ちょっと気が向いて、漢検サイトの2級の過去問をやってみた。
結果、190点。
この数字は…
準1級合格者としては高いのか低いのか…
まず、なんつったって部首問題が難しい。
配点10点のところ、マイナス4点という惨状。
「穀」の部首が「禾」で、
「殻」の部首が「殳」とか…
自分の成績が悪いから言うわけじゃない(つもりだ ^^; )が、こういう問題はちょっとどうなのかと思う。
部首以外で間違えたのは、書き問題3問。
・「禁欲」の対義語「きょうらく」
正解「享楽」
誤答「亨楽」
→つい、準1級配当の「亨」を書いてしまった。
「享」と「亨」の区別が出来てないな。
・四字熟語 「うんでい万里」
正解「雲泥」
誤答「雲程」
→もちろん「雲泥」は思いついたのだが、
「雲泥」が「万里」じゃ意味が通らないと思った。
準1級の「鵬程万里」の仲間かと類推して「雲程」としたが不正解。
・書き問題「ホウヨウ力の豊かな人」
正解「包容」
誤答「抱容」
→同音異義語の問題。
「ホウヨウを交わして云々」というのとペアになっている。
そこで「抱擁」を書いた勢いで、次の「包」を「抱」としてしまった。
まだまだ色々と修行が足らんね ^^;
部首以外は満点を取りたいものだ。
2010年02月24日
臣
臣。
「完全征服」(第3版第1刷)の表紙・裏表紙の見開き部分(「見返し」の「遊び紙」と言うようだ)に、部首索引がある。
そこを見ていて気がついた。
部首としての「臣」が、6画と7画の両方に、上下に並んで載っている。
誤植か? と思ったが、漢和辞典を見てもやはり6画と7画の両方に載っている。
「さんずい」や「くさかんむり」なども同様なのは知っていたが、「臣」については今まで気がつかなかった。
「完全征服」でたまたま上下に並んでたので“発見”できた。
例えば「さんずい」は元々「水」だから見た目と画数が違うのは分かるが、見た目が全く変わらずにこういうケースというのは、他には… 無さそう?
漢和辞典で文字としての「臣」の項を見ると、元々6画だが常用漢字では7画、と書いてある。
しかし部首としての「臣」は6画の扱い。
なんじゃそりゃ ^^;
やっぱ辞書としては“元々”の伝統を大事にしてるのかね。
部首としても7画にしている辞書もあるかも知れないが。
「臣」は7画で、「臥」は8画だとは。
何かの意地悪問題で出てきそうだ。
「完全征服」(第3版第1刷)の表紙・裏表紙の見開き部分(「見返し」の「遊び紙」と言うようだ)に、部首索引がある。
そこを見ていて気がついた。
部首としての「臣」が、6画と7画の両方に、上下に並んで載っている。
誤植か? と思ったが、漢和辞典を見てもやはり6画と7画の両方に載っている。
「さんずい」や「くさかんむり」なども同様なのは知っていたが、「臣」については今まで気がつかなかった。
「完全征服」でたまたま上下に並んでたので“発見”できた。
例えば「さんずい」は元々「水」だから見た目と画数が違うのは分かるが、見た目が全く変わらずにこういうケースというのは、他には… 無さそう?
漢和辞典で文字としての「臣」の項を見ると、元々6画だが常用漢字では7画、と書いてある。
しかし部首としての「臣」は6画の扱い。
なんじゃそりゃ ^^;
やっぱ辞書としては“元々”の伝統を大事にしてるのかね。
部首としても7画にしている辞書もあるかも知れないが。
「臣」は7画で、「臥」は8画だとは。
何かの意地悪問題で出てきそうだ。
posted by 並句郎 at 11:36| 漢字
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2010年02月23日
詫・詑
詫・詑。
ともに漢検準1級配当漢字。
今さらだが、個人的に混同しやすい字なので整理しておく。
各字、漢字辞典ネット様のリンク参照。
詫 タ、わび、わ(びる)、ほこ(る)
詑 タ、あざむ(く)
漢検準1級ならここまででいいのだが…
準1級プラスに「わび(しい)」として「侘」の字を載せている。
そのせいで先日の「詫び状」を書く問題では間違えてしまった。
侘 タ、ほこ(る)、わ(びる)、わび(しい)、わび
旺文社漢和辞典に、
「わび」は「佗」とも書くが誤りとされる。
おわびする意には「詫」を用いる。
とある。
「佗」は1級の字。
佗 タ、イ、ほか、にな(う)、みだ(す)、わび、わび(しい)、わ(びる)
漢辞海に、
「侘」の代用。
室町時代以降、「侘」と「佗」が、字形の類似により、混用された。
とある。
旺文社漢和辞典には
「他」の本字。
とあるので、やはりこの字には本来「わび(しい)」などの読み・意味は無いのだろう。
以上、まとめると…
おわびする場合は「詫」、
わびしい・わびさび等の場合は「侘」推奨、ということになるか。
蛇足。
「完全征服」には載ってないので漢検で出題されることも無いと思うが、漢和辞典には「詫」の国訓として「かこ(つ)」の読みが載っている。
「かこ(つ)」と言えば、常用漢字「託」の表外読みにある。
これまたややこしい。
さらに蛇足。
「詑」の字が、旺文社漢和辞典に載ってない。
なんらかの理由で切られたのか、でなければ、佗・詫・侘などに紛れて見落とされたのか…
ともに漢検準1級配当漢字。
今さらだが、個人的に混同しやすい字なので整理しておく。
各字、漢字辞典ネット様のリンク参照。
詫 タ、わび、わ(びる)、ほこ(る)
詑 タ、あざむ(く)
漢検準1級ならここまででいいのだが…
準1級プラスに「わび(しい)」として「侘」の字を載せている。
そのせいで先日の「詫び状」を書く問題では間違えてしまった。
侘 タ、ほこ(る)、わ(びる)、わび(しい)、わび
旺文社漢和辞典に、
「わび」は「佗」とも書くが誤りとされる。
おわびする意には「詫」を用いる。
とある。
「佗」は1級の字。
佗 タ、イ、ほか、にな(う)、みだ(す)、わび、わび(しい)、わ(びる)
漢辞海に、
「侘」の代用。
室町時代以降、「侘」と「佗」が、字形の類似により、混用された。
とある。
旺文社漢和辞典には
「他」の本字。
とあるので、やはりこの字には本来「わび(しい)」などの読み・意味は無いのだろう。
以上、まとめると…
おわびする場合は「詫」、
わびしい・わびさび等の場合は「侘」推奨、ということになるか。
蛇足。
「完全征服」には載ってないので漢検で出題されることも無いと思うが、漢和辞典には「詫」の国訓として「かこ(つ)」の読みが載っている。
「かこ(つ)」と言えば、常用漢字「託」の表外読みにある。
これまたややこしい。
さらに蛇足。
「詑」の字が、旺文社漢和辞典に載ってない。
なんらかの理由で切られたのか、でなければ、佗・詫・侘などに紛れて見落とされたのか…
posted by 並句郎 at 12:53| 漢字
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2010年02月22日
KChecker
LSI様によるフリーソフト、KChecker。
漢検チェッカー、なのか、
漢字チェッカー、なのか、
漢検漢字級チェッカー、なのか分からないが、とにかく、
KCheckerは、漢字が漢字検定の何級に配当されているかを調べることができるソフトです。
とのこと。
LSI様のサイトはこちら「LSI漢字の館」。
窓の杜の紹介記事が分かりやすい。
これは面白そうだってんで、早速使ってみた。
なるほどなるほど。
操作は簡単。
で、これを使って何をする?
試しに、漢検風の文章題を作ってみた。
元ネタは青空文庫の中から適当に、芥川龍之介の「あばばばば」の一節。
これをKCheckerで「準1級を色付きで表示する」でチェック。
で、色付きになった箇所をカナにして、問題完成。
こりゃ簡単だ。
そーか。
漢検の文章題もこうやって作ってる… わけは無い、と思うが ^^;
しかし、正解見ながら自分で作って自分で解くってのも、ちょっと、ね。
誰か沢山作って公開してくれないかなーと他力本願。
自分で作っても、何ヶ月か放置してから解けば新鮮味があるかな?
ま、とりあえず今回の問題。
(1)~(11)のカタカナを漢字に直せ。
保吉は (1)ジライ 半年ばかり、学校へ通ふ往復に度たびこの店へ買ひ物に寄つた。もう今では目をつぶつても、はつきりこの店を思ひ出すことが出来る。天井の (2)ハリ からぶら下つたのは (3)カマクラ のハムに違ひない。欄間の色硝子は (4)シックイ 塗りの壁へ緑色の日の光を映してゐる。板張りの床に散らかつたのはコンデンスド・ミルクの広告であらう。正面の柱には時計の下に大きい日暦がかかつてゐる。その外(ほか)飾り窓の中の軍艦 (5)ミカサ も、金線サイダアのポスタアも、 (6)イス も、電話も、自転車も、スコツトランドのウイスキイも、アメリカの乾し (7)ブドウ も、マニラの葉巻も、エヂプトの紙巻も、燻製の鰊も、牛肉の大和煮も、 (8)ホトン ど見覚えのないものはない。殊に高い勘定台の後ろに仏頂面を (9)サラ した主人は飽き飽きするほど見慣れてゐる。いや、見慣れてゐるばかりではない。彼は如何(いか)に (10)セキ をするか、如何に小僧に命令をするか、ココアを一罐買ふにしても、「Fry よりはこちらになさい。これはオランダの Droste です」などと、如何に客を悩ませるか、――主人の一挙一動さへ (11)コトゴト くとうに心得てゐる。
-正解-
(1) 爾来
(2) 梁
(3) 鎌倉
(4) 漆喰
(5) 三笠
(6) 椅子
(7) 葡萄
(8) 殆
(9) 曝
(10) 咳
(11) 悉
****************************************
2010.2.23 追記
LSI様のブログのコメント欄に一言ご挨拶を、と思ったのだが、
なぜかIEのエラーになって書き込めない。
なのでこの場で御礼申し上げます。
楽しく且つ使えるソフトを公開していただきまして有難うございます <(_"_)>
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漢検チェッカー、なのか、
漢字チェッカー、なのか、
漢検漢字級チェッカー、なのか分からないが、とにかく、
KCheckerは、漢字が漢字検定の何級に配当されているかを調べることができるソフトです。
とのこと。
LSI様のサイトはこちら「LSI漢字の館」。
窓の杜の紹介記事が分かりやすい。
これは面白そうだってんで、早速使ってみた。
なるほどなるほど。
操作は簡単。
で、これを使って何をする?
試しに、漢検風の文章題を作ってみた。
元ネタは青空文庫の中から適当に、芥川龍之介の「あばばばば」の一節。
これをKCheckerで「準1級を色付きで表示する」でチェック。
で、色付きになった箇所をカナにして、問題完成。
こりゃ簡単だ。
そーか。
漢検の文章題もこうやって作ってる… わけは無い、と思うが ^^;
しかし、正解見ながら自分で作って自分で解くってのも、ちょっと、ね。
誰か沢山作って公開してくれないかなーと他力本願。
自分で作っても、何ヶ月か放置してから解けば新鮮味があるかな?
ま、とりあえず今回の問題。
(1)~(11)のカタカナを漢字に直せ。
保吉は (1)ジライ 半年ばかり、学校へ通ふ往復に度たびこの店へ買ひ物に寄つた。もう今では目をつぶつても、はつきりこの店を思ひ出すことが出来る。天井の (2)ハリ からぶら下つたのは (3)カマクラ のハムに違ひない。欄間の色硝子は (4)シックイ 塗りの壁へ緑色の日の光を映してゐる。板張りの床に散らかつたのはコンデンスド・ミルクの広告であらう。正面の柱には時計の下に大きい日暦がかかつてゐる。その外(ほか)飾り窓の中の軍艦 (5)ミカサ も、金線サイダアのポスタアも、 (6)イス も、電話も、自転車も、スコツトランドのウイスキイも、アメリカの乾し (7)ブドウ も、マニラの葉巻も、エヂプトの紙巻も、燻製の鰊も、牛肉の大和煮も、 (8)ホトン ど見覚えのないものはない。殊に高い勘定台の後ろに仏頂面を (9)サラ した主人は飽き飽きするほど見慣れてゐる。いや、見慣れてゐるばかりではない。彼は如何(いか)に (10)セキ をするか、如何に小僧に命令をするか、ココアを一罐買ふにしても、「Fry よりはこちらになさい。これはオランダの Droste です」などと、如何に客を悩ませるか、――主人の一挙一動さへ (11)コトゴト くとうに心得てゐる。
-正解-
(1) 爾来
(2) 梁
(3) 鎌倉
(4) 漆喰
(5) 三笠
(6) 椅子
(7) 葡萄
(8) 殆
(9) 曝
(10) 咳
(11) 悉
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2010.2.23 追記
LSI様のブログのコメント欄に一言ご挨拶を、と思ったのだが、
なぜかIEのエラーになって書き込めない。
なのでこの場で御礼申し上げます。
楽しく且つ使えるソフトを公開していただきまして有難うございます <(_"_)>
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posted by 並句郎 at 11:13| 漢字の周辺
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2010年02月21日
完全征服の書き問題
先日の「『完全征服』の読み問題を書き問題に」に引き続き、完全征服の純正の書き問題をやってみた。
同音異字・同訓異字を含めて全350問。
間違えたのが13問。
正答率96%か。
この数字はどーなんだろ?
高いのか低いのか…
実際の受検直前でも100%ではなかったと思うので、悪くはない数字だと思うが。
間違えた問題と…【正解】と→誤答。
ソバを食べる ……………………………………………【蕎麦】 →「蒿」麦
オダてられる ……………………………………………【煽】 →「扇」を「扁」に
ワび状 ……………………………………………………【詫】 →「侘」
ヤクジに親しむ …………………………………………【薬餌】 →薬「匙」
センカクは鶴の雅称 ……………………………………【仙客】 →「遷」客
鋸をヒく …………………………………………………【挽】 →「樵」
カンボクな石仏 …………………………………………【簡朴】 →「閑」朴
スイレンの花 ……………………………………………【睡蓮】 →「水」蓮
教育者のキカン …………………………………………【亀鑑】 →「基幹」
会長にスイタイされる …………………………………【推戴】 →推「載」
キキョウな振る舞い ……………………………………【奇矯】 →奇「嬌」
コンコンと眠る …………………………………………【昏昏】 →(降参)
イラだつ …………………………………………………【苛】 →(降参)
「薬餌」「簡朴」「亀鑑」なんかは受検当時から苦手だった。
その他は当時だったら正解してたと思うのだが…
やっぱ復習してないとダメだね。
完全征服は常に“完全征服状態”にしておきたいものだ。
同音異字・同訓異字を含めて全350問。
間違えたのが13問。
正答率96%か。
この数字はどーなんだろ?
高いのか低いのか…
実際の受検直前でも100%ではなかったと思うので、悪くはない数字だと思うが。
間違えた問題と…【正解】と→誤答。
ソバを食べる ……………………………………………【蕎麦】 →「蒿」麦
オダてられる ……………………………………………【煽】 →「扇」を「扁」に
ワび状 ……………………………………………………【詫】 →「侘」
ヤクジに親しむ …………………………………………【薬餌】 →薬「匙」
センカクは鶴の雅称 ……………………………………【仙客】 →「遷」客
鋸をヒく …………………………………………………【挽】 →「樵」
カンボクな石仏 …………………………………………【簡朴】 →「閑」朴
スイレンの花 ……………………………………………【睡蓮】 →「水」蓮
教育者のキカン …………………………………………【亀鑑】 →「基幹」
会長にスイタイされる …………………………………【推戴】 →推「載」
キキョウな振る舞い ……………………………………【奇矯】 →奇「嬌」
コンコンと眠る …………………………………………【昏昏】 →(降参)
イラだつ …………………………………………………【苛】 →(降参)
「薬餌」「簡朴」「亀鑑」なんかは受検当時から苦手だった。
その他は当時だったら正解してたと思うのだが…
やっぱ復習してないとダメだね。
完全征服は常に“完全征服状態”にしておきたいものだ。
posted by 並句郎 at 13:44| 漢字
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2010年02月19日
示へん
先日の「祈祷」を書いてから、もう少し「しめすへん」に関して調べてみた。
漢検準1級配当で「しめすへん」の字は次の7字。

「しめすへん」は、「完全征服」の「漢字音訓表」によると、
上の4字が「示」、下の3字が「ネ」となっている。
Wikipediaの「示部」の「ネと示」によると、
日本の印刷書体では戦後の新字体において「ネ」形が採用された。しかし、これは常用漢字表内のみの適用であり、表外字については規定がなかったので、「示」にしたり、「ネ」にしたりする混乱が起きた。
そこで2000年の「表外漢字字体表」において表外字は基本的に康熙字典体(「示」)に従うことが決められた。
最初に挙げた7字は、準1級配当なのでいずれも表外字。
ならば全て「示」になるはずでは?
「祐・禄・禎」が「ネ」になっているのは何故か?
そこでその「表外漢字字体表」を見てみる。
ここの、ここ。
なるほど、ここには前掲上段の4字が「示」の字体で載っている。
「祐・禄・禎」の3字の掲載は無い。
漢検の標準字体はこれに従っているのだろう。
「完全征服」の表をよく見ると、「示」の4字には、印刷標準字体を表す☆マークがついている。
「表外漢字字体表」は、表外漢字の全てが載っているわけではない(そりゃそうだ ^^;)
「使用頻度の高い表外漢字を対象漢字として取り上げた」
とあり、漢検準1級配当の“目安”とされるJIS第1水準とは無関係なようだ。
なので、漢検の標準字体の中でも「示」と「ネ」の2種が混在するややこしい事態になったのだろう。
いっそ「表外漢字字体表」なんてものは定めず、「表外漢字は全て「示」とする」、のように決めてくれれば良かったのだが。
まあ、ことは「しめすへん」だけの問題じゃないからそうもいかないが。
一方で、
「表外漢字字体表は(中略)印刷文字を対象として示すものである」
ともある。
ならば、筆記試験である漢検ではこれに従う必要は無い気もする。
まあ、漢検としては何かそういう公的な“よりどころ”が欲しかったのだろう。
その結果、迷惑するのは受検者なわけだが…
漢検準1級配当で「しめすへん」の字は次の7字。

「しめすへん」は、「完全征服」の「漢字音訓表」によると、
上の4字が「示」、下の3字が「ネ」となっている。
Wikipediaの「示部」の「ネと示」によると、
日本の印刷書体では戦後の新字体において「ネ」形が採用された。しかし、これは常用漢字表内のみの適用であり、表外字については規定がなかったので、「示」にしたり、「ネ」にしたりする混乱が起きた。
そこで2000年の「表外漢字字体表」において表外字は基本的に康熙字典体(「示」)に従うことが決められた。
最初に挙げた7字は、準1級配当なのでいずれも表外字。
ならば全て「示」になるはずでは?
「祐・禄・禎」が「ネ」になっているのは何故か?
そこでその「表外漢字字体表」を見てみる。
ここの、ここ。
なるほど、ここには前掲上段の4字が「示」の字体で載っている。
「祐・禄・禎」の3字の掲載は無い。
漢検の標準字体はこれに従っているのだろう。
「完全征服」の表をよく見ると、「示」の4字には、印刷標準字体を表す☆マークがついている。
「表外漢字字体表」は、表外漢字の全てが載っているわけではない(そりゃそうだ ^^;)
「使用頻度の高い表外漢字を対象漢字として取り上げた」
とあり、漢検準1級配当の“目安”とされるJIS第1水準とは無関係なようだ。
なので、漢検の標準字体の中でも「示」と「ネ」の2種が混在するややこしい事態になったのだろう。
いっそ「表外漢字字体表」なんてものは定めず、「表外漢字は全て「示」とする」、のように決めてくれれば良かったのだが。
まあ、ことは「しめすへん」だけの問題じゃないからそうもいかないが。
一方で、
「表外漢字字体表は(中略)印刷文字を対象として示すものである」
ともある。
ならば、筆記試験である漢検ではこれに従う必要は無い気もする。
まあ、漢検としては何かそういう公的な“よりどころ”が欲しかったのだろう。
その結果、迷惑するのは受検者なわけだが…
posted by 並句郎 at 12:15| 漢字
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2010年02月18日
無心
実際のところ、ママに無心したのかどうかは知らないが ^^
何故「無心」と言うのだろう?
国語辞典や漢和辞典を見ても、由来・語源は書いてなかった。
で、色々ググってみたところ…
くろご式 慣用句辞典様
1.思慮分別のないことを言うという意味で、相手の迷惑をも顧(かえり)みないで依頼する。
2.特に、親などに遠慮なく金品を強請(ねだ)る。
無心 = 思慮分別のないこと、か。
確かに、「心無い」と言い換えればまさにその通りだ。
しかし、だとしても、それならば、
「無心に金品をねだる」
などの言い方になるべきところなのでは?
「金品」も「ねだる」も省いて
「無心する」 イコール 「金品をねだる」
ってのは、なんつーか、あまりにも直接的と言うか、身も蓋も無いと言うか…
やっぱ人間にとって一番大事なのは金だ!
この世は金!
金がすべて!
…そういうことなのかな。
ま、正直でよろしい ^^
何故「無心」と言うのだろう?
国語辞典や漢和辞典を見ても、由来・語源は書いてなかった。
で、色々ググってみたところ…
くろご式 慣用句辞典様
1.思慮分別のないことを言うという意味で、相手の迷惑をも顧(かえり)みないで依頼する。
2.特に、親などに遠慮なく金品を強請(ねだ)る。
無心 = 思慮分別のないこと、か。
確かに、「心無い」と言い換えればまさにその通りだ。
しかし、だとしても、それならば、
「無心に金品をねだる」
などの言い方になるべきところなのでは?
「金品」も「ねだる」も省いて
「無心する」 イコール 「金品をねだる」
ってのは、なんつーか、あまりにも直接的と言うか、身も蓋も無いと言うか…
やっぱ人間にとって一番大事なのは金だ!
この世は金!
金がすべて!
…そういうことなのかな。
ま、正直でよろしい ^^
posted by 並句郎 at 11:56| 言葉・疑問
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2010年02月17日
「人名用漢字の新字旧字:「玻」は常用平易か」完結
先日ご紹介した 三省堂Word-Wise Web の連載記事
「人名用漢字の新字旧字:「玻」は常用平易か」 が、
予想より早く ^^; 第6回で完結した。
で、ちょっと誤解していたようだ。
「玻」を常用漢字に追加しろ、と、親が訴えているのかと思ったが、そうではないっぽい。
「玻南」の名の出生届が受理されなかった
↓
その処分取り消しが家裁・高裁で棄却された
↓
今、最高裁
…ということのようなので、必ずしも“常用漢字に追加しろと訴えている”わけではなさそう。
「玻南」が受理されさえすれば、人名用漢字でもいいのだろう。多分。
しかし、だったら、「常用漢字に追加しろ」と国語審議会に意見したのは尚更いただけない。
前にもちょっと書いたが、そんなのはやや極端に言えば、目的のためには手段を選ばないテロリストと同じだ。
意見した中に両親が含まれていたのかどうかは、はっきり分からないが。
でも、ま、人名用漢字ならいいんじゃないの?
で、人名用漢字にするにしても、“常用平易”であるか否かが問題で、その点が今、最高裁の判断待ちということのようだ。
常用平易、ねぇ。
まず、字体は平易だと言っていいだろう。
読みも、「ヒ」とも読まれるかもしれないが、おそらく大方の人は「ハ」と読むだろう。
しかし“常用”とは言えないでしょ。
きっちり線引きできる概念ではないが、それにしたって無理がある。
でもまあ他の人名用漢字を見ると「なんだこりゃ?」ってのもあるし、そこに「玻」を追加することが無茶だとは思えない。
つまり、常用平易とは言えないが、人名用漢字に追加するのはOKだと思う。
となると、戸籍法の
「子の名には、常用平易な文字を用いなければならない。」
という条文の方が実態にそぐわないわけで、むしろこっちを改正するなりすべきなのでは?
しかし今の立法府のあのていたらくではねぇ ^^;
……「ていたらく」って何か当て字があったな。
「為体」か。
この際だから覚えておくか。
「玻」も「玻璃」として準1級プラスに追加しよう。
えーと。
とにかく結局最高裁次第ってことで。
****************************
2010.4.13 追記
最高裁の判断はこちら。
****************************
「人名用漢字の新字旧字:「玻」は常用平易か」 が、
予想より早く ^^; 第6回で完結した。
で、ちょっと誤解していたようだ。
「玻」を常用漢字に追加しろ、と、親が訴えているのかと思ったが、そうではないっぽい。
「玻南」の名の出生届が受理されなかった
↓
その処分取り消しが家裁・高裁で棄却された
↓
今、最高裁
…ということのようなので、必ずしも“常用漢字に追加しろと訴えている”わけではなさそう。
「玻南」が受理されさえすれば、人名用漢字でもいいのだろう。多分。
しかし、だったら、「常用漢字に追加しろ」と国語審議会に意見したのは尚更いただけない。
前にもちょっと書いたが、そんなのはやや極端に言えば、目的のためには手段を選ばないテロリストと同じだ。
意見した中に両親が含まれていたのかどうかは、はっきり分からないが。
でも、ま、人名用漢字ならいいんじゃないの?
で、人名用漢字にするにしても、“常用平易”であるか否かが問題で、その点が今、最高裁の判断待ちということのようだ。
常用平易、ねぇ。
まず、字体は平易だと言っていいだろう。
読みも、「ヒ」とも読まれるかもしれないが、おそらく大方の人は「ハ」と読むだろう。
しかし“常用”とは言えないでしょ。
きっちり線引きできる概念ではないが、それにしたって無理がある。
でもまあ他の人名用漢字を見ると「なんだこりゃ?」ってのもあるし、そこに「玻」を追加することが無茶だとは思えない。
つまり、常用平易とは言えないが、人名用漢字に追加するのはOKだと思う。
となると、戸籍法の
「子の名には、常用平易な文字を用いなければならない。」
という条文の方が実態にそぐわないわけで、むしろこっちを改正するなりすべきなのでは?
しかし今の立法府のあのていたらくではねぇ ^^;
……「ていたらく」って何か当て字があったな。
「為体」か。
この際だから覚えておくか。
「玻」も「玻璃」として準1級プラスに追加しよう。
えーと。
とにかく結局最高裁次第ってことで。
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2010.4.13 追記
最高裁の判断はこちら。
****************************
posted by 並句郎 at 12:43| 漢字の周辺
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2010年02月16日
祈祷
祈祷。
「祈」は常用漢字。
「祷」は漢検準1級配当漢字。
「祷」は、漢検の標準字体では「禱」。(←見えてますか? ↑の字です)
後者で練習したので、その方が馴染み深い。
と言うか、「祷」という字体が好きではない。
「寿」と「壽」はどちらでもいいと思うのだが、
「祷」は「禱」と書きたい。
「濤」も同じ。
それはもう100%主観の問題、好き嫌いの問題であって、合理的な理由は何も無いが。
なので、「祈祷」は「祈禱」と書いてしまう。
漢検の解答としても、おそらく後者が模範なのだろう。
が、同じ「しめすへん」の文字が並んでいるのに、片方は「ネ」、片方は「示」で書くのは、やはり何かが間違っているような。
「祈」も旧字体にして揃えるか?
いや、「祈」を見慣れた目にはそれもちょっと…
四字熟語の「天神地祇」も同じパターン。
「神」と「祇」が並んでいるが、「祇」の標準字体はこれ→
大体が、「示」を「ネ」と書いてみたところで、見易さ書き易さにそれ程の差があるとも思えない。
確かに画数は一つ減るが、線の長さはほとんど同じなのではないか?
行書なら「ネ」でいいだろうが、楷書や活字で「ネ」とする必要が感じられない。
そうすることで余計な混乱を招き、「祈禱」なんていうおかしな表記も生まれるわけだ。
「ネ」は止めて「示」に統一すべし!
…と、もし自分が専制君主ならば叫んでいたかも知れない ^^;

「祈」は常用漢字。
「祷」は漢検準1級配当漢字。
「祷」は、漢検の標準字体では「禱」。(←見えてますか? ↑の字です)
後者で練習したので、その方が馴染み深い。
と言うか、「祷」という字体が好きではない。
「寿」と「壽」はどちらでもいいと思うのだが、
「祷」は「禱」と書きたい。
「濤」も同じ。
それはもう100%主観の問題、好き嫌いの問題であって、合理的な理由は何も無いが。
なので、「祈祷」は「祈禱」と書いてしまう。
漢検の解答としても、おそらく後者が模範なのだろう。
が、同じ「しめすへん」の文字が並んでいるのに、片方は「ネ」、片方は「示」で書くのは、やはり何かが間違っているような。
「祈」も旧字体にして揃えるか?
いや、「祈」を見慣れた目にはそれもちょっと…

四字熟語の「天神地祇」も同じパターン。
「神」と「祇」が並んでいるが、「祇」の標準字体はこれ→
大体が、「示」を「ネ」と書いてみたところで、見易さ書き易さにそれ程の差があるとも思えない。
確かに画数は一つ減るが、線の長さはほとんど同じなのではないか?
行書なら「ネ」でいいだろうが、楷書や活字で「ネ」とする必要が感じられない。
そうすることで余計な混乱を招き、「祈禱」なんていうおかしな表記も生まれるわけだ。
「ネ」は止めて「示」に統一すべし!
…と、もし自分が専制君主ならば叫んでいたかも知れない ^^;
posted by 並句郎 at 12:55| 漢字
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2010年02月15日
韃・撻
韃・撻。
漢検準1級を勉強したことのある人なら、必ず目にしているであろう「鞭韃」。
その「タツ」の字。
漢検関連の問題集などでは「韃」になっているが、一般の辞書では「撻」になっている。
「撻」は1級配当のようだ。
漢和辞典を見てみると、どちらの字も「むちうつ」という意味は同じ。
「撻」の方には「はやい」という意味もあるようだが、「ベンタツ」とは無関係だろう。
で、熟語「ベンタツ」は「鞭」の項に「鞭撻」として載っている。
が、旺文社漢和辞典の「韃」の項には「鞭韃」の用例も載っている。
ググってみると、
"鞭韃" に一致する日本語のページ 約 1,750 件
"鞭撻" に一致する日本語のページ 約 306,000 件
かなりの差がある。
が、「鞭韃」の方も無視できる数字ではないだろうし、それらが全て漢検の影響によるものとも思われない。
結局は、どちらも正解だが、現代日本では「鞭撻」が一般的、ということだろう。
ところで。
Yahoo!知恵袋にこんな質問があった。
漢検の勉強をしているのですが、辟易と僻易、鞭撻と鞭韃では、後者は正しいのでしょうか。
で、回答者氏も「鞭撻」を推しておられる。
それはいいのだが、この回答者氏の言うことには…
こういう問題・解答は漢字能力を計ることと無縁です。
もっと大切なことがたくさんあります。
そうかい?
どういう理屈で「漢字能力を計ることと無縁」なんだか。
「鞭韃」を読み書きできるのは立派な“能力”だろう。
「もっと大切なこと」もそりゃあるだろうが、一番大切なこと以外は無意味なのか?
この氏に限らないが、漢検に対して否定的な見解を時々目にする。
が、どうも、些細な点を取り上げて全体を否定するような論調が多いようだ。
感情的と言うのか。
そういう人って、要するに漢検食わず嫌いなのか、でなければ漢検不合格になって逆恨みしているのではないのかと思う ^^
漢検で意味があるのは2級までで、準1級や1級は無意味だと書いている人も多い。
その場合決まって、
「準1級や1級ではほらこんなに見たことも無いような字が出題されるんですよ馬鹿馬鹿しいですねだから無意味でしょー」
ってな言い方。
確かに無意味に思える部分はあるが、準1級・1級配当の中から新しく常用漢字に採用されるような字も200字近くあるのだ。
そこも無意味か?
まあ、漢検に合格しようと思えば、無意味(かも知れない)部分まで勉強しなければならないのが現実ではある。
だからと言ってすなわち漢検が無意味だとするのはあまりに乱暴だ。
そもそも。
2級以下なら学校の団体受検で否応無く、ってこともあるだろうが、準1級以上の受検は大部分が本人の意思によるもののはずだ。
言わば趣味。
そしてそれが仮に無意味だとしても、その無意味さを一番承知しているのは他ならぬ受検者だろう。
そういうところに口を挟むのは、無粋と言うか余計なお世話と言うか…
了見が狭いと思うよ。
まあそういう方々はこのブログなんか見てないと思うが ^^;
さて。
「鞭撻」は準1級プラスに追加済みだが、「辟易」も次回追加しておこう。
漢検準1級を勉強したことのある人なら、必ず目にしているであろう「鞭韃」。
その「タツ」の字。
漢検関連の問題集などでは「韃」になっているが、一般の辞書では「撻」になっている。
「撻」は1級配当のようだ。
漢和辞典を見てみると、どちらの字も「むちうつ」という意味は同じ。
「撻」の方には「はやい」という意味もあるようだが、「ベンタツ」とは無関係だろう。
で、熟語「ベンタツ」は「鞭」の項に「鞭撻」として載っている。
が、旺文社漢和辞典の「韃」の項には「鞭韃」の用例も載っている。
ググってみると、
"鞭韃" に一致する日本語のページ 約 1,750 件
"鞭撻" に一致する日本語のページ 約 306,000 件
かなりの差がある。
が、「鞭韃」の方も無視できる数字ではないだろうし、それらが全て漢検の影響によるものとも思われない。
結局は、どちらも正解だが、現代日本では「鞭撻」が一般的、ということだろう。
ところで。
Yahoo!知恵袋にこんな質問があった。
漢検の勉強をしているのですが、辟易と僻易、鞭撻と鞭韃では、後者は正しいのでしょうか。
で、回答者氏も「鞭撻」を推しておられる。
それはいいのだが、この回答者氏の言うことには…
こういう問題・解答は漢字能力を計ることと無縁です。
もっと大切なことがたくさんあります。
そうかい?
どういう理屈で「漢字能力を計ることと無縁」なんだか。
「鞭韃」を読み書きできるのは立派な“能力”だろう。
「もっと大切なこと」もそりゃあるだろうが、一番大切なこと以外は無意味なのか?
この氏に限らないが、漢検に対して否定的な見解を時々目にする。
が、どうも、些細な点を取り上げて全体を否定するような論調が多いようだ。
感情的と言うのか。
そういう人って、要するに漢検食わず嫌いなのか、でなければ漢検不合格になって逆恨みしているのではないのかと思う ^^
漢検で意味があるのは2級までで、準1級や1級は無意味だと書いている人も多い。
その場合決まって、
「準1級や1級ではほらこんなに見たことも無いような字が出題されるんですよ馬鹿馬鹿しいですねだから無意味でしょー」
ってな言い方。
確かに無意味に思える部分はあるが、準1級・1級配当の中から新しく常用漢字に採用されるような字も200字近くあるのだ。
そこも無意味か?
まあ、漢検に合格しようと思えば、無意味(かも知れない)部分まで勉強しなければならないのが現実ではある。
だからと言ってすなわち漢検が無意味だとするのはあまりに乱暴だ。
そもそも。
2級以下なら学校の団体受検で否応無く、ってこともあるだろうが、準1級以上の受検は大部分が本人の意思によるもののはずだ。
言わば趣味。
そしてそれが仮に無意味だとしても、その無意味さを一番承知しているのは他ならぬ受検者だろう。
そういうところに口を挟むのは、無粋と言うか余計なお世話と言うか…
了見が狭いと思うよ。
まあそういう方々はこのブログなんか見てないと思うが ^^;
さて。
「鞭撻」は準1級プラスに追加済みだが、「辟易」も次回追加しておこう。
posted by 並句郎 at 11:31| 漢字
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