本での読み方なので、漢和辞典ではお門違いかとも思うが一応。
「甲」の項の「甲板」を見てみると、手持ちの5冊いずれも「カンパン」「コウハン」両方の読みを載せている。
が、その順番について、五十音順なら「カンパン」が先のはずだが、「コウハン」が先になっているのが、旺文社漢和・漢辞海・新選漢和。
その理由までは書いてないが、何らかの意味があるのだろう。
なお、「甲」の「カン」という音は、いずれの辞書でも“慣用音”とのこと。
次に、類語例解辞典より。
甲板(かんぱん)/デッキ
「甲板(かんぱん)」が、最も一般的な語。
[関連語] ◆(甲板)(こうはん)
「甲板(かんぱん)」のことだが、他の語と結びつけて使われる。
「甲板員」「甲板室」
一般には「かんぱん」だが、他の語と結びつく場合は「こうはん」か?
次に、日本大百科全書より。
甲板(こうはん)
船舶用語。デッキdeckともいい、一般には「かんぱん」とよばれる。
“船舶用語”では「こうはん」、一般には「かんぱん」か?
次に、NHK放送文化研究所の ことば(放送用語) > 放送現場の疑問・視聴者の疑問 > 「甲板」「甲板員」の読み方は? より。
「甲板」は[カンパン]、「甲板員」は[コーハンイン]
・関係者は普通[コーハン]と読む
・一般社会では[カンパン]と読む慣用が強い
・NHKでは、単に「甲板」なら[カンパン」、
「甲板員」「甲板長」などの職名は[コーハンイン][コーハンチョー]と読む
なるほど。
以上、ざっくりまとめると…
・一般的には「かんぱん」
・専門的には「こうはん」
・他の語と結びつく場合は「こうはん」
かな。
試しに、「甲板」で始まる語・「甲板」で終わる語 を大辞泉で見てみる。
「甲板室」など「甲板」で始まる語はすべて「こうはん」。
「主甲板」など「甲板」で終わる語は、あれれ、「かんぱん」優勢か?
他の語と結びつく場合でも、
「甲板」が先なら「こうはん」
「甲板」が後なら「かんぱん」、なのか???
結論。
業界関係者ならば業界標準に従うべし。
そうでない場合は、もうどうでもよい ^^
なお、常用漢字「甲」の音読みは、コウ・カン。
「甲板」以外に「カン」と読むケースは、「甲高い」など。
「甲冑」などの「カッ」は「カン」が変化したもの… ではなく、漢辞海によると、
「「カッ」は日本語になじまない「カフ」の発音を避けて促音化したもの。」
…とのこと。
子供の頃から、これは「かんぱん」と読むものだと思っていた。
で、後になって「こうはん」という読み方もあるのだ、と知った。
どっちでもいい、という理解で今までいたが、今読んでいる本にも「甲板」が出てくるので、この際もうちょっと調べてみようか、と。
まず、国語辞典。
大辞泉 「かんぱん」→「こうはん」へ誘導
大辞林 「こうはん」→「かんぱん」へ誘導
早くも見解の相違が…
次に漢和辞典。
知りたいのは現代日本での読み方なので、漢和辞典ではお門違いかとも思うが一応。
「甲」の項の「甲板」を見てみると、手持ちの5冊いずれも「カンパン」「コウハン」両方の読みを載せている。
が、その順番について、五十音順なら「カンパン」が先のはずだが、「コウハン」が先になっているのが、旺文社漢和・漢辞海・新選漢和。
その理由までは書いてないが、何らかの意味があるのだろう。
なお、「甲」の「カン」という音は、いずれの辞書でも“慣用音”とのこと。
次に、類語例解辞典より。
甲板(かんぱん)/デッキ
「甲板(かんぱん)」が、最も一般的な語。
[関連語] ◆(甲板)(こうはん)
「甲板(かんぱん)」のことだが、他の語と結びつけて使われる。
「甲板員」「甲板室」
一般には「かんぱん」だが、他の語と結びつく場合は「こうはん」か?
次に、日本大百科全書より。
甲板(こうはん)
船舶用語。デッキdeckともいい、一般には「かんぱん」とよばれる。
“船舶用語”では「こうはん」、一般には「かんぱん」か?
次に、NHK放送文化研究所の ことば(放送用語) > 放送現場の疑問・視聴者の疑問 > 「甲板」「甲板員」の読み方は? より。
「甲板」は[カンパン]、「甲板員」は[コーハンイン]
・関係者は普通[コーハン]と読む
・一般社会では[カンパン]と読む慣用が強い
・NHKでは、単に「甲板」なら[カンパン」、
「甲板員」「甲板長」などの職名は[コーハンイン][コーハンチョー]と読む
なるほど。
以上、ざっくりまとめると…
・一般的には「かんぱん」
・専門的には「こうはん」
・他の語と結びつく場合は「こうはん」
かな。
試しに、「甲板」で始まる語・「甲板」で終わる語 を大辞泉で見てみる。
「甲板室」など「甲板」で始まる語はすべて「こうはん」。
「主甲板」など「甲板」で終わる語は、あれれ、「かんぱん」優勢か?
他の語と結びつく場合でも、
「甲板」が先なら「こうはん」
「甲板」が後なら「かんぱん」、なのか???
結論。
業界関係者ならば業界標準に従うべし。
そうでない場合は、もうどうでもよい ^^
なお、常用漢字「甲」の音読みは、コウ・カン。
「甲板」以外に「カン」と読むケースは、「甲高い」など。
「甲冑」などの「カッ」は「カン」が変化したもの… ではなく、漢辞海によると、
「「カッ」は日本語になじまない「カフ」の発音を避けて促音化したもの。」
…とのこと。
posted by 並句郎 at 23:31| 言葉・疑問
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2012年07月13日
準1級配当漢字 懷古寫眞舘141 「猪」
猪 谷駅。

いのたに駅。
富山県。
撮影は1981年。
当時は細入村。
現在は… 富山市!
へー、こんな山奥まで富山市になったのか。
隣の駅は岐阜県という、富山県の南端の駅。
「完全征服」によると「猪」の読みは、
音読み=チョ
訓読み=い・いのしし
「猪突猛進」という知られた四字熟語もあるし、何よりアントニオ氏のおかげで、この字を知らない人はいないだろう。
まあ、常用か、と言われればそれほどでもない気もするが、昨日の「摯」が常用で「猪」が常用外というのは、やはり解せない。
漢和辞典を見ると、辞典によって書き方に差はあるが、この字は本来はブタを指すようだ。
漢辞海でははっきりと、この字をイノシシとするのは日本語用法だと書いている。
「猪突猛進」も和製漢語とのこと。
つーか、イノシシとブタの違いがよく分からない。
Wikipediaによると、イノシシを家畜化したものがブタらしい。
音符の「者」については、新選漢和と漢辞海で意味付けがされている。
新選漢和より。
「者には一箇所に集まるという意味を含む。猪は、一箇所の毛穴から三本ずつ毛の生えているものという。」
「一箇所から三本」が本当なのかは知らないが、漢字を作る時、そんな小さな特徴に注目するものだろうか?
後付け・こじつけなんじゃないの~? と、かなり疑問ではある。
いのたに駅。
富山県。
撮影は1981年。
当時は細入村。
現在は… 富山市!
へー、こんな山奥まで富山市になったのか。
隣の駅は岐阜県という、富山県の南端の駅。
「完全征服」によると「猪」の読みは、
音読み=チョ
訓読み=い・いのしし
「猪突猛進」という知られた四字熟語もあるし、何よりアントニオ氏のおかげで、この字を知らない人はいないだろう。
まあ、常用か、と言われればそれほどでもない気もするが、昨日の「摯」が常用で「猪」が常用外というのは、やはり解せない。
漢和辞典を見ると、辞典によって書き方に差はあるが、この字は本来はブタを指すようだ。
漢辞海でははっきりと、この字をイノシシとするのは日本語用法だと書いている。
「猪突猛進」も和製漢語とのこと。
つーか、イノシシとブタの違いがよく分からない。
Wikipediaによると、イノシシを家畜化したものがブタらしい。
音符の「者」については、新選漢和と漢辞海で意味付けがされている。
新選漢和より。
「者には一箇所に集まるという意味を含む。猪は、一箇所の毛穴から三本ずつ毛の生えているものという。」
「一箇所から三本」が本当なのかは知らないが、漢字を作る時、そんな小さな特徴に注目するものだろうか?
後付け・こじつけなんじゃないの~? と、かなり疑問ではある。
posted by 並句郎 at 23:47| 寫眞舘各記事
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2012年07月12日
1級→2級配当漢字 「摯」
摯。
1級→2級配当漢字の15字目。
漢字辞典ネット様によると、読みは
【シ】 と(る)・にえ・まこと・あら(い) (【 】内は常用漢字表(PDF)掲載の音訓)
常用漢字表掲載の「例」は
真摯
準1級プラスでも
真摯
として載せている。
「真摯」以外に見たことは無いが、漢字辞典ネット様による「摯」の訓読み(表外読み)は上記の通り、と(る)・にえ・まこと・あら(い)。
新明漢によると、それぞれ
とる=取
にえ=贄
まこと=真
あらい=荒
が、“現代表記”とされている。
「真摯」の「摯」はもちろん「まこと」の意味だから、漢検2級の「熟語の構成」問題なら「同じような意味の漢字を重ねたもの」ってことになるのだろう。
それ以外の訓は、素人目には脈絡も無く覚えにくい。
漢和辞典を見ても熟語は多くはない。
この「1級→2級配当漢字」にありがちなパターンだが、「摯」も「真摯」という熟語のためだけに常用漢字になったのだろう。
それだったら、常用漢字よりも「常用熟語」を定めた方がいいんじゃないかと思う。
で、「摯」は常用漢字からは外し、「真摯」を常用熟語とする。
で、漢検2級の出題範囲は、常用漢字と常用熟語とする。
そうすれば、漢検2級で「摯」が出題されるとしても「真摯」の読み書きだけ、と決まり、常識的だろう。
まあ「常用熟語」を定めるとなれば、色々と手続き的なことが大変ではあろうが。
つーか、そんなことしなくても、漢検2級で「真摯」以外に「摯」が出題されるとは思えないが。
準1級では… どうかな?
1級での出題実績は… どうなの??
1級→2級配当漢字の15字目。
漢字辞典ネット様によると、読みは
【シ】 と(る)・にえ・まこと・あら(い) (【 】内は常用漢字表(PDF)掲載の音訓)
常用漢字表掲載の「例」は
真摯
準1級プラスでも
真摯
として載せている。
「真摯」以外に見たことは無いが、漢字辞典ネット様による「摯」の訓読み(表外読み)は上記の通り、と(る)・にえ・まこと・あら(い)。
新明漢によると、それぞれ
とる=取
にえ=贄
まこと=真
あらい=荒
が、“現代表記”とされている。
「真摯」の「摯」はもちろん「まこと」の意味だから、漢検2級の「熟語の構成」問題なら「同じような意味の漢字を重ねたもの」ってことになるのだろう。
それ以外の訓は、素人目には脈絡も無く覚えにくい。
漢和辞典を見ても熟語は多くはない。
この「1級→2級配当漢字」にありがちなパターンだが、「摯」も「真摯」という熟語のためだけに常用漢字になったのだろう。
それだったら、常用漢字よりも「常用熟語」を定めた方がいいんじゃないかと思う。
で、「摯」は常用漢字からは外し、「真摯」を常用熟語とする。
で、漢検2級の出題範囲は、常用漢字と常用熟語とする。
そうすれば、漢検2級で「摯」が出題されるとしても「真摯」の読み書きだけ、と決まり、常識的だろう。
まあ「常用熟語」を定めるとなれば、色々と手続き的なことが大変ではあろうが。
つーか、そんなことしなくても、漢検2級で「真摯」以外に「摯」が出題されるとは思えないが。
準1級では… どうかな?
1級での出題実績は… どうなの??
posted by 並句郎 at 23:06| 1級→2級配当漢字
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2012年07月10日
「復讐する海」
集英社
ナサニエル・フィルブリック 著、相原真理子 訳
復讐する海 捕鯨船エセックス号の悲劇
(2003年12月10日 第1刷発行)
1820年に太平洋で鯨に襲われて難破した、アメリカの捕鯨船の実話。
「序文」と「エピローグ」を除き全14章だが、第5章で難破する。
つまり、難破後の苦闘が物語のメイン。
こういう難破・漂流ものは主に日本の話を沢山読んでいて“免疫”があったせいか、この本に対して格別な感想は無いが、まあやっぱり大変な物語。
食料が無くてやむを得ず、死んだ仲間の肉を食べたり、それでも足りずにまだ生きている仲間を殺して食べたり、といったあたりは、日本の漂流ものではあまり見なかった気がする。
もちろん、どちらが良い悪いの話ではない。
良い悪い、と言えば、捕鯨について。
以前にも書いたが、昔の欧米人は盛んに捕鯨をしていたのに、今は日本の捕鯨に反対ってのはどーなの?と思わずにはいられない。
ま、別に捕鯨の是非を問う本でもないので、普通に物語として面白く読める。
いや、実話だし、面白がっちゃ不謹慎だろうか。
これが実話として伝わっているということは、つまり生還者がいたということで、全員が犠牲になった数多の難破よりは幸運だったのかも知れないが。
ナサニエル・フィルブリック 著、相原真理子 訳
復讐する海 捕鯨船エセックス号の悲劇
(2003年12月10日 第1刷発行)
1820年に太平洋で鯨に襲われて難破した、アメリカの捕鯨船の実話。
「序文」と「エピローグ」を除き全14章だが、第5章で難破する。
つまり、難破後の苦闘が物語のメイン。
こういう難破・漂流ものは主に日本の話を沢山読んでいて“免疫”があったせいか、この本に対して格別な感想は無いが、まあやっぱり大変な物語。
食料が無くてやむを得ず、死んだ仲間の肉を食べたり、それでも足りずにまだ生きている仲間を殺して食べたり、といったあたりは、日本の漂流ものではあまり見なかった気がする。
もちろん、どちらが良い悪いの話ではない。
良い悪い、と言えば、捕鯨について。
以前にも書いたが、昔の欧米人は盛んに捕鯨をしていたのに、今は日本の捕鯨に反対ってのはどーなの?と思わずにはいられない。
ま、別に捕鯨の是非を問う本でもないので、普通に物語として面白く読める。
いや、実話だし、面白がっちゃ不謹慎だろうか。
これが実話として伝わっているということは、つまり生還者がいたということで、全員が犠牲になった数多の難破よりは幸運だったのかも知れないが。
posted by 並句郎 at 22:22| 図書館本各記事
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