
1963年初版、1995年第6版、2000年第6版〈2色刷〉第2刷の
小学館「
新選漢和辞典」を、例によってBOOKOFFで100円で入手。
今後「
新選漢和」と呼ぶことにする。
新明漢と同時に購入。
最近、BOOKOFFの100円の棚に辞書類が並ぶようになった。
札幌南2条店だけなのか、他店でもそうなのか知らないが。
ざっと見てみる。
親字数は11,350とのこと。
目立つのは、各ページの「柱」と呼ばれる部分。
右ページなら右の、左ページなら左の、欄外スペース。
ここに、例えば4画の部首のページなら4画の部首がズラーっと並んでいて、その中で現ページの部首の位置が示されている。
言葉では分かりにくいと思うので、
小学館のこちらのページ参照。
「部首検索ナビゲーター(部首ナビ)」というらしい。
こんな感じ。これはいいね。
部首索引を見て目的のページに直行する場合には必要無いが、部首の画数だけを頼りにいきなり本文ページを開いて探す時に使える。
それと。
簡体字(「中国新字体」と称している)が見出し字(親字)として載っている。
例えば、木へんに「示」の字が見出し字にある。
が、解説は無く、
「「標」の中国新字体」とされているだけだが。
これはどうなんだろね。
まあ、そういう要望?提案?があったからこそ載ってるんだろう。
個人的には邪魔でしかないが。
なお、「中国新旧字体対照表」ってのもあるのだが、これがなんと発音順になっている。
中国語の発音なんて知らんがな。
それもこれも中国語を勉強してる人向けなんだろうけど。
さらに見ていくと…
ん?
なんか、見出し字の並び方が変??
部首順~画数順、までは普通なのだが、さらにその同部首・同画数の中での並びが…
「学習漢字、学習漢字以外の常用漢字、人名用漢字、その他の漢字(表外字)、中国新字体、国字の順」とのこと。
なんだそりゃ。
ある字を引く時に、いちいち学習漢字か否か、常用か否かなんて意識してないっての。
完全に小中学生向けの辞書ならまだいいかも知れないが、そういうわけでもないのに。
さらにさらに。
熟語の並びが、2字目の画数順になっている。
例えば「概」の熟語だと、
概見(がいけん)
概念(がいねん)
概況(がいきょう)
概括(がいかつ)
概要(がいよう)…
これも普通の辞書なら五十音順になっているところだ。
…と思ったら、この点では新明漢も同じだった。
が、熟語を引く時にいちいち2字目の画数を数えなきゃならんってのはちょっとどーなのか。
そりゃ、読めない場合には画数順の方が親切かも知れないが…
定点観測。
「灸」について。
音符がどうこうといった解説は無し。
常用漢字などについては[解字]として解説しているが、「灸」は常用外なので無し。
[解字]がある場合には、音符にも意味を持たせている。
「主として「説文解字」により(中略)日本の説なども参照して、その原義を記した」とのこと。
「炙」について。
「逆引熟語」として、
親炙
膾炙
が載っているのはいいが、2語だけ?
旺文社漢和や
新明漢では7語載っていたが。
逆引熟語については、
「常用熟語を掲げた」とある。
「常用熟語」って何??
常用漢字だけからなる熟語か?
いや、「膾」は常用外だし、単に「常用されている熟語」ってことだろうか。
んー…
というわけでこの新選漢和。
「部首ナビ」はいいのだが、それ以外がどうも、いや、かなり、個人的には気に入らない。
最新版は第8版のようで、それではどうなってるのか分からないが。
肝心の字義解説がどうなのかは追い追い見ていく。