2010年05月31日




先日の「独」を漢和辞典で調べている時に、近くに「狭」の字があるのを見て、これも何故けものへんなんだろ?と思った。


旺文社漢和辞典。

陜が本字。阜(=阝。犭は誤った形。山の意)と夾コウ(はさまる意)とで、山あいのせまい土地。ひいて「せまい」意を表す。


本来「阝」のところが誤って「犭」なのか。

一方、漢辞海は、と思って見てみると、字の[なりたち]の解説が無い。
漢辞海って、常用漢字にさえ[なりたち]が書いてないことがある。
何故か知らないが。

なので、一応他の辞典もあたってみようと、図書館に行ってきた。


●大修館書店「大漢和辞典」
なりたちの解説無し。

●大修館書店「新漢和辞典」
「狹は、陜・峽の俗字で、誤って狹に書かれたものという。陜・峽は、阝・山が意符、夾が音符で、また、はさむ意を表す。山と山とにはさまれたせまい土地のこと。引いて、せまい意に用い、狹をその専用字とした。」

●新潮社「新潮日本語漢字辞典」
「犬+夾。夾は両脇に人を抱える形で、狭の意がある。狭いけもの道をいう。」

●平凡社「字通」
「夾は腋下に人を挟む形で、狭の意がある。字が犬に従うのは、狭いけもの道の意であろう。」

●学研「新漢和大字典」
「夾は、大きな人の両わきを、小さな人がはさんださまを示す会意文字。狹は「犬+夾」で、両わきをはさまれてせまいこと。」


夫々の微妙な違いが興味深いが、「はさまれて狭い」のはほぼ共通している。
問題は、
・誤り説
・けもの道説

のどちらなのか。

最初から「けもの道」を意識して「犭」をあてたのか、それとも、
最初は単純な誤りで「犭」と書き、後付けで「けもの道説」が出てきたのか…


新史料の発見でも無い限り、こりゃもう永遠の謎だろうね。

posted by 並句郎 at 12:34| 漢字 | 更新情報をチェックする