2011年10月31日

一切合切

一切合切

ダイソー四字熟語辞典によると、意味は
何もかもすべて。


この場合の「」って何?

漢和辞典によると「切」の音読みは漢音の「セツ」と呉音の「サイ」があり、「セツ」の読みでは「きる」をはじめ多くの意味があるが、「サイ」と読んだ時の意味は少ない。

旺文社漢和辞典によると、
おおよそ。すべて。

漢辞海によると、
多い。


「すべて」と「多い」じゃ別の概念だと思うが、それはともかく。

「切」が「すべて・多い」だとして、
「一切」って「一つの すべてor多く のもの」?
「合切」って「すべてor多く を合わせたもの」?

よく分からないが、「一切」はもちろん「合切」だけでも国語辞書に載っている。
共に「すべて」ってこと。


「一切」とか「合切」の形になって初めて、理由は分からないが「すべて」って意味が生じ、その熟語の一部であるから「切」の字にも「すべて」という意味が、言わば後付けで説明されてるんじゃないかと想像。

まあ、そんなどうでもいいことは考えずに、「一切・合切」イコール「すべて」、と単純に理解しておくのが、学者でもない身としては正解だろうね ^^;

posted by 並句郎 at 22:44| 言葉・疑問 | 更新情報をチェックする

2011年10月28日

準1級配当漢字 懷古寫眞舘104 「鰯」

雲。
kaiko104.JPG

札幌市。

撮影日は不明。
割と最近、2000年以降のいつかの朝。

鰯雲と鱗雲は同じものらしい。
Wikipediaによると、正式(?)には巻積雲、なのかな?

さらに、

巻積雲の雲形は、高積雲のそれとよく似ており、判別が難しい。

とのことなので、この写真の雲が巻積雲なのか、本当に鰯雲と呼んでいいのかは不明。


ま、鰯雲だとして。

なぜこれが鰯雲なのか。
鰯の群れのようだからってことだと思うが、大辞林の「鰯雲」を見ると、

〔補説〕 漁師仲間で、イワシの大漁の前兆とするからとも、形がイワシの群れのように見えるからともいう

とある。
鰯の大漁の前兆、か。
そうなんですか? ちょっとそこの漁師さん ^^


さて、漢字として見てみると、まず音読みが分からないな。
「完全征服」や漢和辞典によると音読みは無し。
訓読みの「いわし」のみ。
国字か。

なぜ 魚+弱 なのかというと、弱い魚だからだと聞いたことがあるが、Wikipediaを見るとその説に否定的な見方もある、と。
ほか、中国で「鰯」の字が使われることもある、とか、
ロシア語のイヴァシーは日本語からの借用だ、など。
ふーん。

posted by 並句郎 at 23:03|   寫眞舘各記事 | 更新情報をチェックする

2011年10月26日

「日本の奇勝百景」

東方出版
中西栄一 写真・文
日本の奇勝百景
(2004年8月26日 初版第1刷発行)


A5判と小さいが、写真集。
タイトル通り100ヶ所のカラー写真とごく簡単な説明。

大は富士山から、小は口径2mのポットホール(甌穴)までの、主に自然の風景。

しかし、富士山が“奇勝”なのだろうか…
…と思って国語辞書を見ると、

きしょう【奇勝】
2 珍しい景色。すばらしい景色。景勝。



単純な「すばらしい景色」って意味もあるんだね。
でもこの本では「珍しい景色」の方が多いけど。


何より、当たり前だが、ピントがきっちりかっちり合った写真が美しい。
懷古寫眞舘のゆるゆるな写真と比べると尚更 ^^;

posted by 並句郎 at 22:24|   図書館本各記事 | 更新情報をチェックする

2011年10月25日

連綿語

「光彩陸離」のところでちょっと書いた。

この「連綿語」という言葉、実は以前から漢辞海で、各漢字の語義の解説のところで時々見かけていたのだが、大して気にしていなかった。
「陸離」のように、漢字2文字で意味を持つ語なんだろう、と想像していただけ。

もうちょっと突っ込んで調べてみる。


国語辞書には載ってない。


漢辞海に出てくるのだから、と、漢辞海で「連」の項を見ると、熟語「連綿」の“関連語”として載っていた。


【連綿語】
ふつう漢字はそれ自体一音節の語として固有の意味をもつが、二音節(二つの漢字)を連ねてはじめて一語(一つの意味)となる語のこと。聯綿語。
[注]本書では、
同じ字が重なる「畳字」(洋洋・区区など)、
子音が同じである「双声」(参差
シンシ・恍惚コウコツなど)、
母音が同じである「畳韻」(荒唐・仿佛
ホウフツなど)、
非双声・非畳韻である「連綿」(狼狽
ロウバイ・滂沱ボウダなど)、
外来語の音訳語である「外来」(葡萄
ブドウ・琵琶ビワなど)の五つに区分して示す。
→付録「漢字について」参照。




参照せよという「漢字について」からも抜粋。


日本語の「シトシト」「サラサラ」のような音の連続に意味があるオノマトペに相当する「連綿語」がある。
それぞれの漢字は基本的には連綿語自体の意味には非関与的であり、ただ音を仮に表示するだけの働きをしているに過ぎない。したがって連綿語を形成している漢字は単に音を表すだけのいわゆる当て字としての働きをするだけである。
漢字二字によってただ一つの意味を担うだけである。




なるほど。
早い話が「当て字」か。
それも、意味を無視して、音だけで当てた字。
だから例えば「陸離」を「陸」と「離」に分解して漢和辞典で調べてみても無駄だ、と。
納得した。


ちなみに、旺文社漢和辞典の「連」の項には「連綿語」は載ってない。
巻末付録の解説ページにも「連綿語」という語は見当たらない。
が、その概念の解説は載っている。

興味のある方は、お手もとの漢和辞典の解説ページを見てみて下さい。


ちなみにWikipedia

もひとつちなみにググってみると、約 1,430 件。
少ないな。
割と特殊な語なのか??
それとももっと一般的な言い方があるのだろうか?

posted by 並句郎 at 22:53| 言葉・疑問 | 更新情報をチェックする

2011年10月21日

準1級配当漢字 懷古寫眞舘103 「鱗」

雲。
kaiko103.JPG


男鹿半島、門前の海岸。
秋田県。
撮影は1991年。

「鱗」は、意符「魚」と音符「」からなる形声文字。

だが、旺文社漢和辞典によると、「粦」には音だけでなく「となりあう意→隣リン」という意味もあるようだ。
なるほど、隣り合って沢山並んでいるのがウロコってことだろうか。

「鱗○」という形の熟語になると、意味としては「うろこのような○○」ってのが多いが、中で目についたのが「鱗鴻(りんこう)」。
意味は「手紙」。
こんな語は知らなかったが、「鱗」も「鴻」も準1級配当だし、漢検で出題され、る、、、かな?
いや、国語辞書を見ても載ってないし、やっぱ出題されないかな?
過去の出題例はあるのだろうか?


なお、「完全征服」によると「鱗」の読みは
 音読み=リン
 訓読み=うろこ
だけ。

posted by 並句郎 at 22:45|   寫眞舘各記事 | 更新情報をチェックする

2011年10月19日

「チベット侵略鉄道」

集英社
アブラム・ラストガーテン 著、戸田裕之 訳
チベット侵略鉄道 中国の野望とチベットの悲劇
(2008年11月30日 第1刷発行)


著者はアメリカのジャーナリスト。
原題は「CHINA'S GREAT TRAIN」。
原題だと中共の喜びそうな本に見えるが、実際は日本語のタイトル・サブタイトルの通り。
鉄道に限らず、チベットの色んな“悲劇”が書かれている。


袖・帯より抜粋。

「チベットの奴隷状態をよく伝える一冊である」=「カーカス・レヴュー」誌

「青蔵鉄道開通は“チベット二度目の侵略”の完了であり、“文化の虐殺”の始まりである」=ダライ・ラマ14世

「チベット鉄道の開通は“第二次チベット侵攻”でもあった」=池上彰



あらら、池上さん、そんなこと言っちゃって大丈夫ですか?
身辺にはご注意あれ。


南雲智氏による「解説」より、ちと長くなるが抜粋。
▼(P314)
各民族を繁栄させる事業の主体があくまでも中国共産党と政府であるかぎり、その政策は少数民族の立場から実行されることはない。否応なしに少数民族地域に多数の漢族とその文化、資本が流入し、漢族主体の社会構造へ質的転換が生じ始める。一例を挙げれば、中国語が話せない少数民族の人間は社会的地位を約束されず、富の分配にも預かれない仕組みが生まれているのである。その行き着く先は漢族への同化現象にほかならない。


だから、例えば鉄道の開通でチベットの経済が成長したとか言っても、それはそこに移り住んだ漢族によるもので、受益者も漢族であって、ごく一部の例外を除いてチベット民族の所得向上や繁栄には結びつかない。
それどころか、チベット民族とその文化の消滅につながる、ということ。
その“漢族への同化”を受け入れられない人たちは、抗議行動を起こして投獄・処刑されるか、でなければ命がけでヒマラヤを越えてネパールやインドへと脱出する。
そしてその脱北者ならぬ“脱中者”を銃撃までして取り締まる中共の警備隊…

冗談のような話だが、しかし昔のことではない。
チベットの都、ラサに通ずる鉄道の起工は2001年。
開通は2006年。
そしてつい最近にも、四川省でのことではあるが、中共に抗議するチベット族のデモや焼身自殺があった。


で、そうした社会的な問題の他、鉄道自体もヤバいことになっている。
不安定な凍土帯に無茶なスケジュールで建設されたため、開通から日も浅いのに既に基礎の沈下やら亀裂やらが発生しているとのこと。
それが原因なのかは書いてないが、脱線やら衝突やらの事故も起きていて死者も出ている、と。

まあ、人の少ない土地なので、どんな事故が起きても人目にはつきにくいだろう。
心置きなく、事故車両を埋めてしまうこともできる。
いや、穴を掘る重機の搬入は難しそうだから、線路脇にほったらかしかな。
シートでもかけて、通過する乗客から見えないようにさえしておけば、夏場に凍土が融けてゆるんでズブズブと沈んで見えなくなる、かも?
埋める手間が省けてよかったねぇ中共さん ^^



チベットについては、今までも断片的に何かの記事を読んだりすることはあったが、まとまった1冊の本を読むのは初めて。
感想を一言で言えば「案の定」かね。

よく言われる(のか?)ように、「中国は大きな北朝鮮」。
うんっっっざり。
そういう国に未だにODAを拠出している日本政府に対しても、ね。

あ、本としては悪くないけどね。
うんざりしたいかたにはおすすめ ^^

チベットの人たちには頑張って下さいとしか言いようが無い。
日本も決して他人事じゃないけどね…

posted by 並句郎 at 23:06|   図書館本各記事 | 更新情報をチェックする

2011年10月17日

光彩陸離

光彩陸離
こうさいりくり。


ダイソー四字熟語辞典によると意味は
光が美しく乱れ輝き、まばゆいばかりなさま。

解説に
「陸離」はきらきら輝くさま。

とある。


「光彩陸離」については、「光彩」を書く問題として2009年度第2回の漢検準1級で出題されたのをネットで見て、その時不正解だったのでよく覚えている。

しかし今あらためて見てみて、「陸離」がどうして「輝くさま」なのかが分からない。


旺文社漢和辞典を見てみる。
「陸」の語義の一つに、
きらきらと美しいさま。
とあるが、
「離」では、
あきらか(明)。
というのがそれらしいと言えばそれらしいかな、っていう程度。

次に漢辞海を見てみる。
「陸」の語義の一つに、
連綿語の構成要素。「陸続」「陸離」「陸梁」「陸陸」
とあるが、「きらきら」のような語義は載ってない。
つまり、あくまで「陸離」の2文字セットで「きらきら」のような意味を持つ、という解釈かな。
(「連綿語」についてはまた後日調べようと思う。)(→調べました)

で、「離」の方にはやっぱり「きらきら」のような語義は載ってない。


結論。
「陸離」は、「陸地」とも「離れること」とも無関係。
字義からは考えにくいが、「陸離」の2文字で「きらきら」。
問答無用、そう納得するしか無い。
そういうことかな?
posted by 並句郎 at 19:51| 言葉・疑問 | 更新情報をチェックする

2011年10月14日

準1級配当漢字 懷古寫眞舘102 「塞」

がれた窓。
kaiko102.jpg


旧国鉄士幌線 十勝三股駅舎。
北海道。
撮影は1980年8月。

以前、バスの十勝三股駅待合所の写真を載せたが、こちらは鉄道の駅だった建物。

1978年の暮れに鉄道は休止になっている。
塞ぎ板もまだ新しいような。


「塞」の読みは「完全征服」によると、
 音読み = ソク・サイ
 訓読み = ふさ(ぐ)・せ(く)・み(ちる)・とりで


「み(ちる)」って何だっけ?
「塞」を漢和辞典で見ると、「ふさぐ」などの他に「みちる・みたす・つまる・いっぱいになる」などの字義がある。
何かがつまっていっぱいになって「みちる」と「ふさがる」、「みたしてふさぐ」ってことか。

「充塞」満ちふさがること。いっぱいになって余地がなくなること。

とか、

「填塞」満たしてふさぐこと。また、満ちふさがること。

などの熟語もある。
が、しかしこの場合、「みちる」の意味は「充・填」が受け持っていて、「塞」はやっぱり「ふさぐ・ふさがる」のような気もするが…

posted by 並句郎 at 22:02|   寫眞舘各記事 | 更新情報をチェックする

2011年10月12日

「地図もウソをつく」

文春新書 651
竹内正浩 著
地図もウソをつく
(2008年8月20日 第1刷発行)


地図について色々なエピソードなどを書いた、ありがちと言えばありがちな本。
だが、初めて聞く話が多くて面白かった。

日本だけでなく世界の地図ネタもある。
主に戦争に絡めての話だが。

ただ、新書の悲しさ、掲載されている地図が小さく、しかもモノクロ。
要所は拡大されているものの…
仕方ないね。


著者は愛知県生まれだが北海道大学卒業とのことで、北海道ネタがこっそりと多い、ような ^^;
札幌の碁盤目の町割りが、都心部と南西部で微妙にズレてる理由(後述)とか、
炭鉱町・大夕張の盛衰とか、
恵庭岳の等高線表記の変遷とか。
北方領土についても。


▼(P16)
渡島半島南西部の旧松前藩領は、明治初期には一時津軽海峡を挟んだ弘前県や青森県に属していた。


へー。それは知らなかった。


▼(P18)
(札幌の)街路がずれた原因は、札幌本府が方位磁石を基準にしたため西に9度ほど傾いているのに対して、山鼻屯田が、北極星を基準にしたためといわれている。


それも知らなかった。


▼(P63)
多くの韓国の地図においては、ソウルの北にある軍事分界線付近の道路や鉄道線は、まるでなにごともなかったかのように北に向かって延びている。縮尺にもよるが、分界線そのものが記入されていない地図も少なくない。


国家の分断という現実を見たくない気持ちは分からなくもないが、それは経緯線のように目には見えない線などではなく、物理的にも存在する線で、しかも誰でもが存在を知っているのに、それを見て見ぬふり、無い事にしてしまう、というのは、いかにも…だなぁと思ってしまう。


▼(P122~123)
メルカトル図法は(中略)近年に至るまで学校の地理教育の場で広く用いられてきた。(中略)
メルカトル図法の地図では、ユーラシア大陸中心部の4分の3以上をソ連一国で占めている印象を受ける。(中略)
面積というのはいちばんわかりやすいイメージで伝わる。だからこそ、世界観を最初に形成する子どもたちに、面積を極端に歪めるメルカトル図法の地図を与えることは、有害にすらなりうると断じざるをえないのだ。



なるほど。
ソ連を実際以上に強大に見せるメルカトル図法を学校教育で用いたのは、ある種の連中の陰謀だったのかも…??


▼(P176)
北方領土が還る日は来るのだろうか。


来ません。
ごくわずかな望みも、民主党政権によって断たれてしまいました。


▼(P198)(あとがき)
嗚呼、地図に関しては、まだまだ書ききれないエピソードが多すぎる。


続編を期待してますよ ^^

posted by 並句郎 at 18:33|   図書館本各記事 | 更新情報をチェックする

2011年10月10日

校訂

岩波文庫の「新訂 福翁自伝」の校訂者は富田正文氏ということだが、「校訂」って何?

大辞泉。

書物の本文を、異本と照合したり語学的に検討したりして、よりよい形に訂正すること。


なるほど。
そういえば「福翁自伝」の巻末に、校訂者・富田氏が色々書いていたような。
漢字表記をどうする、かな遣いをどうする、小見出しをどうする、などなど。


「完全征服」によると「校」の読みは
 音読み  … コウ
 訓読み  … (無し)
 表外読み … キョウ・かせ・かんが(える)・くら(べる)・あぜ

…すると「校訂」の「校」は「くら(べる)」かな?
しかし旺文社漢和辞典を見ると、「校」の字義解説の中では「くらべる。」ではなく、「ただす。訂正する。」の意味の熟語例として「校訂」が載っている。

ちなみに、「校訂」と似た意味の熟語として、
 校閲
 校勘
 校合(きょうごう・こうごう)
 校理
 校讎(こうしゅう)
 校対(こうたい)
 校書
 校正
 校定
…などがあるようだ。

この中でよく見るのは「校閲」と「校正」ぐらい?

国語辞書も見た上で自分なりに使い分けるなら…

 校閲 … 一つの文書だけを見て、内容や言葉などのチェックをすること
 校正 … 二つの文書を比べて間違い探しをすること
 校訂 … ある文書について、原本や過去の版と比べつつ、表記法を整理すること

こんな感じ?

posted by 並句郎 at 18:07| 言葉・疑問 | 更新情報をチェックする